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AtlassianがJIRA 7プラットフォームを3つのスタンドアロンJIRAエディションとして発表

原文(投稿日:2015/10/08)へのリンク

開発とコラボレーションのソフトウェアを開発するAtlassianは、プロジェクトトラッキングアプリケーションのJIRAのバージョン7を、新しい3つのスタンドアロン製品として発表した。JIRA Core、JIRA SoftwareJIRA Service Deskの3つだ。この3つの製品は共通のプラットホーム上に構築され、非技術者のビジネスチーム、開発チーム、ITやその他のサービスチームが、それぞれのチームのニーズに合うエディションを使えるようにすることで、より良いサービス提供を実現する。

JIRAの新しいエディションは別々に購入することもできるが、一緒にインストールして統一したJIRAインスタンスを組織全体に提供することもできる。製品ごとのライセンスユーザの数は合算されるので、全ユーザーに必要のないエディションを先払いせずに、必要に応じてインストールを拡大することができる(JIRA Coreは他のすべてのエディションと一緒に使うこともできる)。

  • JIRA SoftwareはAgileアドオンと合体し、"デフォルトでアジャイルのベストプラクティスと開発ツールとの深い連携"を提供する。一般的なユースケースとして、開発とプロジェクトマネジメント、設計の追跡や品質保証を提供する。
  • JIRA Service DeskはService Deskアドオンと合体し、"ITまたは他のサービスチームのためにユーザにフォーカスしたサービスデスク"を提供する。
  • JIRA Coreは以前のJIRAから特定のユースケースに特化したアドオンを除外したものから成る。そして、"タスクトラッキングと人事や財務、マーケティングなどのビジネスチームのプロセスを単純化"する。採用や四半期の締めの管理や広告キャンペーンの追跡などに使われる。

JIRA Software Agile Board

Atlassianは新しい機能をリリースしている。多くの新しい機能が部分的にはすでに使えるものであり、今回、JIRAのすべてのエディションで新しいデフォルトの機能となったものだ。

  • 一貫したプロジェクトエクスペリエンス。同じルックアンドフィールと機能性をソフトウェア、IT、ビジネスチームに提供する。
  • JIRAのエディションごとに分類されたプロジェクトテンプレート。カスタマイズ可能なデフォルトのワークフローを提供する。さらに、"既存の構成を新しいプロジェクトに共有"することができる。JIRA Service Deskは、"IT Service Deskプロジェクトテンプレートを提供し、変更とインシデントの管理"を提供する。
  • チームによってカスタマイズできるサイドバーは必要なアセットに一回のクリックでたどり着ける。例えば、Confluence、HipChatのルーム、Bitbucketのリポジトリ、その他の外部のサービスだ。

InfoQはJIRAのグループプロダクトマネージャであるAnutthara Bharadwaj氏に話を聞き、今回のAtlassianの旗艦製品の再構成について話を聞いた。

InfoQ: もっとも成功した製品を3つに分割して提供するということにした理由は何ですか。

Bharadwaj: JIRAの財産は、技術チームがより良いワークフローを共有できる点にあります。ソフトウェア開発チームの技術者ではないメンバがJIRAが強力な力に触れ、あらゆる種類のプロジェクトトラッキングのニーズをJIRAで満たそうとし始めました。私たちがこれに気づいたのはITチームがそうしようとしているからでした。そして、2014年に実施した調査では、JIRAがマーケティングや財務、人事のプロジェクトで使われ始めていることがわかりました。

3つの目的別に作られた製品によって、チームごとに異なる、特定のプロジェクトマネジメントニーズを満たすことができます。

InfoQ: ユーザはこの新しい製品群をどのように使うことができますか。好きなアプリケーションから始めて必要に応じて機能を追加することができるのでしょうか。

Bharadwaj: JIRA Software、JIRA Service Desk、JIRA Coreはスタンドアロンの製品なので、別々の製品として購入することができます。同じ企業の別のチーム[…]は、JIRAのどの製品から使い始めたかとは無関係にプロジェクトごとに切り替えて使うことができます。

InfoQ: ルックアンドフィールの統一と新しいサイドバー周辺のメインになる遷移の再構築、そして目的別のプロジェクトテンプレートにはとても労力がかかっています。どのような理由でこれらを実施したのでしょうか。ユーザにとってはどのような利点があるのでしょうか。

Bharadwaj: ソフトウェアチームでもITチームでもビジネスチームでも、ワンクリックでプロジェクトワークフローを管理できるように新しいサイドバーを設計しました。また、新しいサイドバーには、カスタムリンクを設置でき、スペースをパーソナライズして便利なアイテムを配置できます。ConfluenceのページでもHipChatのルームでもコードリポジトリでもなんでも配置できます。

サイドバーのエクスペリエンスは製品全体で一貫しています。これによってチームは協力する必要のある物事にアクセスできます。例えば、JIRA Softwareでは、プランニングやトラッキング、リリース、レポートなどの主要な画面にワンクリックで遷移できるような新しいプロジェクトエクスペリエンスの開発に注力しました。チームのメンバにとって大事なすべての機能はJIRAのフロントとセンターに出現し、製品のどこからでも使えるようになります。

InfoQ: JIRAはどんなチームでも使える製品に進化したとおっしゃっていますね。みな、JIRAのバリエーションを使いたがっているのかもしれない、ということに価値があるのはなぜでしょう。

Bharadwaj: チームがJIRAを選ぶのは、ワークフローエンジンが柔軟でカスタマイズできるだからです。柔軟だからワークフローとプロジェクトをシステマチックに計画し、追跡し、組織化できます。異なるチームごとに仕立てたエクスペリエンスに加え、ソフトウェア開発チームのためのスクラム、カンバンボード、サービスとITチームのための優先順位キュー、ビジネスチームのための承認プロセスなど、特定のチームに必要なものはすぐに使える状態です。また、引き続き、ユーザがチーム特有のニーズを満たすためにカスタマイズできるような柔軟さを提供していきます。

ビジネスチームは未だにメールやExcelでプロジェクトを追跡していることは、重大なことです。完全に非効率な方法です。ソフトウェア開発以外の世界へのJIRAを導入が進んでいるということは、どんなチームでもより良いワークフロー管理を探しているということの良い証拠です。新しいJIRAの製品を導入することは、顧客がJIRAで既に実践していることを、より簡単に、より個別のチームに特化した形で提供するということです。

InfoQ: 以前は別のものとして提供されていたJIRA Agileが新しいJIRA Softwareと統合されます。これは、どのようなソフトウェアチームにでも効果的なアジャイルな方法を見つけたということでしょうか。

Bharadwaj: JIRAはたくさんのアジャイルソフトウェアチームに使われているので、私たちはベストプラクティスに対する独自の視点を持っています。そして、このような視点を元に、JIRA Softwareを開発しました。つまり、アジャイルの方法論を実践しているのなら、長年実践しているにしろ、始めたばかりにしろ、アジャイルのワークフローの管理は楽になるということです。JIRA Softwareはスマートなアジャイルのデフォルトを提供するだけでなく、カスタマイズしたり拡張したりすることも可能なように作られています。

InfoQ: JIRA Coreには、課題の境界を示すカンバンボードが含まれていません。ビジネスチームは本当にこのようなカンバンボードに興味がないのでしょうか。

Bharadwaj: 顧客を調査してわかったのは、ボードを使っているのはわずかなビジネスチームだけだったということです。ほとんどがJIRAを使っていました。ワークフローが好きなのです。そのままJIRAを使っているチームもあれば、自分たち向けにカスタマイズしているチームもあります。最初のJIRA Coreのリリースで、プロジェクトテンプレートに注力しました。今後も、顧客からの要求があればカンバンボードを追加することも検討します。

InfoQ: 新しい製品をひとつ以上インストールしても単一のサーバとして動作します。管理者視点から見た場合、アップグレードはどうしたらいいのでしょうか。3つの製品のリリースサイクルは同じなのでしょうか。

Bharadwaj: 顧客は複数の製品をひとつのインスタンスで実行できます。それぞれの製品は独立して提供でき、独自のリリースサイクルを持っています。

InfoQ: 新しい製品構造へ移行するにはどうしたらいいでしょうか。JIRA 7へのアップグレードがいつもより大変になるような要因はありますか。

Bharadwaj: 過去の形態の現行バージョンを次のリリースへ移行することで、新しい製品構造に移行したことになります。JIRAまたはJIRA + JIRA Agileの顧客はJIRA Softwareへ移行できます。

InfoQ: JIRAは常にアドオンのエコシステムを通じて繁栄してきました。今回の製品の分割によってJIRAのカスタマイズしやすさはどのような影響を受けますか。

Bharadwaj: すべてのAtlassian製品と同じように、JIRAはどのような開発者でも素早く効率的にアドオンを作れるように設計されています。これは変わりません。実際、サードパーティの開発者もアドオンを作る機会に恵まれるようになります。

InfoQ: サードパーティが新しいJIRAのプラットフォーム上で完全なアプリケーションを開発するもできるのでしょうか。

Bharadwaj: JIRAは今や、複数の製品を異なるチームに提供するプラットフォームです。私たちはJIRAのプラットフォームをサードパーティの開発者に公開し、新しい製品を開発できるようにする計画をしています。

 

要望の多いJIRA Service Desk REST APIはこのリリースの一部ではないが、ロードマップ上にはある。また、Bharadwaj氏は、AtlassianがJIRA Service Desk Data Centerについて開発を進め、今年の終わりには機能についてより多くの情報を公開すると約束した。そして、インタビューの最後にAtlassianのコラボレーションについてのビジョンを共有した。

コラボレーションをより簡単にするソフトウェアを開発することを通じてソフトウェア開発チームのDNAになりました。そして、新しいJIRAの製品で、私たちはソフトウェア開発チームに投資しました。しかし、私たちの企業としてのゴールはすべてのチームのコラボレーションを変えることです。JIRA Service DeskとJIRA Coreは、何か偉大なことを成し遂げようとしているすべてのチームへ向けた重要な一歩です。

 

JIRA Core、JIRA Software、JIRA Service DeskはCloud(Atlassianがホストする)とServer(購入者がホストする)のふたつのエディションがある。AtlassianはJIRA 7の移行ハブを提供し、移行を支援する。このハブは製品、管理、ライセンス、ユーザ管理変更という別々のセクションを提供し、更新後のチェックリストを提供する。

JIRA CoreはJIRA 6と同じような値付け。JIRA SoftwareJIRA 6とJIRA Agileアドオンを合算したのと同じくらいの値段になる。JIRA Service Deskは1エージェントあたり月額25ドルから20ドルへと値下げされている。Atlassianのサポートポータルでサポート情報が提供される。バグはAtlassianの公開のトラッカーであるJIRAJIRA SoftwareJIRA Service Deskで報告できる。

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