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Gluonがフル機能のJava 9モバイル版の開発を発表

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原文(投稿日:2016/06/10)へのリンク

Gluonは,モバイル開発者用に対してJava 9サポートを提供し,すべてのOpenJDK APIを利用可能にするGluon VMプロジェクトを発表した。

完全なOpenJDK実装を保有する同社は,自身のGluon VMを基盤として将来リリースするGluon Mobileを通じて,Java 8およびJava 9の最新の開発成果というメリットを企業開発者に提供する,と述べている。

18ヶ月前にローンチされたGluon Mobileは,主要なJava IDE用にプラグインを提供することによって,単一コードベースによるAndroidとiOSプラットフォーム用のJavaアプリケーション開発を実現している。共同創設者のひとりであるJohn Vos氏によると,Gluon Mobileは,基盤となるハードウェアを抽象化し,ハードウェアアクセスと動的ユーザインターフェース構築のための共通APIを提供する。

Javaコードをモバイルデバイス上で実行するためには,デバイスがJavaバイトコードを解釈できなければならない。問題はそこにある。これまでのAndroidデバイス用のGluon Mobileデプロイメントでは,開発者のアプリケーションにAndroid用に最適化されたJavaFXをバンドルすることで,DalvikあるいはARTランタイムのAndroidネイティブコードへの変換を行なっていた。iOSデプロイメントでは多少異なり,RoboVM AOTコンパイラを実行して,アプリケーションとライブラリのすべてのコードをiOSネイティブなコードに変換していた。いずれのケースでも,Java SEの実装であるApache Harmonyが使用されていた。しかしApache Harmonyは第一線を退いて久しい上に,機能面でもJava 7のサブセットに過ぎない。つまり,ラムダ式やストリーム,モジュールといった,Java 8と9で導入された最新APIや言語機能は利用できなかったのだ。

Vos氏によれば,

RoboVMがXamarinに買収され,そのXamarinがMicrosoftに買収されたことで,RoboVM関連の開発はすべて停止しています。

RoboVMに将来的な発展の可能性がなく,しかも放棄されたApache Harmonyプロジェクトに依存していることから,これに代わる手段が必要だと決断しました。今週Devoxx UKで発表されたGluon VM開発の背景には,このような理由があったのです。

Gluon VMでは旧式のApache Harmony APIを,公式のOpenJDKプロジェクトが提供する完全なクラスライブラリに置き換えている。

さらに,

Gluon VMには,OpenJDK MobileプロジェクトにおけるOracleの開発成果も活かされています。Gloun VMはアヘッド・オブ・タイム・コンパイラとしても,ジャスト・イン・タイム・コンパイラとしても,あるいはランタイム・インタプリタとしても動作可能で,どのプラットフォームでも高いパフォーマンスを発揮します。

Gluonを創設したのは,JavaFXやモバイルプラットフォームの分野で深い経験を持つコミッタたちだ。

 

Gluonの共同創設者,そして開発に携わる有能なエンジニアチームは,VM開発からJavaFX,モバイル,Java EEに至るまで,Javaエコシステムの広い範囲に渡る数多くの貢献によって,Javaの世界で尊敬を集めている人たちです。Gluonは創設されて間もないにも関わらず,すでにJavaOne 2015で,Javaエコシステムへの貢献によってDuke’s Choice賞を受賞しています。

Gluon Mobileはローンチ以来,市場に急速に受け入れられています。現在では多くの企業が,単一コードベースで構築されたAndroidとiOSのアプリケーションを積極的に提供し,社内開発の大幅なコスト削減を実現しているのみならず,迅速なイテレーションを実施し,外部コンサルタントに依存することなく,‘未来を自分たちの手に’取り戻しているのです。

Vos氏は我々に,Gluon VMがOpenJDKと開発ペースを合わせて,Java 9と同じスケジュールでリリースする予定であることを教えてくれた。Java 8へのバックポートの計画は現時点ではないが,準備が整えばGluon VMのプレビュー版をリリースする予定だということだ。

氏は次のように述べている。

Gluonは,Gluon VM(およびGluon Mobile)をアプリケーションに採用する,あるいはVM実装への協力に関心のあるパートナとの協業を積極的に行なっています。

価格やライセンスの詳細はまだ確定していない。氏によれば,

私たちの目標は,ひとつのコードベースでデスクトップからモバイルや組込み機器まで,複数のデバイスに自動的に対応可能な,魅力的で高機能,高パフォーマンスなアプリケーションを開発したいと願う開発者にとって,最高の環境を作り上げることにあります。そのための有償サポートやコンサルティングを提供すると同時に,オープンソース資産としても誇りに思っています。

 
 

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