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NGINX Plus R12が実現するマスタ-ピア間の構成共有、スクリプティング改善などの新機能

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原文(投稿日:2017/03/20)へのリンク

Nginxは、人気の高いNGINXオープンソースWebサーバの有償バージョンであるNGINX Plusのリリース12を発表した。クラスタリングを簡略化するための設定共有機能を新たに提供し、nginScript言語を公式サポートするとともに、監視と計測、キャッシング、信頼性の向上を実現している。

設定共有は、NGINXノードのクラスタ全体に同じ構成をプッシュできる新しいメカニズムだ。ノードのクラスタリングは、1つ以上のNGINXノードを追加してプライマリノードに冗長性を持たせたるアクティブ-パッシブ構成や、トラフィック処理に2つ以上のNGINXノードを同時に使用するアクティブ-アクティブ構成などを使用した場合のように、高可用性を保証するために使用される。NGINX Plus R12にはさらに、1つのノードがマスタの役割を果たし、残りのノードはピアとして機能する、新しいノード構成が導入されている。マスタの設定は、新設されたnginx-sync.shコマンドを使用してすべてのピア間で共有することができる。これにより、設定が各ピアに対して有効であるかどうかを確認した上での再起動や、問題が発生した場合のロールバックが可能になる。さらにこの機能は、ステージングサーバから運用サーバのクラスタ群に対して、構成を確実にプッシュするために使用することもできる。

バージョン12で実現するもうひとつの注目すべき変更は、nginScriptの大幅な機能拡張だ。nginScriptはNGINXの動作のカスタマイズを目的とするJavaScriptベースの言語で、新しいStringメソッドやECMAScript 6の算術メソッド、定数などが追加されている。それらにも増して重要なのは、nginScriptが安定したと考えられている点だ。nginScriptはNGINXの有償バージョンとオープンソースバージョンのいずれでも利用可能で。設定ファイルで使用する構文を拡張する。ロードバランシングのアルゴリズムや独自のセッション永続性、簡単なWebサービスの実装などで、独自のトラフィック処理ソリューションを作成することができる。

前述したように、NGINX Plus R12は次のような分野でも改善を実現している:

  • 統計:サーバの応答時間や共有メモリゾーンの使用率、TCP / UDPサービスのエラーコードなど、新しいメトリックが利用できる。
  • キャッシング: RFC 5861の stale-while-revalidatestale-if-error両ポリシがサポートされる。キャッシュの再検証をバックグラウンドで実行することも可能だ。
  • ヘルスチェック:信頼性を向上させるためNGINX Plus 12では、設定されたヘルスチェックに合格するまで、新たに追加されたノードへのトラフィックの送信を遅延させることができる。

NGINX Plus 12では内部キャッシュフォーマットやqueueディレクティブ使用時の設定構文など、いくつかの動作が変更されている。不明点については公式発表で確認しておいてほしい。

 
 

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