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Enterprise Ethereum AllianceがClient Specification 1.0を発表

原文(投稿日:2018/05/28)へのリンク

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Enterprise Ethereum Alliance(EEA)は5月16日、オープンでクロスプラットフォームな分散元帳フレームワークEnterprise Ethereum Client Specification 1.0をリリースした。このフレームワークが注目するのは、マルチプロトコルのプロプライエタリなアプローチを回避してブロックチェーンアプリケーションを構築するための、標準ベースのエンタープライズ対応アプローチを開発することである。

EEA Client Specification 1.0を活用することにより、独自開発されたソリューションよりも相互運用性に優れた、EEA仕様ソリューション指向のコードを記述することが可能になる。さらにEEA Client Specificationは、許可型(permissioned)およびパブリック両方のEthereumネットワークにおけるスケーラビリティやプライバシ、セキュリティなどの領域にも配慮している。

今回のリリースが重要なマイルストンである理由について、EEAエグゼプティブディレクタのRon Resnick氏は次のように説明する。

EEAのEnterprise Ethereum Specificationは、私たちの技術委員会に参加する主要企業とテクノロジおよびプラットフォームのメンバによる、18ヶ月にわたる集中的なコラボレーション作業の成果です。EEAのオープンソースかつクロスプラットフォームなフレームワークは、その深さと広さの面で、単一の企業では到底達成できないような広範な採用を可能にします。メンバである500以上の組織とともに、このエコシステムを成長させるソリューションを開発、テスト、検証する上で世界中の開発コミュニティと連携するEEAメンバとして、私たちは、2018年に大きな成果を挙げられるものと期待しています。

EEA Client Specification 1.0の技術資料はダウンロード可能である。資料に記載されている概念は次のようなものだ。

  • Enterprise Ethereum Overview — Enterprise Ethereumの実装には、パブリックEthereumブロックチェーンのエクステンションが含まれている。追加部分では、ビジネスニーズをサポート可能な規模の、許可されたビジネスパートナ間のプライベートなトランザクションを取り上げている。エンタープライズの実装では、ネットワーク間のメタデータの可視性と合わせて、トランザクションの詳細を意図したパートナにのみ利用可能にすることも重視される。
  • Network Layerは、Ethereum間のメッセージングを定義し、上位レイヤプロトコルによる通信を可能にするDEVp2pネットワークプロトコルの実装を備える。
  • Core Blockchain Layerは、新たなブロックの処理において、Ethereumノード間でコンセンサスを確立するためのメカニズムを持つ。現時点でPoW(Proof of Work)コンセンサスアルゴリズムに依存するパブリックEthereumとは異なり、Enterprise Ethereumの実装には、プライベートコンセンサスアルゴリズムが含まれている。この点には、プライベート実装で利用可能なハッシュパワーがパブリックネットワークよりも少ないという事情もある。
  • Privacy LayerとScaling Layersは、エンタープライズレベルのプライバシとスケーリングのニーズをサポートする拡張機能を提供する。この分野での開発では、パブリックEthereum実装の将来的なスケール改善の障害となるような制約を内包しない、プライベートEthereumネットワークのスケーリング改善が模索されている。Enterprise Ethereumの実装では、On-Chain(レイヤ2)のようなスケーリングメカニズムを実装することが可能である。
  • Tooling には、Ethereumノードとの接続を可能にするAPIが含まれる。プライマリAPIはJSON-RPCに基づいており、トランザクション送信とブロックチェーンへのスマートコントラクトのデプロイに使用される。その他に、外部データサービスとしてOracleと通信するAPIもある。
  • Application Layerは、全体ないし部分的にEthereumノード外に存在することが可能で、Ethereum Name Services(ENS)、モニタリング、ウォレット、アイデンティティスキーマといった、より高いレベルのサービスを提供する。

引用: Enterprise Ethereum Alliance Client Specification 1.0 - https://entethalliance.org/resources/

今回のアライアンスで実施される技術提携に加えて、各業界独自の問題解決における協力を目的としたEEA Special Interests Groupが設立され、広告や分析、銀行取引、通信、エネルギ、ヘルスケア、保険といったトピックに注目した活動を行なっている。

BNY Mellon(Bank of NewYork Mellon)はEEAの創立メンバである。今回のClient Specificationリリースについて、同行のLior Glass氏は次のように述べている。

EEA Specificationは、企業がEthereumを活用して革新的なブロックチェーンベースのソリューションを開発するための、新しいシームレスな方法を表現したものです。当行はEEAの創立メンバとして、金融業界におけるブロックチェーンの継続的採用を支援する、新たな業界標準の確立を積極的に支援します。

 
 

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