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Microsoftが一般向けクラウドワークフローツール”Flow"を提供

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原文(投稿日:2016/05/30)へのリンク

Microsoftは2016年4月27日,Flowという名の新しい個人用ワークフローツールを発表した。一般的なSaaSベースサービス間の作業を統合することによる,個人作業の自動化に焦点を当てた,“IFTTT”風のツールだ。

Microsoft Flowは,プレビュー中のAzureサービスであるMicrosoft PowerAppsAzure Logic Appsにそのルーツを持っている。Microsoft PowerAppsは,モバイルおよびWeb用のビジネスアプリ開発に関心のあるビジネスユーザや一般開発者を対象とした,開発用のプラットフォームである。一方のLogic Flowは,元々はPowerAppに異種システム間のワークフローを提供する手段として導入されたものだ。

Microsoftは,PowerAppとLogic Flowsの結合という方針から方向転換した。 プリンシパルグループPMマネージャのStephen Siciliano氏はこれについて,次のように説明する。“Microsoft Flowは,PowerApp使用の有無に関わらず,すべてのビジネスユーザにとって有用なツールです。そこでPowerAppsのサインアップして使用していなくても,Microsoft Flowを簡単に利用できるようにしました。クラウド内のイベントによってトリガ可能なシナリオは,PowerAppに関係するもの以外にもたくさんあることをご理解頂けると思います。” この独立化に伴って名称も変更され,Logic Flowsから単にFlowと呼ばれるようになったのだ。

Siciliano氏とそのチームは現在,次のようなシナリオを目標において開発を行なっている。

ボスがお呼びだ!

マネージャがEメールをたくさん送ってくるのですが,他のメールに紛れて,大切なメッセージを見落とすことがよくあります。幸いにも,ボスからのEメールが来るたびにテキストメッセージを送るようなフローは,とても簡単に作ることができます。

Twitterはどうなっている?
私がソーシャルメディアに詳しくないことは,友人の間では有名です。そこで流行の最先端についていけるように,使い慣れたツール(つまりExcel)にツイートを統合することにしています。Microsoft Flowに関連するつぶやきを検索するフローをセットアップして,いつでも見直せるようにExcelファイルに保存しているのです。

仕事に使うファイルを用意する
私はいつもOneDrive for Businessにファイルを保管していますが,同僚に見せるためにSharePointに簡単に置けたら,と思うことが時々あります。そのために,OneDrive for BusinessフォルダのファイルをチームのSharePointサイトにコピーするフローを作りました。

出典: Integrate 2016 Conference

Microsoftが現在進めている戦略は,FlowやPowerApps,Logic Apps,近日中にはBizTalk Serverといった,他のMicrosoft製プラットフォームから使用するコネクタの整備された共通プラットフォームの構築だ。現時点ではSalesforce,Slack,Trelloなど,34のSaaSおよびPaaSプラットフォームとのコネクションが用意されている。

出典: https://flow.microsoft.com/en-us/services/

生産性を向上し,サービスを利用するユーザの抵抗を軽減するため,Microsoftでは, Flow構築の時間削減を目的としたテンプレートギャラリを用意している。ギャラリがカバーしているシナリオには,次のようなものがある。

  • 新規Eメールの添付ファイルをOneDrive for Businessに保存する。
  • 英語以外のメールを翻訳する。
  • 特定のハッシュタグにマッチしたツイートをSlackチャネルに投稿する。

出典: https://flow.microsoft.com/en-us/templates/

Azure Logic Appsには,Flowサービスといくつかの類似点を持っている。 同時にLogic Appsは,クラウドベースの接続性とSaaS統合を重視したオーケストレーションにも重点を置いている。先日のIntegrate 2016におけるプレゼンテーションでは,MicrosoftプリンシパルグループエンジニアリングマネージャのCharles Lamanna氏が,Logic Apps/BizTalk Serverに代えてFlowを使用すべきシナリオについて議論した。

  • 製品開発において,ソースコントロールやテスト,サポート,運用などに関する標準的要件のない場合。
  • ExcelやAccess,SharePointの利用時間が長い場合。
  • 統合レベルの低いビジネスユーザや専門家。

出典: Integrate 2016 Conference

Lamanna氏はさらに,ユーザをLogic Appsに移行させるシナリオも提示している。すなわち,“Visual StudioとAzureで作業しているのであれば,BizTalk ServerとLogic Appsを使ってみてください。” ということだ。

適切な目標を持ってFlowを使い始めても,やがてはその複雑性が一般的なビジネスユーザの手に余るものになるかも知れない。この点はMicrosoftも認識している。複雑さが増すにつれ,IT部門が機能の追加や管理, インターフェースのサポートといった作業を一括して担当したいと考える可能性もある。このようなシナリオを念頭において,Microsoftでは,FlowをLogic Appnに変換するような,ワンクリック変換ツールの開発を進めている。具体的な日程は提供されていないが,Microsoftとしては2016年内を目標として,この機能を提供したいという考えだ。

 
 

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