BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース GoogleがAI Platformをローンチ、エンドツーエンドでMLプロジェクトを構築・実行・管理

GoogleがAI Platformをローンチ、エンドツーエンドでMLプロジェクトを構築・実行・管理

原文(投稿日:2019/05/06)へのリンク

Googleは先頃、サンフランシスコで2019年4月9日から11日まで開催されたGoogle Cloud Next 2019カンファレンスで、開発者やデータ科学者がマシンラーニングモデルを開発、テスト、デプロイするためのエンドツーエンドのプラットフォームとして、AI Platformをローンチした。ベータ版としてローンチされたこのプラットフォームは、既存および新規のさまざまな製品やサービスを、ひとつのホストに統合することにより、企業がAIを使って複雑かつ困難な問題を、協調的かつ容易に解決できるようにするものだ。

Google CloudのCloud AIエンジニアリング担当副社長であるAndrew Moore氏は、同プロダクトの使用方法に関するGoogleチームの発表に先立って、記者団に対して次のように説明した。

AI Platformは、企業内において、AIをどのように使用できるかという着想から始まり、安全で信頼性の高いデプロイメントの開始に到達するまでという、足のすくむような工程を過ごす場として、それぞれの段階を安全に移行できるように支援するものです。探索的なデータ分析から始まり、data scientistを使ってモデルを構築し、使用するモデルを特定したならば、基本的にはワンクリックで、Google Cloudその他のクラウドや、Kubernetes上で動作するオンプレミスにデプロイすることができます。

プラットフォームでは、バッチとストリーミングの両方のデータ取り込みをサポートしている。トレーニングデータは、GoogleのクラウドストレージまたはBig Queryを使用して保存することができる。組み込みのデータラベリングサービスをラベリングに使用することも可能だ。これによってプラットフォームユーザは、既存の分類、オブジェクト認識、あるいはエンティティ抽出モデルを使用したり、ラベル付きデータをAutoMLにインポートしてカスタムモデルをトレーニングすることができる。

企業を対象としたAIコンテンツのセキュアなリポジトリであるAI Hubを使用すれば、アルゴリズム、モデル、さらにはAIパイプライン全体の探索やデプロイが可能になる。これらはマシンラーニング開発者とユーザ間のコラボレーションの促進に有用だ、とGoogleは述べている。Kubeflow Pipelinesを利用すれば、他のユーザとの共有や、GCPまたはオンプレミスへのデプロイが可能な、エンドツーエンドのマシンラーニングワークフローの構成や管理も可能だ。

出典: https://cloud.google.com/ai-platform/

GoogleはAI Platform以外にも、マシンラーニング(ML)関連の重要な発表をいくつか行った。マシンラーニングに関する最小限の専門知識で、高品質のカスタムモデルのトレーニングを可能にするプロダクトスイートのCloud AutoMLがアップデートされた。構造化テーブルデータセットからコード不要で簡単にモデルを生成可能なAutomMLTablesや、ビジネスニーズに合わせた独自のビデオ分類モデルのトレーニングができるAutoML Videoなどの機能が追加されている。アップデート機能の大部分は、ベータ版として使用することができる。

さらにGoogleは、Document Understanding AIを発表した。MLを使用してスキャンした文書やディジタル文書のデータを分類、抽出、補足することで、組織の意思決定の改善を支援する。昨年Google Cloud Next '18で発表されたContact Center AIは、今回、ベータ版としてローンチされた。これら一連のAIソリューションは、Google AIと一般的なコンタクトセンタ用ソフトウェアを最大限に活用して、顧客の問題をより迅速かつ便利に解決し、企業の顧客サービスエクスペリエンス向上を支援する。

今回のAI Platformのローンチは、開発者、データサイエンティスト、AI分野の愛好家から注目されている。彼らの一部は、プラットフォームの有用性とローンチの持つ意味を理解すべく、Twitter、Reddit、そしてHackerNewsのようなフォーラムで議論を続けている。Redditユーザのtime_flaskは、"... 今回のローンチは、プラットフォームを企業に売り込んで、エコシステムに取り込む上で、よい動きとなります。たいていの企業は、統合や、それに伴う余分な契約や取引をすべて背負い込むよりも、単一のプラットフォームにリソースを投入する方がずっと望ましく思うはずです"、とコメントした。

AI Platformの詳細については、 Google CloudのWebサイトで確認できる。Google Cloud Next '19カンファレンスで行われたMLとAI関連の他の発表について知るには、完全なリストがこちらで公開されている。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT