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AppDynamicsがビジネストランザクショントレースをSAP環境にまで拡大

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原文(投稿日:2018/05/31)へのリンク

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アプリケーションのインテリジェンスとパフォーマンス管理に関するベンダで、Cisco傘下のAppDynamicsが、AppDynamics for SAPの提供開始を発表した。新たなABAPコードレベルの監視により、ユーザ向け製品からミッションクリティカルなSAPビジネスアプリケーションまで、コードレベルの洞察からユーザのタップやスワイプやクリックに至るまで、カスタマエクスペリエンスの可視化が可能になる。

SAPアプリケーションは今日の企業に幅広く普及している(SAPによると、同社のERPアプリケーションは世界のトランザクション収益の77パーセントを占めている)が、SAPアプリケーションやデータベース、コードがユーザやビジネスに与える影響を理解するのは難しい。AppDynamics for SAPは、企業のビジネストランザクション — ユーザとアプリケーション間のインタラクション状況を表すAppDynamicの監視ユニット — を中心とした共同作業を可能にする。

AppDynamics for SAPを使用することで、SAP PI(プロセス統合)やPO(プロセスオーケストレーション)などの統合レイヤを利用した、SAPのERPCRMなどのテクノロジや記録システムと向き合うユーザ間の重要なデータフローの識別とマップに、ビジネストランザクションを利用することが可能になる。他の多くのSAPアプリケーションソリューションはワイヤデータやハードウェアベースの監視に依存しているため、パブリッククラウドやマルチクラウド環境の監視は不可能である、というのがAppDynamicsの主張だ。

AppDynamics for SAPは、AppDynamicsのビジネストランザクション機能とABAPエージェントによる監視を使用して、SAP環境の状況を把握する。これにより、コードとデータベースのパフォーマンス監視、ダイナミックなベースライン、パフォーマンスが標準を逸脱した場合のトランザクションのスナップショットが可能になり、平均修理時間(MTTR)の短縮が期待できる。

Intelligent Alertingは、平常時のパフォーマンスを基準に、すべてのトランザクションの主要なパフォーマンス測定値対して自動設定されるヘルスルールに基づいた警告を行う。Intelligent Alertingポリシを使用した個々の監視ツールからのノイズ軽減に加えて、ServiceNowやPagerDuty、JIRAといった既存のエンタープライズワークフローとの統合も可能だ。

SAPビジネスアプリケーションからクラウドへの移行にはコストと時間を要する上に、エラーの発生も多い。AppDynamics for SAPを使えば、企業のSAPアプリケーションからクラウドへのアプリケーション移行をより効率的に計画できると同時に、マイグレーション後の結果を計測することで、移行前と同等以上のレベルのユーザエクスペリエンスを確保することが可能になる。

S4/HANAへの移行は多くのSAPユーザにとって、パフォーマンスやサポート要件から戦略的に重要な意味を持っているが、移行に伴う技術的およびビジネス上の課題も考えられる。SAPビジネストランザクションを自動的に検出し、パフォーマンスを基準化することで、AppDynamics for SAPは、ダウンストリームに対する依存性の把握と可視化を可能にする。

InfoQは、AppDynamicsの市場開発担当副社長であるJonah Kowall氏に、今回の発表に関する詳細な説明を依頼した。

InfoQ: AppDynamicsとマーケットにとって、このようなソリューションをSAPで実現することがこれほど難しいのはなぜでしょう?

Jonah Kowall: SAPアプリケーションやデータベースやコードに関する深い洞察を得ることは、これまでは事実上不可能でした。極めて複雑な分散アプリケーションをトラバースできるソフトウェアエージェントを実現するには、自動トラッキングとインテリジェンスが必要になります。SAP RFCでこれを実現するのは、特に困難です。AppDynamicsのビジネストランザクションとABAPエージェントを使用すれば、パフォーマンスに大きな影響を与えることなく、SAPと非SAPシステムのメトリックス全体の状況を把握することが可能になります。

InfoQ: そういった分析を行うために、SAPユーザはこれまでどのようなツールを使っていたのでしょう?このツールがそれらより優れているのはなぜですか?

Kowall: AppDynamics for SAPはパフォーマンス問題の診断を、より自動化、合理化、積極化の方向に進めています。これまでは管理者が手動トレースをセットアップしなければなりませんでした。この方法は大量のデータを生成しますが、オーバヘッドとシステムへの影響が大きいため、一般的に運用環境では使用されません。AppDynamicsのAppiQプラットフォームの機能を使用することで、私たちはこれがユーザに影響を与える前に、テスト環境と運用環境の両方において、自動的に基準を設定し、識別し、根本原因を分離するように変えました。

InfoQ: このツールを使ってアプリケーションや拡張機能が提供している価値を測定するには、どうすればよいのでしょうか?

Kowall: AppDynamicsのBusiness IQが行うこととまったく同じです。現在開発中ですので、期待してお待ちください!

InfoQ: JIRAにユーザストーリを書いて価値を割り当てたり、リアルタイムで測定することはできますか?あるいはAppDynamicsがJIRAでイシューを発行するのでしょうか?

Kowall: AppDynamicsはServiceNowやJIRAなど、市場をリードする多数のソリューションと統合されているので、運用チームが現在使用しているツールで直接操作することが可能です。現在のワークフローでは、アプリケーション内でパフォーマンス上の問題や重要なエラーを自動検出した場合、イシューやチケット、警告が新たに生成されます。他のエージェントと同じように、ABPA Agentにも同じワークフローが適用される。

InfoQ: AppDynamicsエージェントはどうやって、SAPサーバ上で新たな負荷を発生させなくしているのでしょうk?

Kowall: 当社のエージェントは、パフォーマンスやユーザエクスペリエンスに影響を与えないように、極めて低いオーバヘッドを意図して作成されています。パフォーマンスの自律的解析とエンドツーエンドのパフォーマンスによって収集対象を決定することで、SAPサーバ上のロードの最小化を実現しています。これは当社のすべてのエージェントに適用されていて、キャプチャレベルの調整や、パフォーマンス上の問題を引き起こしているABAPコードなりSQLコールなりの正確な行の特定を可能にしているのです。

InfoQ: 製品はGAですが、別途ライセンスが必要でしょうか?

Kowall: はい、ライセンスはSAPシステム内のアプリケーションサーバ単位で行なわれます。

InfoQ: AppDynamics自体は、DevOpsツールチェーンの一部という位置付けなのでしょうか?

Kowall: AppDynamicsはDevOpsチームに対して、コードからエンドユーザエクスペリエンスやビジネス上の成果に至るまで、アプリケーション開発のライフサイクルを透過的に提供します。当社のシステムは、継続的インテグレーションシステムや継続的リリースシステム、パフォーマンステストシステムなど、パイプラインの多くのパーツに統合されています。パフォーマンスに基づいた自動ルーティングを実現するために、当社のデータを使用しているユーザもいます。DevOpsにおける当社の最終的な役割は、インパクトのあるユーザエクスペリエンスを可能な限り短期間で提供し、スケールアップの基礎を構築することができるように、アプリケーションチームを支援することです。

 
 

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