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W3C Web Payments HTTP仕様のワーキングドラフトがリリース

原文(投稿日:2016/09/29)へのリンク

Web Payments Working Groupは2016年9月15日,Web Payments HTTP API 1.0Web Payments HTTP Messages 1.0のワーキングドラフトをリリースした。ワーキンググループでは,これら初期ドラフトに関するフィードバックを広く募集している。

Web Payments Working Groupの綱領は,Web支払(Web Payment)のための高レベルフロー,API,メッセージスキーマを標準化することだ。綱領の目標には,標準化のメリットが掲げられている。

  • モバイルデバイスを中心とした,ユーザのよりよいチェックアウトエクスペリエンス。ユーザエクスペリエンス改善の一環としての,標準化による自動化促進。
  • 合理的な支払フローによる,取引成立前のトランザクション破棄率の低減(“ショッピングカートの廃止”)。
  • 支払手段の改善(セキュリティ関連などの理由などによる)あるいは新たな支払手段の導入の容易化。
  • ディジタル化された機械可読な支払要求と支払応答による付加価値の提供。

最初にWeb Payment APIドラフト,次にWeb Payments Messagesドラフトという順で参照する必要がある。提案されているAPIはCRUDスタイルのWeb APIだ。メッセージは,任意のスキーマ言語で表現可能なデータモデルとして表現されており,実装例にはJSON形式が使用されている。

現在のドキュメントに記載されている高レベルのWeb支払フローには,下図に示すようなプル支払(pull payment)のフローが示されているが,仕様ではプッシュ支払(push payment)もサポートされている。フローは主に,支払アプリ登録,支払要求の開始,支払応答の生成という3つのフェーズで構成される。

支払メディエータ(payment mediator)は,従来は存在しなかった新しい概念で,その名前が示すように支払者と受取者,選択された支払アプリの間のフローの調定を行なう。支払要求がプッシュかプルであるかに基づいて,インテリジェントなルーティングを行なうのはこのコンポーネントだ。同時に,受取者が受け入れ可能な支払メソッドによる支払者の支払アプリの選択も行なう。

対処の必要な興味深い課題が多数あるのは明らかだ。例えば,

  • 420 HTTPステータスコードが定義されていない。
  • 関連するエラー応答HTTPステータスコード。ACHやクレジットカード,暗号通貨(cryptocurrency)といった既存のディジタル支払システムに起因するさまざまな問題は別としても,将来的なディジタル支払手段のサポートは必要だ。
  • 脅威のマトリクス。新たに導入されたオペレーションの中で機密性を要するものは,
    • 支払サービスプロバイダのサイトが提供する支払アプリを登録するための,支払者のHTTPクライアント自体の認証。
    • 支払メディエータの動作。

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