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MicrosoftがAzure IoTプラットフォームをアップデート、接続機能と時系列分析、エッジデバイスでの分析を可能に

原文(投稿日:2017/04/29)へのリンク

マイクロソフトは先頃、AzureのIoT(Internet of Things)機能に関するいくつかの発表を行った。これは先日開催された、Hannover Messe Industrial Automationカンファレンスに合わせたもので、発表されたニュースにはAzure Time Series Insightsという新サービスの追加、OPC UAとOPC DA用の接続プラットフォームの新たなサポート、エッジデバイス上でのAzure Stream Analyticのサポートなどが含まれている。これらの新機能に合わせて、Azure IoT Centralという、新しいSaaSベースのIoTソリューションも発表された。

Azure IoT Centralは、IoTソリューションの複雑さの軽減を目的としてMicrosoftが提供する、フルマネージドのSaaSプロダクトである。パートナディレクタのSam George氏は、Azure IoT Centralのメリットを次のように説明する

市場において優位な立場を維持したい企業にとって、IoTは新たなメリットをもたらします。一方でIoTソリューションは依然として複雑であり、スキルの不足は、すべての人々に対して、この新しいイノベーションの活用を難しくします。

現在のところ、このサービスは公開されていないが、関心のあるユーザやパートナは、MicrosoftIoTCentral.comに登録してサービスのアップデートを受け取ることができる。

Microsoftは、依然としてプラットフォーム・アズ・ア・サービスとしてのIoTプラットフォームサービスへの投資を続けている。その中には、Connected Factoryと呼ばれる、Azure IoT Suiteにあらかじめ設定された新たなソリューションも含まれる。このソリューションは、ユーザとパートナに対して、最初の参考用アプリケーションを提供するためのものだ。

イメージ引用: https://www.microsoft.com/en-us/internet-of-things/azure-iot-suite

多くの顧客が直面する課題のひとつとして、既存のSCADA設備の管理と監視に使用されている従来のプロトコルに対して、これまで投資した資産との相互接続の問題がある。こういった接続上の問題のいくつかを解決するため、Microsoftは、発電所や製造設備、石油、ガスといった産業環境では一般的な、OPC UAおよびOPCクラシック仕様のサポートを実現した。OPCなどの産業用プロトコルに多額の投資をしているユーザには、テレメトリをクラウドに公開するための施設の再構築を回避する手段として、フィールドゲートウェイソリューションが必要だと思われる。このようなニーズに応えるため、Microsoftは、Unified Automation、Softing、Hewlett Packard Enterpriseと連携してこの機能を提供している。さらに、独自の接続ソリューションを希望する企業のために、GitHubにあるOPC UA .NET標準ライブラリへのコントリビューションも行なっている。

産業設備から収集されたデータは、分析のためにクラウドに転送する必要がある。そこで実施される分析は、異常検出、将来的な故障の予測、機器の性能トレンドなどだ。異常やデータの傾向をユーザが特定可能にするために、Microsoftは、Azure Time Series Insightsと呼ばれる新たなサービスをパブリックプレビューとしてローンチした。George氏はこのサービスについて、次のように説明する

さまざまなイベントソースにまたがるデータに対するグローバルな視点を提供することによって、企業のIoTソリューションを迅速に検証し、ミッションクリティカルなデバイスのダウンタイムによる多額の損失を回避することが可能になります。シンプルで直感的なユーザーエクスペリエンスによって、1行のコードも記述することなく、隠されたトレンドを見つけ出し、異常を特定し、ほぼリアルタイムで根本原因の分析を行うことができます。

リッチなAPIを活用すれば、Azure Time Series Insightsを他のAzureサービスに統合することも可能になる。

Microsoftが最近行なったもうひとつの投資は、CEP(Complex Event Processing)テクノロジに対するものだ。これはAzure Stream Analytics(ASA)と呼ばれていて、これまではAzure Event HubまたはAzure IoT Hubからリアルタイムデータストリームを取り込んだ後に、クラウド上でのみ実行可能だった。しかしながら、デバイスを一時的に接続したり、クラウドに送信するデータ量が膨大であるようなユースケースに対して、このモデルではすべての要件を満たすことができない。このようなユーザのニーズに応えるため、Microsoftは、エッジデバイスで動作するAzure Stream Analyticsのプライベートプレビューを発表した。Azure Stream Analyticsチームの主席プログラムマネージャであるSantosh Balasubramanian氏は、新機能のメリットのいくつかを次のように説明する

Azure Stream Analyticsを使うことによって、分析インテリジェンスのクラウドへのデプロイとスケールアップが可能になり、デバイスで生成されたデータから実用的な洞察を容易に抽出できます。しかしながら、IoTのシナリオの中には、リアルタイムな応答、断続的な接続に対する回復力、大容量の生データ処理、確実に規制を遵守するための事前データ処理などを必要とするものがいくつもあります。エッジデバイス上でASAを使用して、物理的にデバイスに近い場所に分析インテリジェンスをデプロイし運用することによって、これらすべてを実現できるようになりました。

エッジデバイス上のAzure Stream AnalyticsにはAzure IoT Gateway SDKが活用されており、WindowsおよびLinuxオペレーティングシステム上で実行可能である。

イメージ引用: https://azure.microsoft.com/en-us/blog/announcing-azure-stream-analytics-on-edge-devices-preview/

 

 
 

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