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チーム作りのための自己選択

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原文(投稿日:2017/11/16)へのリンク

ある企業で、人々を再分散させるために自己選択が行なわれた。開発者にとっては戦略的意志決定に関わり、ビジネスのニーズを理解する機会になった。自己選択をさせることで、人々に難しくて情報に基づく意志決定をする力を与え、彼らのモチベーションは向上し、意志決定の大変さが気にならなくなる、ということを学んだ。

自己選択はSandy Mamoli氏とDavid Mole氏の著書 Creating Great Teams - How Self-Selection Lets People Excelで説明されている。以前、InfoQは両氏にインタビューし、自己選択について話を聞いた。

Mamoli: 自己選択はどのチームで働くかを人々に選択させる方法です。小さな、クロスファンクションなチームを自己組織化するためのプロセスです。安定したチームを形成するためのもっとも効率的で速い方法であり、自分で何を誰と一緒ににするのかを選択したときに、人はもっとも幸せで生産的であるという考えに基づいています。

Mole: 簡単にいえば、多くのビジネスで行なわれているチーム選択のやり方の代替になるものです。多くの場合は、何人かのマネージャーが集まってる、どのようにチームを作るのかを決めます。プロセスを定義し自己選択の利点について話すなかで、私たちは実行可能な代替の方法を提供しただけでなく、ビジネスサイドの人たちがこの方法を実践すると、素晴らしい利点があり、後戻りできないということがわかりました。

cr360/UL-EHSSのスクラムマスターであるSerena Caruso氏とAntonia Greensides氏は、自己選択でチームを強化することについてAgile Cambridge 2017で話をした。InfoQはこのカンファレンスの模様はインタビューや記事で取り上げている。

InfoQは両氏にインタビューし、彼らがどのように自己選択を使いチームを作り、そこから何を学んだかについて話を聞いた。

InfoQ: チームを提議するのに自己選択を使おうとした理由を教えてください。

Serena Caruso: 部門の拡大と開発チームの数を増やす必要があるため、技術リーダーとマネジメントでたくさんの会議を行い、チームの割り振りについて話をしました。事前の割り振りがあり、残りはスポーツチームのバディを選ぶようでした。このやり方には誰も心地いいと思いませんでした。

Antonia Greensides: 代替のやり方について質問されたとき、個性のプロファイルに基づいたやり方を考えました。しかし、このやり方は私たちのアジャイルの原則にそぐわない感じがしました。そして、"なぜ車輪の再開発をしなければならないのか"と考え、どこかで誰かがこのことについてすでにアプローチしているに違いないと考え、調査を行い、ファシリテーションの本を読み、チーム形成のテクニックを検証しました。そして、Sandy Mamoli氏とDavid Mole氏の"Creating Great Teams"を見つけました。

InfoQ: マネジメントにはどのように売り込んだんですか。

Greensides: また、本を読み始める前、開発のマネージャーにアジャイルなチームを作るためのとても素晴らしい方法を見つけた、とアドバイスしました。この方法は、チームを最初から力づけることができるので、この方法を試してもいいか、それとも、破棄するべきかについて聞きました。

ありがたいことに、マネージャは代替の方法を考える準備をしていました。そして、私たちにこの方法が試す価値のあるものかどうかを判断するための意志決定のための提案を準備するように言いました。

私たちは本を最後まで読み、事例を調べ、PowerPointの短い資料を作って影響を持つ人たちに示しました。私たちはプロセスについて大いに議論し、PowerPointの資料のコピーを送ってフォローアップしました。期待した通り、"理論的には素晴らしい感じがするが、君はどうやってこれを成功させるつもりなのか。"という反応が多かったです。

Caruso: マネジメントを説得させるには、私たちはビジネス的な制約に対処するために設計されたワークショップを約束する必要がありました。

"最悪のシナリオ"は、私たちの最強の主張のひとつでした。ワークショップで合意が得られなかった場合、"最悪のシナリオ"は、人々が望むこととどのように一緒に働くかについて良い知識を得られない、皆を幸せにすることの難しさが明白になり、トップダウンのの選択方法が必要とされることでした。

ゴーサインが出るのを待つ間、私たちは何もせずにいたわけではありません。できる限りの準備(チームの準備やFAQの準備など)をしました。ビジネス側からチームをより効率的なユニットに分割するように圧力があったときも、私たちはそれを1週間で行いました。

InfoQ: プロダクトオーナーやチームに自己選択をどのように紹介しましたか。

Caruso: プロダクトオーナーには、マネジメントに対してと同じように売り込みました。この売り込みは、自己組織化という特性を使ってビジネスの制約に対処するという点を強調していたからです。

Greensides: マネジメントにアイディアを提案する一方で、一緒に働くチームにもこのアイディアを共有していました。もし彼らがこのアイディアを嫌うなら、もうこのアイディアを追求するつもりはありませんでした。ありがたいことに、素晴らしいフィードバックと新しいアプローチとしようとする意志をもらいました。

Caruso: チームは選択肢が明白だったためすぐに準備が出来ました。盲目的なトップダウンのマネジメントの意志決定に対して、チームで働く理由を自分で理解する機会を得て自分の今後の仕事を決めるチャンスがあるということは、ビジネスにとっては最高の戦略ではないかもしれません。開発者にとって自己選択は大人として扱われることであり、戦略的意志決定に関わり、ビジネスのニーズを理解することです。

InfoQ: 自己選択のセッションはどのように行われましたか。

Greensides: 私たちは多くの準備を行、他の企業が困難にどのように対処したのかを学びました。しかし、セッションが始まれば、何が起こるのかはわかりません。恐ろしい時間であることは認めなければなりません。

部屋のエネルギーは最初の行き詰まりに直面するまでは素晴らしいものでした。私たちはノイズと議論に対処する準備はたくさんしていましたが、沈黙については準備していませんでした。

Caruso: そして、次の一手が最大の過ちでした。マネジメントです。本ではマネージャを部屋の外に出せと書いてありましたが、そのアドバイスに従いませんでした。マネジメントが大胆な決断をして行き詰まりを打開しようと、ある開発者があるチームから別のチームに移るのがいいのではないか、と言ったのです。後から振り返ってみれば、これは状況を打破するための決定として有効でしたが、状況は別の方法で対処することも出来たでしょう。この点はチームはこのワークショップの良くないところだったと認識してしています。

Greensides: ワークショップは2時間で終わり、最終的には望ましいチームが出来上がりました。皆、このエクササイズを面白がりました。それは、皆が自由に選択できるということではなく、難しい決断をしなければならない理由が完全に透明だからでした。

InfoQ: 自己選択をすることから何を学びましたか。

Caruso: すでに実践している人のアドバイスに従うことです。マネジメントに関わりたくなるような誘惑を与えるべきではありませんでした。彼らは部屋の外に出しておくべきでした。

このセッションを、今やるとしたら、行き詰まりを打開するより良い策を用意するでしょう。また、それをチームに共有するでしょう。

人々に難しくて情報に基づく意志決定をさせる力を与えるなら、彼らはそれを受け取り、決定がどれほど難しいものであっても、それによって動機づけられるということがわかりました。

Greensides: 別の働き方を見つけるなら、それは標準とは違います。それを実現するのが難しいと心配でも、飛び込んで見てください。

何が起こることが最悪なんでしょうか。

 
 

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