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MicrosoftとSAPがクラウドでのパートナシップを拡大

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原文(投稿日:2016/07/23)へのリンク

MicrosoftとSAPは先日のSAPのSAPPHIRE NOWカンファレンスで,パートナシップの拡大を発表した。その中には,SAP HANA Enterprise ワークロードを含むSAPプラットフォームに対する,Azureのサポート拡充も含まれている。HANAのサポート向上以外にも,両社は今後,Office 365やCoucur,SuccessFactor,Fieldglass,Aribaといった個別のSaaSサービスを越えた,広範なクラウドサービスの統合を展開する予定だ。発表以外にも,Microsoft Device Management(MDM)プラットフォームを使用したSAP Fioriモバイルアプリ管理が可能になる。

SAPPHIRE NOWでこの2社が共同発表をするのは,今回が初めてではない。20年前,当時MicrosoftのCEOであったBill Gates氏とSAPのHasso Plattner氏が,インターネットリテールソリューションを目的としたオープンインテグレーションを発表している。2社はそれ以降も,Duet Enterpriseなどのジョイントサービスで成功を収めてきた。

今回の発表で最も利益を得るのは,両ベンダのプラットフォームに強く依存している現状を変革したいと考えるユーザたちだろう。MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は,次のように説明している

Microsoftは企業におけるディジタル転換の推進の支援に重点を置いています。当社はSAPと共に,強力なコラボレーションツールを備えた当社のビジネス製品,データからの新たな洞察,そして成長と新たな機会獲得を可能にするハイパースケールなクラウドといったものの,新たなレベルのインテグレーションを提供します。

SAPは今回の発表を,パートナシップを活用してユーザの生産性を解放するための好機だと考えている。CEOのBill McDermott氏はこれについて,次のように説明する

従来のプラットフォームやアプリケーションの境界を越えた,ユーザの新たな生産性を解放する画期的なパートナシップがIT産業の姿を変える,と当社では考えています。SAPとMicrosoftは共同で,まったく新しい洞察力と利便性,アジリティに立脚したエンドユーザエクスペリエンスの創造に取り組んでいます。

SAP HANAのサポート

これまでのAzureでは,SAP HANA Developer Editionのみがサポートされていた。今回の発表によれば,近日中にSAP S/4HANAを含んだ開発,テスト,本番運用のSAP HANAワークロードが,Azure上で実行できるようになる。Microsoft VCPのJason Zander氏が,間もなく実現するAzureのSAP HANAサポートについて,先日のブログ記事に詳しく説明している。

  • SAP BWなどのSAP HANA Enterprise OLAPアプリケーションを対象としたマルチノードのSAP HANA on Azureで,最大32TBメモリまでスケールアップ可能なデプロイメントをサポート。
  • S/4HANAなどのSAP HANA Enterprise OLAPアプリケーションのためのシングルノード版SAP HANA on Azureでは,アプリケーション毎に3TBまでのメモリをサポート。
  • Azure MarketplaceにおけるSAP HANA Oneイメージの提供。
  • SAP S/4HANA on Azure GS5による可用性管理。

さらに,次のような新たなシナリオが本日から可能になる。

  • SAP HANA Enterprise on Azure GS5を使用したOLAP(シングルノード)運用および開発シナリオ。
  • SAP HANA Enterprise on Azure GS5を使用したOLTP NetWeaverソリューション開発シナリオ。

Microsoftはさらに,Coats LLC, Rockwell Automation, Nortekなど,アーリーアダプションプログラムに参加中のユーザを公開した。SAPもまた,SAP S/4HANA for Concurの社内デプロイメント用のホストとして,Azureの評価を行なっている。

クラウドサービスの統合

HANAの発表以外にも2社は,MicrosoftのOffice 365とSAPのConcur, Fieldglass, SuccessFactor, Aribaプラットフォームとのクラウドサービス統合を改良するための共同作業を行なっている。“数百万のビジネスユーザ”を持つ両社は,この統合において,プラットフォーム間の円滑なコミュニケーション,コラボレーション,カレンダやドキュメントの共有を通じた,より高い生産性の提供を重視している。この新機能は,2016年第3四半期始めの提供開始を予定している。

モバイルアプリの管理

SAP HANA クラウドにSAP Fioriモバイルアプリをデプロイする上で,管理機能とセキュリティ機能が必要なSAPユーザに対しては,Microsoft Intuneがまもなく利用可能になる。この機能は,オープン標準のプラグインフレームワークを通じて提供される予定だ。Firoiアプリを公開するベンダは,Intuneの機能を自分たちのアプリケーションに組み込むことで,Office 365モバイルアプリ用ですでにIntuneを使用しているユーザへのデプロイの簡略化が可能になる。この統合も同じく,2016年第3四半期の提供を予定している。

 
 

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