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F#の過去,そして未来 - F# Gothamでの議論より

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原文(投稿日:2015/10/21)へのリンク

10月17日,F# Gothamに集まった専門家たちが,非同期プログラミングやコンピュテーション式(computation expressions),最適化,FParsec,Xamarin.Formsなど,F#言語のさまざまな面やツーリングに関するプレゼンテーションを実施した。 Visual StudioのF#プログラミングマネージャとプログラムマネジメントディレクタを務めるDavid Stephens氏とJay Schmelzer氏のプレゼンテーションでは,技術的側面よりも大きな視点から,F#の過去,現在,未来について取り上げた。

次期F#に関する計画については,プレゼンテーションの大半の時間を使って,詳細に論じられた。その中でDavid Stephens氏が説明したように,最優先事項のひとつは.NET Core CLRへの移植である。これを行うことで,.NET Coreプロジェクトの最終目標でもある移植性とモジュール性がF#言語で実現する。

早いペースで進化を続ける.現在のNETエコシステムの動向に遅れを取らないことは,F#開発の課題のひとつだ。合わせてVS CodeやWPF, Windows Forms, ASP.Net, ユニバーサルWindowsアプリといった,既存のテクノロジに対するサポートも考慮されなくてはならない。

F#で計画されていたプロジェクトの一部がすでにC#で実装されている状況に対して,F#をC#と同じレベルにすることが最終目標なのか,という質問に対して,両氏はそれを否定した。状況の変化は早く,C#など他言語に実装された機能がF#でも同じ優先順位を持つとは限らない,というのがその理由だ。同時にこれは,すべての新リリースにおいてF#とC#の両方をサポートしなければならない,ということにもなる。開発競争の激しい現在の状況においては,これが開発ペースを大きく低下させる要因にもなりかねない。そのため,今後プロジェクトは,言語の使用状況に基づいた優先順位に従って実施されることになるだろう。順位決定の過程では,コミュニティのフィードバックも考慮されるはずだ。

F#はRoslynをサポートするのか,という質問もあった。回答の前に両氏は,まずRoslynとは何かを明確に定義した。Roslynとは,C#/VBコンパイラを刷新するプロジェクトの名称である。つまり,Roslynをサポートすること自体に意味はない。しかしながら,Roslynのワークスペースでは,特定の言語に束縛されない高レベルAPIが提供されるため,F#のRoslynサポートというのは,実際にはこのRoslynワークスペースAPIをサポートするようにF#コンパイラを拡張する作業になる。このプロジェクトは計画中だが,.NET CoreCLRなど,より優先度の高いものがいくつかある,と両氏は返答している。

プレゼンテーションを通じて繰り返し強調されたのは,MicrosoftとF#チームにとってのオープンソースの重要性だ。優先順位の決定を支援し,言語開発を後押ししてくれる重要な戦力として,チームはコントリビューションコードやフィードバックを歓迎している。

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