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Azure Logic Appsが一般提供開始

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原文(投稿日:2016/08/08)へのリンク

7月27日、MicrosoftはIntegration Platform as a Service (iPaaS)であるLogic Appsが一般向け提供(GA)に達したと発表した。GAリリースにはワークフローの実行詳細やテレメトリのイベントとアラートなどの管理機能が追加されている。このリリースの一部として、同社は利用ベースの価格の詳細を公開した。

Logic Appsのクラウドへの旅はIntegrate 2014でMicrosoftがAzure App Serviceを発表したときまで遡る。以降、同社は2015年3月にパブリックプレビュー、2016年2月にパブリックプレビューの更新版を発表し、そして、今回のGAリリースとなった。Logic Appsは同社のオンプレミスの統合環境であるBizTalk Serverを補完する技術だと考えられている。2015の後半に同社はロードマップを発表している。これには両方の技術が記載されている。同社のロードマップ通り、Logic Appsは第二四半期でGAリリースとなった。

Logic Appsは軽量な統合インターフェイスをクラウド上に追加するためのマネージドサービスだ。Salesforce、Office 365、Dynamics CRM、SlackのようなSaaSとの接続に注力している。また、PaaSのAzure Service Bus、Azure Functions、さらにオンプレミスのSAPやSQL Serverとの接続も提供する。企業はブラウザかVisual Studioを使ってLogic Appsを構築する。デザインカンバス上でコネクタをドラッグし、ループや条件分岐、並列処理などのフロー制御をする。

 

画像元: https://azure.microsoft.com/en-us/blog/announcing-azure-logic-apps-general-availability/

管理のサポート

Logic Appsの初期のリリースでは、前のワークフローインスタンスを追跡することは可能だったが、テキスト形式だった。今回のリリースでは、ビジュアルな形式で提供されている。実行時間や外部システムで発生したエラー、メッセージペイロードの送受信など詳細な情報が表示される。

画像元: https://azure.microsoft.com/en-us/documentation/articles/app-service-logic-monitor-your-logic-apps/

また、診断機能を構成することで、開発者はAzure Event Hubsへテレメトリを送信することができる。Event Hubへデータが発行されると、開発者はデータの保存と分析にさまざまな選択肢を得られる。Azure Stream Analyticsへデータをストリーミングして計算処理をしたり、その前にMicrosoft Power BIでトレンドの分析とデータの探索したりできる。管理者がほかのAzureサービスや仮想マシンのヘルスチェックを視覚的に理解できるMicrosoftのOperations Management Suiteへテレメトリ情報を流すこともできる。

画像元: https://azure.microsoft.com/en-us/documentation/articles/app-service-logic-monitor-your-logic-apps/

テレメトリイベントを構成すると、開発者はある閾値を超えたら、Azure Alertsを実行することができる。例えば、Logic Appが失敗したら、イベントの購読が作成され、関係者にメール通知が飛ぶ。

画像元: https://azure.microsoft.com/en-us/documentation/articles/app-service-logic-monitor-your-logic-apps/

価格

MicrosoftはLogic Appsの価格も発表している。クラウドベースのサービスなので、利用課金モデルにしている。利用は“アクション”で計測される。ひとつのアクションはひとつのワークフロー内のひとつのステップに該当する。例えば、Salesforceにメッセージを送信するのはひとつのアクションだ。Salesforceからのレスポンスを使ってSQL Serverを更新するのも別のひとつのアクションになる。

Microsoftは顧客の支払いが少なくなるようにアクションの実行数をベースにして価格を設定している。詳細はAzure Pricing Pageに書かれている。

Jim Harrerへのインタビュー

InfoQは以前、Microsoftを含めてiPaaS Virtual Panelを行ったが、再びMicrosoftの主席グループプログラムマネージャーであるJim Harrer氏に今回のLogic Appsのリリースについて話を聞いた。

InfoQ:Logic Appsのチームはこの数ヶ月たくさんの機能を実装しました。Visual Studioのサポート、Azure Portalで視覚的に実行を確認できる機能、API Connector Managementのサポート、Azure Event Hubのテレメトリのサポート、コネクタの追加、などです。どの機能が一番面白いでしょうか。

Jim Harrer: どれも面白いものです。というのは、どの機能も統合の原則を横断して新しい機能を推し進めるという私たちの決意を示しているからです。Visual Studioのサポートがもっとも賞賛に値するものかもしれません。Visual Studio内でLogic Appsの設計と管理、配置ができるからです。

InfoQ: Microsoftの戦略の一部として、Microsoft BizTalk ServerとLogic Appsが相互に運用できるようにする、ということがあります。このふたつのプラットフォームの顧客はどのようなシナリオを描くことができるでしょうか。

Harrer: BizTalk ServerとLogic Appsは“共に”、私たちのハイブリッド戦略を強化し、私たちの企業顧客の可能性を無限に開きます。トリガーとアクションはSaaSやオンプレミスを超えるので、オンプレミスでワークフローを始め、クラウドで終えることもできます。一般的なシナリオとしてカスタムのビジネスアプリケーションの統合やSaaSとの統合です。例えば、SaaSベースの会計システムやCRMの情報を更新する必要があるPOSシステムです。

InfoQ: BizTalkの顧客は従来のMicrosoft Enterprise Agreementモデルで支払いをしています。既存の顧客、新規の顧客がLogic Appsと利用ベースの価格モデルを利用した場合、どのような利点がるでしょうか。

Harrer: Logic Appsの新しい利用ベースの価格はプレビューのときに私たちが直接顧客と対話した結果です。利点は明確です。顧客は使った分だけ支払いたいのです。私たちは月額の最低限の価格要件をすべて捨て、アクションの実行に課金することにしました。月に100000のアクションを実行していた、プレビュー版の顧客の90%がの顧客で月額が80ドルになりました。私たちはCIO、CTO、エンタープライズアーキテクトに対して、Microsoft Azureへ手頃な価格で負荷を担わせることができるという明確なメッセージを送りたかったのです。

InfoQ: Logic AppsはAzureの大きなエコシステムの一部ですあり、あなたのチームはAzureのほかのサービスにプラグインできるように機能開発することに注力してきました。Logic AppsがほかのAzureのサービスを活用することで得られる利点は何でしょうか。

Harrer:One Microsoftの一部として、50を超えるAzureのサービスのプログラムマネジメントチームと共に動いています。Azure Service Busはとても人気があり、幅広く使われています。顧客の多くは感情分析でAzure Cognitive Servicesを活用し、予測分析でMachine Learningを使い、Azure IoT Suiteを使ってIoT資産の接続や管理、制御をしています。しかし、この動きは始まったばかりです。Dynamics、O365、SharePointのチームとも会話を始め、Logic Appsを使って素晴らしい体験を提供しようとしています。まだ、可能性の表面を引っ掻いただけですが。

InfoQ: Logic AppsがGAになりましたが、あなたのチームは次はどのような領域に注力しますか。

Harrer: プログラムマネージャーのチームがあり、企業顧客向けの統合プラットフォームの開発に責任を持っています。まず、Pro Integrationと呼ばれるチームのもとにBizTalk Server、Logic Apps、API Managementを動かします。このチームはMicrosoftの企業向けの統合プラットフォームのビジョンと戦略に責任を持ちます。単にLogic Appsの新しい機能の話ではありません。より大きく深い議論をします。 Logic AppsについてはEnterprise Integration Pack経由でのB2B/EDI機能を仕上げることに注力しています。さらにコネクタをより多くリリースし、Visual Studioサポートもチューニングしていきます。BizTalk Server 2016はカスタマーテクニカルプレビューの2段階目であり、今年の後半にリリースされます。API Managementは新しいAzure Portalへ移行中です。私たちの動きが早くなっていることに気付くでしょう。

 
 

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