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ECMAScript 2015をフルサポートするOrion 12

原文(投稿日:2016/06/28)へのリンク

Eclipse Orionプロジェクトチームが同IDEのバージョン12をリリースした。ECMAScript 2015言語仕様をフルサポートする。

Orionは,アプリケーション開発のクラウドへの移行を研究するために,IBM Eclipseチームが立ち上げたプロジェクトだ。Web用の開発をWebで行うことに重点を置き,ブラウザベースのオープンツール統合プラットフォーム開発を目的とする。Orionの各ツールはJavaScriptで記述され,ブラウザ上で動作する。

IBMのソフトウェア開発者でOrionのコミッタであるOlivier Thormann氏は,ECMAScript 2015のサポートについて次のように述べている

Orion 12.0は,アロー関数やインポート/エクスポート文,クラスといったECMA 2015仕様をすべてサポートします。

Orionのツーリングは新しい言語構文を完全に理解するので,新しいクイックフィックスやコードテンプレートによるECMA 2015入門が可能です。lintルールも更新され,ECMA 2015の新しいコードパターンが遵守されるようになりました。

Orion 12の発表記事では,OrionコントリビュータのMike Rennie氏が,今回のリリースではOrionのJavaScriptツーリングが引き続き重視され,ECMA 2015がサポートされるようになる他,プロジェクト管理機能の改良やeslimtrc.*ファイルのサポートなども加えられている,と報告している。

同じくOrion 12のアップデートで重要なのが,Code Edit Widgetだ。コミッタのLibing Wang氏は,ウィジェットにカスタマイズ可能なエディタ設定と.termプロジェクトと.eslintrcファイルの微調整オプションの2つが追加されたこと,さらにウィジェットへの複数ファイルのインポートなど大きな改良が行なわれたことを報告した。更新されたウィジェットのwikiページには,.termプロジェクトと.eslintrcファイルを使って,ウィジェット内のJavaScriptバリデーションの設定方法を紹介するデモが含まれている。

今回の最新リリースには350のバグ修正と機能強化に加えて,サードパーティ製ライブラリのアップデートやリフレッシュも含まれている。バージョン12ではEsprimaパーザの使用が廃止され,Acronに置き換えられた。変更には”多くの理由”がある,とThormann氏は述べているが,最も重要なのは

  • ECMA 2015を完全にサポートしている(その大部分がリカバリを含む)。
  • プラグイン機構によって容易に拡張可能なため,Orion用にカスタマイズするためにパーザを改造する必要がない。
  • デフォルト構成で堅牢なリカバリ機構をサポートしている(パーザを変更して独自の機構をハックする必要がない)。

プロジェクトへのコントリビューションに興味のある読者は,Orionのwikiページを参照の上で,メーリングリストで自己紹介するとよいだろう。Orion(JavaあるいはNodeバージョン)のダウンロードや,OriginHub.orgにログインしてアカウントを作成することも可能だ。開発チームはプロジェクトへのフィードバックを歓迎している。

 
 

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