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ハイパフォーマンスチームの文化、心理的安心感、感情的知性

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原文(投稿日:2018/05/17)へのリンク

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人間性(Humanity)は、私たちの多くが従事する創造的な知的活動の中核である。ハイパフォーマンスなチームの基盤となるのは、自由と自律性を持ち、安心を感じている人々だ。自己認識と関連性をサポートし、安全の上にチームの感情的知性を築くためには、ゲームを有効に利用することができる。

ハイパフォーマンスチームに関する講演者でトレーナ、コーチ、著作者のRichard Kasperowski氏がAgile Games conference 2018で、文化と心理的安心、EIについて講演した。

InfoQではこのイベントについて、Q&Aや要約,記事を通じて紹介している。

InfoQでは、ハイパフォーマンスチームの文化、権力構造を持つ組織における自己組織化、チーム文化に取り組むためのゲームの利用などについて、Kasperowski氏と話す機会を得た。

InfoQ: ハイパフォーマンスチームの文化とは、どのようなものなのでしょう?

Richard Kasperowski: ハイパフォーマンスチームは友達グループ、親密な友情で結ばれた人々のグループのようなものです。マジックミラーでハイパフォーマンスチームを観察すれば、友達のように見えるでしょう。彼らは思いやりのある、協力的な行動を見せてくれます。彼らは互いに強く連携して、自分たちの目標を — 創造的に達成していくでしょう。

InfoQ: 同僚を友人とみなさない場合はどうなるのでしょう?つまり、一緒に仕事をするのは好きだとしても、チームを機能させる上で、彼らすべてと友人にならなくてはならない理由があるのでしょうか?

Kasperowski: 確かにそうです。一緒に食事に行くとか、週末にハイキングに行くとか、すべての時間を一緒に過ごさなくてはならないと言うつもりはありません。ですが、ハイパフォーマンスなグループを見ていると、友達のグループのように見えるのです。それに、彼らが示す特定の行動パターンがあります。ハイパフォーマンスなチームを望むのならば、その行動をチームに取り入れることができるでしょう。

InfoQ: 組織がそのような文化を目指す場合、どういった課題に直面するのでしょうか?

Kasperowski: 組織の多くは、工業時代に生まれたもので、希少な資源を最大限に利用するために運営されています。そのような組織は私たちに、短時間でより多くのものを求めます。それを守れなければ解雇する、と脅迫するのです。彼らは“人”の代わりに“リソース”という言葉を使って、私たちを非人間化します — 人事部(Human Resources Department)をご存知ですよね?すべては財務上の実績と収益のためなのです。

この種のマネジメントは、同じことを繰り返す産業の時代ならばうまくいくかも知れませんが、創造とイノベーションは台無しになります — 今日の私たちが多く従事する、クリエイティブな知的活動の中核である人間性を破壊するのです。(Frederic )Lalouxや(Amy )Edmondsonといった人たちの研究は、組織文化が人間的かつ全体論的で、人を人として扱い、お互いを思いやり、自律的な管理を行い、グループの流れで結び付いたとき、よりよいパフォーマンスを発揮できることを示しています。それは同時に、あなたがそうすることで、よりよい結果を得られる、ということなのです。

InfoQ: 権力構造を持つ階層的組織の中で、自己組織化は可能でしょうか?できるとすれば,どのようにでしょう?

Kasperowski: より多くのイノベーションとよい結果を望むのなら、権力の違いや階層は少ない方がよいでしょう。ここでは自由と自律性が基本なのです。自由と自律性を通じて権力の差を少なくするために、採用することのできるプラクティスがあります。すべてをオプトインにする、チームのメンバシップを起点にする、目標についての明確な指針を与えて、自発的にチームを編成できるようにする、といったものです。強制するのではなく、実際にミーティングに参加してもらってください。受信トレイにあるカレンダメールを“招待状(invitation)”と言いますよね? — そうするのです!彼らが参加したいと思わないアクティビティや、あるいは他に重要な仕事がある時は、パスチェックアウトしてもらうようにしましょう。自由と自律性のためのこれらの行動は、権力の差を縮めます — もはや、作業を指示することはありません。自由と自律性を持つと、安心を感じるようになります。その安心感が、ハイパフォーマンスチームの基盤なのです。

InfoQ: チームの文化に取り組むためには、どのようなタイプのゲームが有効でしょうか?

Kasperowski: 自由という基盤があれば、その上に自己認識と関連性を築くことが可能になります。感情チェックイン(emotion check in)がそのよい例です。“私は____________と感じます”というような簡単なスクリプトを使って、ブランクに記入すればよいのです。記入しやすくするために、私たちは複数の選択肢を用意しています。空白に“嬉しい(glad)”、“悲しい(sad)”、“怒り(mad)”、“恐れ(afraid)”を記入するのです。なぜそう感じるのか、理由を説明する欄を追加してもよいでしょう。書き終われば、チームメイトがあなたを歓迎してくれます。チームの全員でこれを行えば、すでに確立している安心感の上に、チームの感情的知性が構築されます。チェックには独自の安全策が組み込まれています — あなたのチェックインについて誰かが意見を言ったり、感情の状態を“修正”することなく、合格できるのです。多くのチームが重要な第4の質問として、毎日のスタンドアップに次のような質問を加えています — あなたは今、どのように感じていますか?

InfoQ: このようなゲームをいつ、どのように行なえばよいのでしょう?

Kasperowski: 毎日のアクティビティに、コアプロトコル(Core Protocol)のいくつかを取り入れてみてください。パスやチェックアウトをしてもらいましょう。感情チェックを毎朝実施してください。ミーティングで行うのは“決定(decider)”のみにしてみてください — ミーティングがどれほど効果的になるか、驚くことでしょう。早い段階で、頻繁に支援を求めてください。私にも支援を求めることができます — Webサイトにアクセスするか、メールしてください。

 
 

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