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21世紀型のリーダーシップ:ヒトを力づけるのは不可能

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原文(投稿日:2016/02/18)へのリンク

21世紀型のリーダーシップ、シリーズ2つ目はgoAgile社のJenni Jepsen氏の講演だ。氏は21世紀型のリーダーシップに関するセミナーで、なぜヒトを力づけることが不可能であるのかを話している。

Jepsen氏は聴衆に質問を投げかけるところから始めた。誰かに力づけてもらうのを待つべきか、そもそも誰かが誰かを力づけることができるでしょうかと。わたしたちは人々を力づけることはできません。しかし、人々が力をもらっているように感じる組織を作れるように努力はできるのですとJepsen氏は述べた。

人々に権限を与えるには、彼らが技術的なコンピーテンスを持っていること、彼らが働いている組織に透明性があることを確かめておかなければならない。リーダーは、ギャップがどこにあるのかを見つけ出すために権限をいくらか委譲する必要があるのだ。以前にInfoQは氏と意向に基づくリーダーシップについてQ&Aを行い、そこで氏はその方法をこう説明している。

人々が必要な能力を持ち、目的を理解しているなら、意志決定をする力も持つべきです。能力と明晰さを持った人に権限を与えるということは、素晴らしいことが起きる環境を作るということなのです。

Jepsen氏は、アジャイルリーダーが権限を与えるのに障害となりうるものについて述べた。

  • 忙しさ
  • 責任を取れなくするような、環境における矛盾したメッセージ
  • 従わ”なければいけない”と感じるようなポリシーや手順
  • 白黒つけて考えさせるようなプレッシャー
  • 古い習慣;みんなが頭を使わない指示待ちモードでいる

InfoQの記事the neuroscience of agile leadershipでJepsen氏は、人々がどうやって報酬を最大にし、リスクを最小にしているのかを説明している。

新しい習慣を作るには、何か変えてみると決めることから始まる。Jepsen氏はまず1つだけに集中して取り組むことを提案している。これは意向に基づくリーダーシップの原理の1つ、”新しい思考のために自分らしく行動せよ”である。新しい習慣を定着させるには、変化の結果に対して満足感を得ること、ポジティブなフィードバックを受けて報われたと感じること、そしてそれを何度も繰り返して継続していくことが必要だ。

人々が力が湧くと感じるような環境を作れるかは、アジャイルリーダーにかかっているとJepsen氏は言う。氏は、力が湧くと感じる物理的な証拠を探すよう勧めている。例えば、彼らがどんな言語を使っているか、やりたいことに許可を求めてくるのか、共有してくるのか?良い顔つきで会話を交わしているか?バックログは誰もが見える状態になっているか?他の人が何かするのを待たずに責任を取っているか?など。

Jepsen氏は参加者と一緒に”新しい思考のために自分らしく行動せよ”のミニ体験を行った。まず自身について改善したいところを1つ考えてもらい、その理由を2つのグループに分かれてディスカッションした。次に、各々ができそうな具体的なアクションをグループでブレインストーミングし、それらを持ち帰って実際にやってみるよう促した。新しい振る舞いをとても小さな、具体的なアクションに落としこむことで、変化を成功に導くのだ。

多くの組織にとって、力が湧くと感じる環境を作るのは大きな変化である。妨げとなる要因は誰もがわかっている。このことを理解して、人々が力が湧くと感じるために小さな変化を重ねること、またそれを確認できるような証拠を探していくことがカギとなる。

21世紀型のリーダーシップ、シリーズ1つ目はHendrik Pothof氏とMichael Bres氏によるChallenges in an Agile Environmentという講演である。アジャイルな環境におけるリーダーシップのチャレンジについて語っている。

 
 

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