Alibaba Cloud、英国データセンターによりEMEA地域におけるプレゼンスを拡大

Alibaba Groupのクラウドコンピューティング部門であるAlibaba Cloudは、英国で2つの新しいアベイラビリティゾーンの開設を発表した。これら追加により、AlibabaはEMEA地域におけるプレゼンスを高めることになる。

新しいアベイラビリティゾーンによって、EMEAにおけるAlibaba Cloudの進出場所はフランクフルト、ドバイ、ロンドンの3箇所に増えた。ゾーンの拡大は、EMEA地域におけるAlibaba Cloudサービスの需要増加に対する回答だ。この地域の顧客は、Alibaba Cloudサービスの可用性向上と災害復旧能力向上の恩恵を受けることができる。加えて、新しいデータセンターは、Elastic Computing、Storage、Database、Network、Application Services、Big Data Analyticsを含む、幅広いAlibaba Cloudプロダクトラインを提供する。

今回の新しいデータセンターの追加によって、世界中で19のリージョン、52のアベイラビリティゾーンになる。Alibaba Cloud EMEAのジェネラルマネージャーであるYeming Wang氏は、ブログで次のように発表した。

英国への拡大、ひいてはヨーロッパへの拡大は、この地域のローカルファシリティに求められる需要急増への直接的な回答です。最新のデータセンターはAIおよびデータによる技術を用いることで、機械学習から予測データ分析まで、お客様に対して私たちの幅広いクラウドサービスへのフルアクセスを提供し、今後も比類ないレベルのサービスを提供し続けることをお約束します。

英国の新しいデータセンターに関するBloombergの記事によると、Alibabaは米国と中国の緊張が高まる中、中国以外での成功を強化しようと、EMEA地域に向かって動いている。

Alibabaのアベイラビリティゾーン拡大により、他のパブリッククラウドプロバイダーとの競争がすでに始まっている。彼らもこの12ヶ月でアベイラビリティゾーンを拡大している。たとえば、IBMは6月に、世界各地のアベイラビリティゾーンの拡大を発表した。Microsoftも4月に、フランスと中央アメリカのアイオワ（中米）地域に新しいアベイラビリティゾーンを発表した。Amazonも昨年末、パリにアベイラビリティゾーンを含む新しいリージョンを追加した。

Alibaba Cloudは現在、クラウドコンピューティングソリューション企業の市場シェア世界ランキングで5位だ。citya.m.の記事によると、Synergyの調査では、Amazon Web Servicesが1位、Microsoftが2位、GoogleとIBMがそれぞれ3位、4位となっている。

同じブログ記事で、著名なアナリストでFreeform Dynamicsのエンゲージメント担当ディレクターのTony Lock氏は、クラウド市場はデータセンターの増加とともに拡大していると述べている。

今日、あらゆる規模のグローバル企業や組織は、計画を立てて、クラウド投資に関して情報に基づく戦略的な判断を下せるようになっています。クラウドソリューションの成熟度と顧客の経験が組み合わさり、サービスに対するマルチクラウド・アプローチが普及してきています。これにより、プロバイダーたちは独自の差異化ポイントに注意を向けるようになっています。Alibaba Cloudのヨーロッパ進出は、EMEA地域の企業に別の世界規模のクラウド選択肢を提供することになり、Alibabaだけでなく市場にとっても重要な節目になります。