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Hyperledgerにブロックチェーンのパフォーマンス測定ツールCaliperが加わる

原文(投稿日:2018/04/06)へのリンク

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3月19日、The Linux FoundationのホストするグローバルコラボレーションであるHyperledgerは、Technical Steering CommitteeがCaliperをHyperledgerプロジェクトとして受け入れたことを発表した。Hyperledger Caliperはブロックチェーンプロジェクトに対して、さまざまなブロックチェーン実装のパフォーマンス特性を一貫して追跡可能にするベンチマークツールである。最初のリリースでは、毎秒トランザクション(TPS)、レイテンシ、リソース使用率に重点を置いている。

Hyperledger CaliperではTPS、レイテンシ、リソース使用率の結果を提供する予定であるため、他のHyperledgerプロジェクトでは、フレームワーク構築にこの情報を利用できるようになる。これは他のプロジェクトが、自らのユースケースに対して適切なブロックチェーン実装を選択する上で有用である。

TPSの低さは、ブロックチェーン実装に共通する批判である。しかしながら、パフォーマンスをベンチマークするための共通ツールがないため、状況は改善されていない。Hyperledgerはブロックチェーンのベンチマーク方法に取り組み、共通ベースラインを確立することを目標としている。

明らかに、現在提案されているブロックチェーンのフレームワークあるいはプラットフォームには、それぞれ独自の強みがあります。このような多様性を考慮すれば、共通ベンチマークツールが存在しないことは由々しき問題であると考えます。

Hyperledgerでも3つの大きな問題点と、汎用目的のツールが必要な理由を挙げている。

  • ソースコードの不在 — プロジェクトにはそれぞれいくつかのパフォーマンスレポートがあるが、ソースコードが提供されていないため、評価結果の検証が困難であると同時に、別のプロジェクトで同じ評価を行うことが不可能になっている。
  • パフォーマンス指標の共通定義が存在しない — The Hyperledger Performance & Scalability Working Group (PWSG)は、これを定義する上で理想的な場所である。
  • ベンチマークとして一般的に認められたベンチマークユースケースが存在しない — ユーザは常にユースケースに関心を持っているため、適切なユースケースがあれば、ユーザがブロックチェーン自体とパフォーマンス指標を理解する上で有効である。ベンチマークのユースケースは議論の場でもあり、コントリビューションが歓迎されている。

Hyperledger Caliperは、このツールを実装に含めたプロジェクトのベンチマーク結果を出力するものではなく、Hyperledger PWSGの定義する共通のツール、メトリック、用語を使った、プロジェクト独自のテストを実行するためのツールを提供することに重点を置いている。

技術的な観点から見たHyperledger Caliperは、さまざなまブロックチェーン実装で動作するために、プラグイン可能なアダプタソリューションを採用している。

Hyperledger Caliperの中心コンポーネントであるアダプションレイヤは、複数のブロックチェーンフレームワークをCaliperフレームワークに統合するために導入されたものです。テスト対象となるブロックチェーンシステム(SUT)毎に実装されたアダプタが、Caliper NBIをそれぞれのブロックチェーンプロトコルに変換する責務を負います。Caliper NBIは、スマートコントラクトのインストールやコントラクトの呼び出し、元帳からのクエリ状態など、バックエンドブロックチェーンシステムと対話するためのオペレーションを含む、共通ブロックチェーンインターフェースのセットです。

イメージ引用: https://github.com/hyperledger-archives/caliper/blob/master/docs/Architecture.md#benchmark-engine

Caliperプロジェクトは2017年5月に開始され、世界的な情報通信技術企業であるHuaweiによって設計と開発が積極的に進められている。プロジェクトにはGitHubリポジトリが用意されており、コントリビューションを歓迎している。現在はHyperledger Fabric 1.0とSawtoothがCaliperをサポートしているが、Ethereumなど他のブロックチェーンも計画段階にある。

 
 

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