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FacebookがReactのオープンソースライセンス変更を拒否

原文(投稿日:2017/08/24)へのリンク

Apache Foundationは先頃、FacebookのBSD+PatentsオープンソースライセンスのApacheプロダクトへの導入を認めないと発表した。この決定は、React開発者の間に失望と多くの内省を促したが、Facebookは今のところ、決定の再考を拒否している。

Facebookによると、BSD+Patentsライセンスは、自らをパテントトロール(patent troll)から守るためのものだ。エンジニアリングディレクタのAdam Wolff氏が次のように説明する。

ビジネスが成功を収めたことにより、当社は無益な特許訴訟の大きな標的となっています。そのため私たちは、BSDライセンス3条の下でリリースするソフトウェアに明示的な特許許可を加えることを決定し、いわゆるBSD+Patentsライセンスを作成しました。その特許権には、当社のリリースするソフトウェアをそのライセンス下で使用することと、特許侵害の訴訟を起こした場合にはライセンスを失うことが述べられています。

Facebookの声明には、“当社のリリースするソフトウェアはこのライセンス下で使用可能であり、特許侵害で当社を訴えた場合にはライセンスを失う”とある。すなわち、Facebookに対して何らかの特許侵害で訴訟を行なうと、Reactを使用する権利を失うという意味だ。弁護士であるDennis Walsh氏の解釈によると、これは単なる“こけおどし(paper tiger)”である。理由はいくつかあるが、React関連の特許や特許出願があるかどうか明らかではないからだ。

Facebookの主張する特許責任を判断するためには、Facebookの所有するさまざまな特許とその要件について評価する必要があります。あるいは、もっと具体的に、基盤となるReact技術に対する権利を主張するFacebookの特許は何なのか ... これは簡単な質問ではありませんが、私の見る限り、および今回のFacebookの条項の背後にあるクラウドソーシングから考える限りでは、その答はゼロです。さらにUSPTOや、ソフトウェア特許に対する裁判所の一般的な評価の低さから判断するならば、FacebookがReactに関して何らかの特許申請可能なもの、あるいは実際の特許を持っているとは考え難いのです。

Apache Foundationは、自らのCategory Xリストに同ライセンスを加えるにあたって、次のように述べている。

FacebookのBSD+Patentsライセンスには、ライセンスを受ける側ではなくライセンス供与者に有利な、不平等な特許事項が含まれています。これは、私たちのソフトウェアの下流ユーザに対するリスクであり、ユニバーサルドナーというApacheの法的ポリシに反するものです。

FacebookのReactライブラリは、Apache Foundationが認めた方法でコードをライセンスしているプロジェクトでも広く利用されているので、今回のApacheの決定は問題となる。開発側としては、Apacheの要件に引き続き従うのならば、プロジェクトからReact.jsを排除しなければならない、という問題に直面することになるのだ。Hacker Newsでの激しい議論の中で、ユーザkevinfloは、Facebookからの報酬なしでReactに貢献している開発者は“それを止める道徳的義務”がある、Reactは同社の“軍資金を増やす”ための“オープンソースコミュニティに対するトロイの木馬”なのだ、と書いている。

Raul Kripalani氏は、何らかの無関係な理由でFacebookを訴えようとする大企業による買収を回避するために、スタートアップ企業はReactを使用するべきではないと主張する。ただし、世界はさまざまな理由で存在する企業や非営利団体であふれているので、当然ながら、自分たちの国ではソフトウェア特許は有効ではない、と指摘するコメントもある。

一部の開発者からは、本当の問題はオープンソースソフトウェアに対する非倫理的な態度だ、という意見もある。“これはオープンソースのあるべき姿ではない”、とkevinfloは言う。Hacker Newsユーザのchrisco255などの人々は、このような例は今後も増えるかも知れない、という考えだ。

Facebookを相手に特許訴訟を起こすために何百万ドルも持っているのでなければ(守るべき特許があるのですか?)、気にする必要はありません。特許訴訟ではなく、優れた製品や活動に専念するべきです。

“今回の決定によって、一部のReactコミュニティメンバを失う可能性のあることは理解している”、とWolff氏は書いている。

それは残念なことですが、当社にはオープンソースに参加するという願望と、費用の掛かる訴訟から自らを守るという希望とのバランスを取る必要があるのです。このアプローチを変えることは、価値のあるオープンソースソフトウェアを引き続きリリースする当社の能力を阻害し、無意味な訴訟と戦うために費やす費用と時間を増やすことになるでしょう。
 
 

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