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暗号通貨に反対する銀行と、ブロックチェーン支持に傾く企業

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原文(投稿日:2018/02/04)へのリンク

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新年の訪れとともに、Redditに新たなニュースが持ち上がった。大手銀行のCaptal Oneが、過大なリスクと変動性、金融主流派による支持の限定性に関する懸念から、クレジットカードによる暗号通貨の購入を禁止する動きに出たのだ。英国銀行のLloydsがこれに続いた。ただしCaptal Oneのブロックチェーン技術に関する姿勢は、必ずしも否定的なものではない。2016年にはエンタープライズブロックチェーンプロバイダのGemと提携して、医療費支払請求のライフサイクルを追跡にブロックチェーン技術を用いた“プロトタイプの構築に成功”している。

Bitcoinを始めとする暗号通貨に関する論争と価格変動の続く中、関連技術であるブロックチェーンへの関心は高まっており、金融業界やその他の大手企業が積極的な取り組みの姿勢を見せている。

Bitcoinがほぼ行き渡った現在、人々が“ブロックチェーン”と呼んでいるのは、実際にはデータ構造と格納のためのコンピュータ科学のパターンのひとつである場合がほとんどだが、インターネットにはさまざまな形式の、(Programmable Webで公開されているブロックチェーンAPIリストで確認できるような)ブロックチェーンの実装が数多く存在する。

ブロックチェーンの価値は永久的な分散型台帳の効率的な実装にあり、企業が可能性をテストしようとしているのはその部分である。StarbucksのCEOであるHoward Schulitz氏が、将来の決済プラットフォームとしてブロックチェーンの支持を表明したニュースは大きく報道された。Starbucksはブロックチェーンに具体的なプロジェクトや投資を行ってはいないが、その他の企業は、ブロックチェーンAPIのリリースを通じて、開発コミュニティに参加する取り組みを始めている。

2017年後半には、VisaとMastercardという電子決済業界の2大企業がブロックチェーンAPIを発表している。ブロックチェーンにはPublic(Bitcoinのような)、Permissioned、Privateの3種類がある。MastercardとVisaが提供するのはいずれもPrivateブロックチェーンで、当面はB2B(Business-to-Business)の領域を対象とする。Mastercardはおもに3つのAPIで、おもに3つのユースケースを想定している。第1には出所の証拠の提供、第2には自動車サービスの履歴保存、第3には金融機関間での資金転送にMastercardの決済ネットワークを利用した、個人間の送金である。

国境を越えた支払は特に面倒で時間を要するプロセスだが、Visaが解決策のひとつとしてのブロックチェーンを宣伝しているのはこの分野だ。支払企業はChainと提携して、Visa B2B Connect APIを作成する。このAPIはPrivateブロックチェーンも利用して、参加金融機関間でほぼリアルタイムな国境間の支払手段を提供する。プラットフォームは現在、米国銀行のCommerce Bank、韓国のShinhan Bank、フィリピンのUnionBank、シンガポールのUnited Overseas Bankの間で、銀行間のテスト取引を行なうパイロット運用が行なわれている。
 

業界のコントロール権を失いかけている銀行の悪あがきだ、とこれを見る向きもあるが、現実的および神話的な宇宙開発競争の副産物すべてと同じように、企業は今、Satoshi Nakamoto氏のブロックチェーンの応用先を、Bitcoinでのオリジナル実装を越えたさまざまな方面で探し出そうとしている。ブロックチェーンは今や、世界の宝石マーケットからブラッドダイアモンド(訳注:武器購入などの費用として取引されるダイアモンド)を排除する目的から、マグロの生息地の証明に至るまで、あらゆる問題のソリューションとなっている。

 
 

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