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AWS re:Invent 2017で発表された新サービス - マネージドKubernetes、サーバレスRDBMS、DynamoDBグローバルテーブル

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米国ラスベガスで開催されたAWS re:invent 2017で、いくつかの新しいコンピューティングおよびストレージ機能が発表された。フルマネージドKubernetesサービスのAWS EKS、マネージングサービスなしでコンテナを実行するサービスのAWS Fargate、Amazon Aurora Multi-Master、Amazon Aurora Serverless、DynamoDB Global Tablesとオンデマンドバックアップ、フルマネージドなグラフデータベースのAmazon Neptune、オブジェクトに格納されたデータのサブセットのみを取得するSQLライクなクエリを可能にするAWS S3 SelectとGlacier Selectなどだ。

Amazon Web Services(AWS)のCEOであるAndy Jassy氏による水曜日のAWS re:Invent基調講演は、AWSプラットフォームの目標は現在のシステム開発者に必要なすべてのものを提供することであり、エンタープライズ環境において効果的かつセキュアに利用可能なサービスとプラットフォーム、ツーリングを提供することである、という発言から始まった。

まず注目を集めたのは、今日プレビュー版が公開されたAWS Elastic Container Service for Kubernetes (EKS)の発表だ。Google Cloud PlatformのGoogle (Kubernetes) Container Engine (GKE)、MicrosoftのAzure (Kubernetes) Container Service (AKS)と合わせて、これで3つの主要クラウドベンダから、フルマネージドKubernetesサービスが出揃ったことになる。AWSブログではEKSについて、オープンソースのKubernetesソフトウェアの上位版を運用しており、“ハイブリッドクラウドとの互換性”と自動アップグレードおよびパッチ機能を備え、CloudTrailCloudWatchIAMVPCといった他のAWSサービスと統合可能である、と説明されている。

コンテナの話題が続いて、次に発表されたのはAWS Fargate – マネージングサーバあるいはクラスタなしでコンテナを実行するサービスだ。FargateはEC2に相当するが、VMではなくコンテナをインスタンスプリミティブとしている。コンテナイメージをビルドしてCPUとメモリの要件を指定し、ネットワークとIAMのポリシを定義した上で、マネージドクラスタ内でそのコンテナをローンチする。ECSクラスタは異種混合型であり、Fargate内とEC2上で動作するタスクを含むことができる。このサービスは現在、US East(北バージニア)を対象として公開されている。AWSは2018年中に、Amazon EKSを使用したFargateへのコンテナローンチをサポートする計画である、とJassy氏は説明した。

The AWS Compute Offerings

Amazon Aurora RDBMS・アズ・ア・サービスには、2つの重要なアップデートが行われた。いずれもプレビュー版でのみの提供だ。Multi-Master Auroraでは、複数のアベイラビリティゾーンにわたって、複数の読み取り/書き込みマスタインスタンスを生成することができる。これにより、既存のレプリカ読み込みと同じような方法で、クラスタ内の複数のデータベースインスタンスに対するデータの読み書きが可能になる。この新しい構成によって、200,000書き込み処理/ 秒という現在の上限を超える処理を実行できるようになった。

Amazon Aurora Serverlessは変動性が極めて高く、迅速な変更が必要なワークロード用に設計されたもので、データベースリソースの使用量を秒単位で支払うことができる。データベースエンドポイント(必要であれば最小容量と最大容量の設定)を作成すれば、コンピューティング能力とメモリの組み合わせで表されるAurora Capacity Unit(ACU)に基づいた課金が行われる。AWSブログによれば、MySQLとの互換性を備えたAurora Servlessの一般公開は2018年前半に計画されている。それに続いて同年の後半には、PostgreSQLとの互換性も提供される予定だ。

フルマネージドのNoSQL Amazon DynamoDBサービスも2つの大きなアップグレードが行われた。最初のアップグレードであるGlobal Tablesは、2つ以上のAWSリージョン間で自動レプリケーションされるテーブルの作成を可能にし、マルチマスタ書き込みを完全にサポートする。このサービスは今日から一般提供(GA)される。2番目に発表されたオンデマンドバックアップは、DynaDBテーブルのフルバックアップを、(読み込みと書き込み単位が適切に設定されていれば)パフォーマンスや可用性に影響を与えることなく、“ワンクリックで”作成可能にするものだ。バックアップサービスは今日から、ポイントタイムのリストアは2018年始めに提供される予定である。

データストレージの分野ではさらに、Amazon Neptuneの限定プレビューのローンチも発表されている。Amazon Neptuneは、“高レベルで接続されたデータセット間の関連からの洞察を簡単に得られるようにする”、フルマネージドなグラフデータベースサービスである。このサービスでは高速フェールオーバ、ポイントインタイムリカバリ、複数AZへのデプロイメントが可能な他、最大で15の読み込みレプリカをサポートし、毎秒100,000クエリまでクエリスループットをスケールすることが可能である。Amazon Neptureは、グラフの記述とクエリに2つのオープン標準、すなわちGremlinの要件であるApache TinkerPop3と、SPARQLの要求するResource Description Framework (RDF)をサポートする。

AWS Neptune

Amazon S3 SelectとGlacier S3のローンチによって、エンジニアとアプリケーションは、簡単なSQL式を使用して、データのサブセットのみをオブジェクトから取得できるようになる。これにより、S3あるいはGlacierにストアされた圧縮CVSのコンテンツのクエリを、ダウンロードとファイルの展開なしで行なうようなユースケースがサポートされるようになる。アップデートされたS3 SDKでは、機能の実現にバイナリワイヤプロトコルが使用されているため、デシリアライズライブラリを追加する必要がある。Glacier Selectは、ジョブ開始要求に対して追加的なパラメータを渡すことができる点を除けば、他のGlacier検索ジョブと同じように動作する。S3 Selectはプレビュー版として、Glacier SelectはGlacierを提供中の商用リージョンすべてにおいて一般提供されている。

コンピューティングとストレージの分野では、基調講演に先立っていくつかの発表も行なわれている。

  • VPC PrivateLinkモデルが拡張されて、ユーザがVPC Endpointをセットアップして自社サービスにアクセスしたり、他に公開するために使用できるようになった。
  • i3.metalインスタンスの公開プレビューにより、他のすべてのAWSサービスへのアクセスを提供しながら、EC2インスタンスとしては初めて、基盤となる“ベアメタル”ハードウェア上でオペレーティングシステムを直接動作させることが可能になった。
  • スポットインスタンスのStreamlined Accessモデル。スポット価格は、需要と供給の長期的傾向に基づいて、より穏やかに価格が調整されるモデルに移行した。
  • スポットインスタンスハイバネーション – 再利用時のためにインスタンスのメモリ状態を保存できるようになった。
  • 新しいH1インスタンスのローンチ。このインスタンスは特に、大規模なMapReduceクラスタやApache Kafkaを使った大容量ログファイル処理など、テラバイト単位のデータを高速にシーケンシャルアクセスするようなユースケースを想定してデザインされている。
  • 新しいM5インスタンス。コア数ベースのM4インスタンスよりも14パーセント優れた価格/パフォーマンスを提供する。このインスタンスはEnhanced Networking (Placement Group内で使用される場合、25Gpsを提供する)をサポートすると同時に、NVMeを使用することでEBSストレージへのアクセスも拡張されている(ただしいくつかの注意点がある。
  • T2 Unlimitedの新規ローンチ。任意のタイムフレームにおいて高いCPUパフォーマンスを提供する。
  • Amazon Time Sync Service – Network Time Protocol (NTP)による時間同期サービスで、各リージョン内で冗長衛星接続クロックと原子時計を使用することで、高精度な基準時間を提供する。

AWS re:Inventでローンチされたサービスとアップグレードされたサービスの詳細は、{0]AWS News Blogで確認することができる。

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