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AtlassianがPortfolio for JIRA 2.0をリリース

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原文(投稿日:2016/06/09)へのリンク

AtlassianのPortfolio for JIRAの新リリースには,リアルタイムのポートフォリオ計画機能が備えられている。チームとプロジェクトに関する情報をJIRAから引き出して,製品ポートフォリオ計画に導入することにより,リリース計画に自動的に従うことが可能になる。

Atlassianのアジャイルポートフォリオ管理ツールのバージョン2.0は,JIRAソフトウェアにシームレスに結合されている。ポートフォリオの計画は,チームの最新情報を使用して実行される。このポートフォリオ計画のリリース情報を参照するこで,チームの作業の優先度付けが可能になる。これによって,プロジェクトの計画と管理に関する,チームと意思決定者との共同作業が実現する。

Portfolio for JIRA 2.0では,動的なデータローディングに新しい統合モデルが採用されている。JIRA上のチームの作業とポートフォリオ計画との連携には,セットアップウィザードを使用する。ツールからツールへのデータのインポートおよびエクスポートを,手作業で行なう必要はなくなった。

同製品のプリンシパルプロダクトマネージャを務めるMartin Suntinger氏に話を聞いた。

InfoQ: Portfolio for JIRA 2.0の新機能は何ですか?

Martin Suntinger: Portfolio for JIRAは,当社のフラッグシップ製品であるJIRAの機能を拡張するものです。その新バージョンの変更点で最も注目すべきなのは,新しくなった統合モデルです。JIRA 1.xのローンチ時には,計画関連の機能がチームや意思決定者に好評でした。プロジェクト間の統合ビューと合わせて,すべてJIRAから直接操作できる点が評価されたのです。しかしながら,従来の統合モデルは,計画の自由度は非常に高かったのですが,データのインポートを手動で行なわなければならないため,計画と現実の同期が失われることが時々ありました。

Portfolio for JIRA 2.0では,JIRAの特性に合わせた統合機能によって,開発計画の最初から最後までの統合と合理化を実現しています。ポートフォリオ計画がJIRAと動的に結合されることで,情報が常に自動的に更新され,チームの現在の作業に自動的に反映されるようになります。これによってすべてのメンバが,チームとプロジェクトの状況をリアルタイムで見ることができます。

同時にPortfolio for JIRA 2.0では,“もしも(what if)”という計画のメリットも引き続き備えています。さまざまな“もしも”のシナリオに従って,計画の変更やモデル作成を簡単に行なうことが可能です。ただしそれらの変更は,承認されるまでJIRAにはコミットされません。Portfolio for JIRAが持つスケジューリングアルゴリズムの能力と相まって,全員が影響を理解した上での迅速な優先度付けとトレードオフ決定が実現します。さらに,決定した内容はワンクリックでコミットして,実行に移すことが可能です。

InfoQ: 1.xxリリースではなく,メジャーバージョンのリリースにした理由は何ですか?

Suntinger: 1.xで得られた数千人のユーザからのフィードバックを基に,JIRAとの可能な限り高速でシームレスなインテグレーションを実現すべく,Portfolioをゼロから再設計しました。Portfolioでの計画からJIRAでの実行へのシームレスな移行と,最新情報を入手可能なレポート機能が相まって,これがチームの計画の立て方を大きく変えるものであることが,すでにベータ版の時点で分かっていたからです。

InfoQ: 複数のチームやプロダクトオーナの共同作業が必要な場合,Portfolio for JIRAではソフトウェアリリースをどのように実施するのか,例をあげて説明して頂けますか?

Suntinger: 複数のチームやプロダクトオーナが関与するケースにおいて,これまで私たちが見てきた大きな課題は,バックログの優先度に関する合意の形成と情報共有,依存性の管理,作業が計画通り進まない場合の情報伝達,といったものでした。

例えば,共有プラットフォーム上にモバイルアプリを開発中の企業を想像してみてください。アプリ内の広告表示を可能にしようという提案があれば,バックエンドチームから課金チーム,さらには他のモバイルプラットフォーム用アプリに至るまで,ほとんどのチームに多くの対応作業が求められることになります。そうなればチームはそれぞれ,自分たちのプロジェクトをJIRAで管理したいと思うでしょう。

Portfolioを導入することによって,クロスプロジェクトなリリース,計画,全プロジェクトを総括するデリバリ予測が可能になります。これは計画だけでなく,統合予定日がリスクかどうかを直接確認する(他の利害関係者には大いに関心のある部分でしょう!)上でも,非常に重要です。それが終われば,各チームは,自分たちの作業をバックログ項目に分割して,それぞれの作業項目間の依存関係をモデル化することができます。続いて自動スケジューリングが,それらを考慮した各チームの予測を立案します。それによって各チームは,他のチームが統合可能な状態になる期日や,各チームのバックログとの整合性に関して,明確なビジョンを持つことができるようになります。

InfoQ: 継続的デリバリを実施する場合,Portfolio for JIRAをどのように利用すればよいのでしょうか?

Suntinger: 継続的デリバリとはいっても,可視化やチーム全体の整合性といった課題が消えてなくなる訳ではありません。小規模な製品改良版が頻繁にリリースされる一方で,より大きな方向性に関わる計画や,統合に必要なチーム間の成果物の調整といった作業の重要さは,これまでと変わらないのです。

Portfolioを使って1日に複数回リリースする継続的デリバリを実践しているユーザを見ていて分かったのは,Portfolioにおける”リリース”の概念が,単に多少大きめのマイルストンか,あるいはタイムライン上の重要なマーカ(月や四半期といった)に変わってきているという事実があることです。それによってチームは日々の作業から離れて,高いレベルの計画に照準を合わせることが可能になるのです。

Portfolio for JIRA 2.0は,既存および新規ユーザを対象に提供中である。 Suntinger氏は6月30日と7月1日に,Portfolio for JIRA 2.0に関するウェビナ(Webinar)を行なう予定だ。Portfolio for JIRAのプロダクトページにはツールに関する情報の他,JIRAでそれを使用する方法が説明されている。

 
 

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