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21世紀型のリーダシップ: 意向に基づくリーダシップ

原文(投稿日:2016/03/03)へのリンク

21世紀型リーダシップの3回目となる今回の記事では,シリーズの最後として,21世紀型リーダシップに関するイブニングセミナでDavid Marquet氏が行なった基調講演から,意向に基づく(intent-base)リーダシップとリーダ-リーダモデル(leader-leader model)について紹介する。

Marquet氏はSanta Fe(訳注:米国の原子力潜水艦)を指揮していた時,自分の指示が間違っていても,皆がそれに従うことに気が付いた。氏はその艦を詳しく知らなかった(指揮の訓練は別の艦で受けていた)ため,もっと適切な指示を出すという選択肢はなく,それ以外の方法を考えなくてはならなかった。

InfoQは,意向に基づくリーダシップのアジャイルへの適用について,David Marquet氏とQ&Aを行なった。その中で氏は,リーダ-リーダモデルについて説明してくれた。

リーダ-リーダの背景にあるのは,人がそれぞれを周りからも,自分自身でも,リーダであるとみなす考え方です。つまりは自分自身で判断し,その判断の責任を 自分自身が負う,ということです。それと同時に,“リーダ”を含むすべての人たちが,組織の原則と目的に対してはフォロワになります。これは,“私はあなたに従う,あなたは上司に従う,上司は何がベストかを判断する”という考えに基づいた多数の組織とは違っています。リーダ-リーダでは,上司も皆と同じように,組織の原則に従う責任があるのです。

リーダシップを離れた瞬間にリーダシップは始まるのだ,とMarquet氏は言う。コントロールを諦めて,すべてのレベルの人たちにリーダシップを与えなくてはならない。

まずはいくつかの決定権を与えて,彼らがそれで何を行なうかを見てください。話し合いをしましょう。例えば,彼らがあなたの元に問題を持ってきて,“私は ... するつもりです”というステージにまだ達していないならば,その問題を自分自身で解決しなければならないとしたらどうするつもりかを尋ねて,少しの間 – 30秒でも – 考えてもらいましょう。この時あなたは,能力と明晰さ(clarity)の違いが何であるのかを理解できると思います。

明晰さと知識のコントロールにはサポートが必要だ,とMarquet氏は言う。より多くの責任と権限を得るには,トレーニングが鍵となる。同時に,意思決定を行なうには,自分が信頼されているという実感が必要だ。ストレスを与えることはプラスにならない,ストレスは人を駄目にする。

コントロールの委譲は少しずつ,段階的に行なわなくてはならない,とMarquet氏は言う。人々にコントロールを与えるこのアプローチを,氏はリーダシップの階段と表現している。コントロールの最下段にいる人たちには,何をするかを指示しなくてはならない。リーダシップの階段を上がることで,人々は何をすべきかを考え,示唆する段階から,意向に基づくリーダシップへと移行する。最上段にいるのは,自分が何をすべきかを完全にコントロールできる人たちだ。

私たちは,皆がもっとハッピーになると思って,彼らのパフォーマンスを改善しようとする。それではうまくいかない,とMarquet氏は言う。まずはあなたが皆をハッピーにしなくてはならない。そうすることによってパフォーマンスが向上するのだ。

“21世紀型リーダシップ”と題したこのシリーズの最初の記事では,Hendrik Pothof氏とMichael Bres氏によるアジャイル環境におけるリーダシップの課題について,2回目の記事では,人を力づけるのが不可能な理由に関するJenni Jepsen氏の講演を取り上げている。

 
 

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