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WebKit, V8, EdgeのJavaScript実装が向上

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原文(投稿日:2016/05/19)へのリンク

ブラウザ戦争の激しさは相変わらずだ。WebKit, V8, Edgeは,最新のJavaScriptに対するニーズをキャッチアップする果てしない戦いの中で,それぞれの重要なマイルストーンを達成した。

WebKit開発チームは,WebKitがKangax Compatibility Tableにおける100% ES6(ES2015)互換性を初めて達成した,と発表した。WebKitはAppleのSafari Webブラウザのベースであり,最新のプレビュー版であるSafari Technical Preview 4自体の互換性も99%に達している。

Juriy Zaytsev(元Kangax)は,WebKitの最近の進歩には目を見張るものがあると言う。

彼らは長く,昨年はほぼ1年間にわたって競争に遅れをとってきました。それが急に進化を早めたのです。そう,本当に突然のことでした。今はWebKitの開発者から新たな機能が矢継ぎ早に現れては,それがアップデートとともに広報されている状況です。100%を達成したのはChromeとほぼ同時でしたが,Chromeが長期間取り組んできたのに対して,WebKitの進歩は本当に急速でした。

他のニュースでは,V8チーム(ChromeとNode.jsで使用されているJavaScriptエンジン)がasync/awaitの実装を完了した。最初にasync/awaitを提供したのはMicrosoftのブラウザのプレビュー版だったが,Node.jsがV8を使用していることから,ブラウザ以外でも広範囲にこの機能が提供されるようになる。TypeScriptのようなトランスパイラを使用すれば,今でもasync/awaitをコードで使用することは可能だが,V8に実装されたことでトランスパイラも不要になる。

これらに対抗してMicrosoftも,自身のEdgeプレビューブラウザをアップデートしてES6モジュールを提供する予定だ。ES6モジュールの静的な性質のため,ブラウザの検索が高速に実行できるようになる。そのメリットについて,Microsoftは次のように説明する。

仕様上,すべての宣言がモジュール本体のグローバルスコープに制限される(if文のimport/exportやネストした関数,evalなどは存在しない)ため,モジュールのインポートやエクスポートはすべてパース時に決定可能で,実行時に変更されることはありません。

Edgeプレビュー版にはさらに,現在提案中のES2016の機能もすべて(該当するものは2つだけだが)含まれている。

WebKitは,まだES6モジュールを実装していない。互換性表にこの機能がないのは,“自動的にテストするのが難しい上,仕様がまだ確定していない”からだ,とZaytsev氏は説明している。つまり,WebKitがKangaxの互換性テーブル上で100%を達成したといっても,ES2015に100%準拠しているという意味ではないのだ。

これら3つの改善はいずれも,公開される時期については明確になっていない。

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