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IBMがKubernetsとCloud Foundryを使用したハイブリッドクラウドコンピューティングプラットフォームのIBM Cloud Privateをリリース

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原文(投稿日:2017/11/12)へのリンク

IBMはIBM Cloud Privateをリリースした。パブリッククラウドと同等のクラウド機能を、企業がオンプレミスで構築可能なように設計されたプラットフォームである。“クラウドネイティブ”なアプリケーション開発を促進し、WebSphere Liberty、Db2、MQといったIBMテクノロジ上で動作する既存アプリケーションの最新化サポートを目標とする。新プラットフォームはオープンソースのKubernetesをベースとするコンテナプラットフォーム上に構築されており、すべての価格ティアにおいてDockerコンテナとしてのアプリケーションのデプロイと、“Cloud Native”および“Enterprise”ティアにおいてオプションのアドオンを使ったCloud Foundry経由でのアプリケーションのデプロイをサポートする。

IBM Cloud Privateは Community Edition、Cloud Native、Enterpriseという3つの価格ティアで提供される。いずれのティアも、Kubernetesコンテナオーケストレーションプラットフォーム、Dockerイメージのプライベートリポジトリ、管理コンソール、監視フレームワークを含む、コンテナ管理のための統合環境を提供する。

Community Editionは実運用以外の使用を想定してKubernetesマスタノードをひとつに制限したもので、無償でダウンロードが可能である(登録が必要)。有償のCloud NativeとEnterpriseでは営利運用がサポートされており、IBMソフトウェアの開発版とPostgres、MongoDBの他、IBM WebSphere Liberty、IBM Microservices Builder、IBM SDK for Node.jsが含まれている。さらにEnterpriseバージョンには、IBM WAS NDやIBM MQ Advanced、IBM API Connectといったエンタープライズソフトウェアも含まれる。

IBM WebSphere LibertyやDb2、MQなど、中核的エンタープライズソフトウェアのコンテナ最適化バージョンも合わせて発表された。ただし、Uberが先日Dockerにパッケージ化したMySQLを同社が大規模に運用中であることを論じてはいるが、データベースをコンテナ内で運用することが適切かどうかという問題にはいまだ結論が出ていない点に注意が必要だ。

IBM developerWorksブログによると、既存のWebSphereおよびDb2アプリケーションを管理するJavaおよびエンタープライズ開発者の数は1,200万を越えるという。IBM Cloud Privateはこれらレガシシステムを“クラウドネイティブ”アプリケーションとしてコンテナ化し、ファイアウォール内やハイブリッドクラウド戦略の一部として運用可能にする。

IBM Hybrid Cloud Use Cases

IBMが提案するプライベートクラウドとハイブリッドクラウドのユースケース

IBMはオープンソースプロジェクトとそれを支援する営利企業、新興のクラウドネイティブ開発者コミュニティに対するコミットを強く主張している。2014年、IBMはDocker初のエンタープライズパートナになり、Docker EEの販売とサポートを最初に行なった。さらにCloud Foundry FoundationのPlatinumスポンサを創立し、Cloud Foundry上にIBM Bluemix platformを開発した。同社はCloud Native Computing FoundationのPlatinumメンバでもあり、Kubernetsプロジェクトにも積極的に貢献している。developerWorks WebポータルのIBM Codeのセクションには、クラウドやコンテナ、マイクロサービス開発に関するさまざまなパターンも提供されている。

プライベートおよびハイブリッドクラウド市場における競争はますます激しくなっている。Microsoftは同社のAzure Stackソリューションを、Azureをプライベートデータセンタで運用したいと考える企業に提供している。GoogleとPivotalは先頃、Cloud Foundry BOSHとKubernetesを使用したPivotal Container Service(PKS)の提供に関して提携を結んだ。いずれもVMWare vSphereおよびGoogle Cloud Platform(GCP)上で動作する。AWSは現在、VMware vSphereベースのプライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド間で、一貫性を持ってアプリケーションを運用可能なVMware Cloud on AWSを提供中である。

IBM Cloud Privateに関する詳細情報はIBMのWebサイトで確認することができる。Community Editionのインストール手順については、IBMのGitHubリポジトリに紹介されている。

 
 

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