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Gameを使ったアジャイル活動にImprovを取り入れる

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原文(投稿日:2018/05/31)へのリンク

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Improv(即興)のルールは、アクティブリスニング、コラボレーション、相互強化といった、アジャイルに不可欠なスキルを短期間に向上させる手段となる。Improvのアクティビティやゲームを取り入れることで、アジャイル思想の強化が実現する。他のアクティビティと同じようにゲームにおいても、その結果を確認することによって、ゲーム体験から得た感情や気付きの瞬間といったものを、潜在的に並列な作業シナリオに明示的に結び付けることが、その価値の持続化を可能にする。

企業を対象としたリーンおよびアジャイルのコーチであるLeila Rao氏は、Agile Games 2018カンファレンスで、Improv of Agileについて講演した。InfoQではこのイベントについて、Q&Aや記事を通じて紹介している。

InfoQはRao氏に、Improvの4つのルール、それらをアジャイル導入に適用する方法、“yes, and”を使うことのパワー、職場でのゲームの実践について聞いた。

InfoQ: “Improvの4つのルール”とは何ですか?

Leila Rao: Improvの4つのルールは、Tina Feyの著書“Bossypants”で紹介されているものです。

  1. Yesという
  2. “Yes, And”
  3. 発言する
  4. 間違いではなく、機会である

InfoQ: 企業にアジャイルを導入する上で、これらのルールをどのように適用するのでしょうか?

Rao: 複雑な組織にアジャイルを適用する上で最も重要なのは、すべての人たちのアジャイルマインドを、組織のDNAの一部になるまでに高めることです。そこで必要となるのが、Improvの4つのルールです -- これらはいずれも、アクティブリスニングやコラボレーション、相互強化といった、アジャイルに必要なスキルを向上するための効果的なショートハンドとなります。

必要なのは、意図的なコラボレーション行動を、それが第2の天性になるまで育成し、実践することです。コーチやスクラムマスタは当然ながら、クライアントやチームのアジャイルマインドの向上を目標としていますから、これらのルールを思慮深く適用することが、そのマインドシフトへの道のひとつになります。

InfoQ: “yes, and”を使うことのパワーとは何ですか?

Rao: “yes, and”のパワーは多面的なものですが、中核となるのは、誰かが言ったことに同意して、その上に積み上げるためには、まず聞かなくてはならない、ということです!ですから、スプリントの計画セッションでは、まずは互いの発言を聞いてください。さらに重要なこととして、“yes, but”の原則を適用してください。子供の頃の記憶を呼び起こすのではなく、積極的に聞く姿勢とコラボレーションが必要な、極めて難しい作業に従事しているということを、皆に思い出してもらうのです。“yes, and”の原則を常に適用することで、“チーム”としての意識が強くなります。例えるならば、クリエイティブな声によるコーラスは、個人よりも複雑な音楽を作り出すことができる、ということです。

原則として適用する方法としては、チームメンバ間でお互いの言葉として促す、チームの作業合意の一環とする、あるいはルールのひとつとして視覚化し、会議室やチームの作業室に張り出す、などが考えられます。Improvの4つのルールを取り入れるよい方法としては、他にもいくつもあります。

InfoQ: ゲームはカンファレンスやトレーニングでの試みやプラクティスとして使われいますが、同じようなことを職場で行うには、どうすればよいのでしょう?

Rao: 職場にゲームを取り入れるには、3つの基本原則があります。

  1. 本気になる
  2. 機会を見つける
  3. 報告を重視する

楽しめそうな、共感できるゲームを見つけてください。ゲームの導入は、他のどのアジャイルテクニックよりも、ファシリテータの信頼性に大きく影響されます。ゲームの構造に慣れていて、その価値を信じているのであれば、より効果的に参加してもらうことができるでしょう。

ゲームを導入する機会を逃さないでください。ほとんどのアジャイルチームがすでに使っているゲームが、少なくともひとつあります -- プランニングポーカです。レトロスペクティブを開いたり閉じたりする5分間のゲームなので、簡単に始めることができます。ただし、ゲームをいつ、どのように職場で使うかについての制限はありません。私は1日クラスでゲームを使っています。連邦政府のクライアントにも使いました!

ゲームは大体いつも楽しいものですし、新鮮な考え方を与えてくれるものですが、ゲームの価値を持続的なものにするのが報告です。ゲームから得た感情や気付きを、潜在的に並列な作業シナリオに明示的に結び付けるのが報告なのです。これはゲームの状況やファシリテータによってまったく異なるので、決まった公式はないのですが、ゲームを使用する方法や理由を考えたり、ゲームへの参加意識を明確にする上で有効です。その結果として得られるパラダイムシフトが、行動上の変化を生み出し、それを維持させるのです。

InfoQ: シリアスなゲームについて詳しく知るには、どうすればよいのですか?

Rao: ソーシャルメディアに詳しくないので、具体的なフォーラムは分かりませんが、書籍についてならば、improvに関する洞察を得るためのものをいくつかご紹介できます。

  • “Improving Agile Teams” – Paul Goddard
  • “Ctrl-Shift” – Mike Bonifer, Jessie Shternshus
  • “Improv Wisdom: Don’t Prepare, Just Show Up” – Patricia Ryan Madson
  • “Yes, And: How Improvisation Reverses "No, But" . Thinking and Improves Creativity and Collaboration” – Kelly Leonard, Tom Yorton

業界を代表するゲームデザイナであるSivasailam “Thiagi” Thiagarajan氏の著書“Design Your Own Games and Activities”で紹介されているパフォーマンス向上用のテンプレートは、独自のアクティビティやゲームを考えるための素晴らしい手段になります。

またAaron Dignan氏のGame Frameは、ビデオゲームを中心にゲームの構造や形式を分析したものですが、ゲームデザイナを目指すには最適なリソースです。

 
 

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