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ハイパフォーマンスチームのためのゲームを開発する

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原文(投稿日:2018/06/14へのリンク

ゲームストーミング(Gamestorming)モデルは、ゲーム作成のプロセスを述べたものだ。組織環境の中で魅力的な学習体験を創造するために、ゲームスペースやバウンダリ、ルール、アーティファクト、目標などの概念を提供する。作成されたゲームは、チームが実験し、成果に集中し、破壊的なパターンを試すために使用することができる。

athenahealthのアジャイルコーチであるJon Odo氏は、Agile Gamesカンファレンス 2018で、ハイパフォーマンスチームのためのゲームの開発について講演した。InfoQではこのイベントについて、Q&Aや記事を通じて紹介している。

InfoQはOdo氏と、心理的安全性(psychological safety)、成長理念、チームのパフォーマンス向上を支援するゲームの設計方法について話した。

InfoQ: 心理的安全性とはどのようなものなのでしょう?

Jon Odo: 心理的安全性とは、アイデアや疑問、あるいは失敗について、罰せられたり屈辱を受けたりすることなく率直に話すことができる、という信頼です。人は心理的安全性を多く感じるほど、リスクを取って、自己のすべてと最高のアイデアを提示しやすくなります。

心理的安全性は、学習する組織を支える重要な基盤のひとつです。心理的安全性がなければ、チームや個人はリスクを嫌って、確立された行動パターンに従うようになり、革新に対する意欲が失われます。熱意や関与意識、全体的なパフォーマンスも低下します。

InfoQ: アジャイルチームにとって、それがなぜ重要なのでしょう?

Odo: アジャイル方法論の中核となっているのは、実証的なプロセス管理(検査と適応)、すなわち結果とプロセスの両方を慎重に考慮し、より効果的かつ持続的な成果を達成するために、それらを継続的に変えるべきだという考え方です。確立した見解を掘り下げ、個人的な価値観と組織における重要業務とを一致させる上で、心理的安全性は必要欠くべからざるものです。議論の余地があると思われる見解を表明し、チームの見解に対して疑問を投げ掛けることを、抵抗なくできる状況でなくてはなりません。そのような信頼を感じることができなければ、改良への道は放棄され、意見の不一致は未解決のままになるでしょう。

仕事は本来、不確実であることが少なくありません - アジャイルの方法論では、迅速に学び、優れた製品の方向性を追求すると同時に、行き詰まりを素早く解消するための、規律ある方法を提供します。安心して実験ができない場合、学習よりアウトプットが求められる場合には、チームは成果よりもアウトプットを、破壊的なパターンよりも保守的なパターンを、それぞれ指向するようになるでしょう。心理的安全性がなければ、学習の成果を称賛し、顧客の求めるものに移行するよりも、完成を目的とした価値のない機能に終始する可能性がはるかに高いのです。

InfoQ: Agile Gamesカンファレンスの講演では、ポジティブ心理学(Positive Psychology)と成長理念が取り上げられていましたが、これらのコンセプトは、チームのパフォーマンス向上とどのように関係しているのでしょう?

Odo: ポジティブ心理学は強みを基盤とし、エンゲージメントを重視して、フローの重要性を強調します。これらはすべて、チームのパフォーマンスを向上するための優れた戦術です。加えて必要なのが、挑戦や失敗、最終的には学習を通じて、単にスキルを習得するだけではなく、知的能力を構築することが可能である、という成長の理念です。これらが気概のあるチーム、自らに挑戦するチーム、失敗を学びの機会と見るチーム、つまりは高いパフォーマンスを持つ可能性を備えたチームを支えるのです。

InfoQ: チームのパフォーマンス向上に寄与するゲームをデザインする上で、私たちには何ができるのでしょう?

Odo: まず第1には、パフォーマンスの高さだけでなく、そのようなパフォーマンスを達成するために必要な価値観や原則にも目を向けることです。チームのスループットという観点から見た場合、変化への抵抗力と変化を管理ないし最小化する能力は類似していますが、その行動に対する期待が暗示するものは根本的に異なっています。私たちが目指すタイプの組織に関する理解が十分に浸透していない場合、パフォーマンスを目標におくことによって、その兆しを見逃してしまうでしょう。

戦術的な観点から、私はGamestormingモデルの概念的な単純さを高く評価しています - 組織環境において魅力的な学習体験を実現するためのプロセスを簡潔に述べているからです。このモデルは、レシピとして使用するのに十分な詳しさで説明されていると同時に、組織全体の文化変革の基盤として使うのに十分な拡張性も備えています。まずは最も単純な構成(レトロスペクティブやアイスブレーカなど)で採用して、それを足掛かりにする方法を強くお勧めします。

InfoQ: Gamestormingモデルの使い方について、例をあげて頂くことはできますか?結果的にそれはどうなったのでしょう?

Odo: 私のプレゼンテーションは、トレーニング(心理的安全性を促進するようにデザインされたゲームの構築)のコンテキストと形を提供する上で、大部分をこのモデルに基づいています。ゲームで重要なもの(ゲームスペースやバウンダリ、ルール、アーティファクト、目標など)のガイドラインと、これらを中心とした創造性を促すテンプレートを使用して、ゲームのデザインとテストを行なうためにチームに参加しました。

残念ながら、各チームが複数のプレイ-テストサイクルを完成する時間はありませんでしたが、いくつか興味深いアイデアがありました。例えば、チームの文化を絵で説明して、その絵を渡すことで共同作業をするというゲームや、Mad Libsにヒントを得て、どのような行動が安全に寄与するかしないかを取り上げたゲームなどがありました。もっと時間をうまく管理すれば、非常に面白い、ビジネスに適用できるような練習課題を作ることができると思います。

 
 

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