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MicrosoftがWindows 10 Updateで人工知能プラットフォームを組み込み

原文(投稿日:2018/03/20)へのリンク

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次のWindows 10 updateで、Windowsアプリケーションに人工知能を統合できるようになる。Windows PC、タブレット、IoT Edgeデバイスといった、何百、何千というデバイスに直接影響する。

Windows MLプラットフォームの新バージョンにより、開発者は学習済みのディープラーニングのモデルをVisual Studioで直接アプリケーションに統合できる。モデルはVSツールにインポートする前に、Open Neural Network Exchange (ONNX)フォーマットに変換しておく必要がある。

ONNXは、MicrosoftとFacebookが2017年9月にローンチし、後にAWSも加わったオープンソースの機械学習のフレームワークである。ONNXはニューラルネットワークフレームワーク間でモデルの受け渡しを可能にする。PytorchApache MxNetcaffe2、Microsoft Cognitive Toolkit (CNTK) のようなツールで学習済みモデルをONNXへ変換し、その後、Windowsアプリケーションに実装する。NVIDIA、Intel、Qualcomm、AMDといったWindowsのハードウェアベンダーはこのフォーマットをサポートし、ONNXに最適化したハードウェアをリリースした。

人工知能は既に画像と顔認識、検索結果の妥当性、音声認識、データセキュリティなど、多くのMicrosoftアプリケーションやサービスで広く使われている。これらのAI機能はクラウドで学習されたモデルに依存しており、激しい演算リソースを要する。しかしながら、クラウドAPIを製品機能に依存させるとレイテンシが発生し、プライバシーに関する懸念が高まり、デバイスの電力消費が増加する。

Windows MLとONNXのコンビネーションにより、計算を必要とするモデル学習フェーズは未だクラウド上で行われているが、推論計算は直接アプリケーション内で実行される。これによりオフラインでの利用が可能となり、電力消費を抑え、プライベートデータの転送を回避し、レイテンシを減らしてリアルタイム処理を実現できる。モデル生成のフェーズでは、開発者とデータサイエンティストは目の前のタスクを最も効率的なフレームワークを使って処理することができ、そして学習済みモデルをONNXに変換し、最終的にはONNXのフォーマットに従ったモデルをWindowsアプリケーションに統合する。

Gartnerによれば、デバイスにおける人工知能の潜在的なユースケースはパーソナルアシスタント、不正検出、デバイスリソース最適化、仮想現実に焦点を当てている。人工知能の組み込みはまた、健康診断、パーソナライズされた筆記具、生体認証といったプライベートなユーザデータを直接悪用するアプリケーションをサポートする。

Windows MLはディープラーニングのモデルに限らず、Core MLScikit-LearnXGBoostLibSVMといった他のフレームワークから典型的なマシンラーニングのモデルもインポートできる。

AppleはCoreMLモデルフォーマットで似た道を辿っている。CoreMLは、OS XやIoSアプリケーションの統合のため、モデルタイプの種類をCoreMLモデルのフォーマットに変換するPythonパッケージである。CoreMLはscikit-learn、LIBSVM、XGBoostといった典型的な機械学習モデルに傾いており、Caffe V1とKeras 1.2のディープラーニングフレームワークしかサポートしていない。一方、GoogleはAndroidをTensorFlow Liteフレームワークで稼働するよう、機械学習をモバイルデバイスに持ち込んでいる。

TensorflowとCoreMLがONNXと互換性がないにも関わらず、ONNX-TensorflowONNX-CoreMLライブラリはコミュニティベースのプロジェクトにあり、ONNXフォーマットに個別のモデル変換ができるようになっている。

この人工知能の促進は、同じ効率性改善のゴールに向かって、IoTデバイスにある程度の機械学習を組み込むのと同様の傾向の一部である。人工知能をデバイスとアプリケーションにプッシュし、エンドユーザに近付くことで、Microsoft、Google、Appleは人工知能へのラストマイルを勝ち取ろうとしている。

 

 
 

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