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AWSのOpen Distro for Elasticsearchに異議を唱えるベンダたち

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原文(投稿日:2019/05/30)へのリンク

AWSは今年3月、Open Distro for Elasticsearchのリリースを発表した。しかしながらこのリリースは、コミュニティのすべてのメンバに支持されてはいない。Elasticsearchが今後も完全なオープンソースであることを保証するためにOpen Distroをリリースした、とAWSは述べているが、テックコミュニティの他のメンバは、Amazonの持つ強い顧客基盤をさらに強化するための動きだ、と主張している。

Open Distro for Elasticsearchは、AWSによればApache 2.0ライセンスの下で完全にライセンスされる、Elasticsearchの付加価値的ディストリビューションである。このリリースには、ElasticsearchとKibanaからのオープンソースコードが使用されている。AWSのチーフエバンジェリストであるJeff Barr氏によると、"これはフォークではありません。これらのプロジェクトを推進するため、今後もコントリビューションとパッチをアップストリームに送ります。"

最初のリリースには、高度なセキュリティ、イベント監視、警告、パフォーマンス分析、SQLクエリ機能などといった、多数の新機能が含まれている。ただし、BigData BoutiqueのCTOであるItamar Syn-Hershko氏が 指摘しているように、これらの機能はElastic X-Packの機能セットと密接に連携している。Elasticは2018年に、それまでプロプライエタリであったX-Packのコードをオープンソースとして公開した。一方で、X-Packを新たに定義したElastic License下に置くことで、サードパーティへのコードの再販や再配布を防止している。このためAWSは、オープンソースのX-Packコードを、自身のAWS Elasticsearchオファリングで使用することも不可能になっている。その対策としてElasticは、100%Apache 2.0ライセンスであった以前のオープンソースリポジトリを、Apache 2.0とElastic Licenseの混合ライセンスコードに移行した。Elasticは、X-Packコードのオープンソース化を公開した自身のブログ投稿で、次のように述べている。

Elasticsearch、Kibana、Beats、LogstashのApache 2.0コードのライセンスは変更していませんし、今後も変更する予定はありません。各リポジトリには、新たにX-Packフォルダを作成しました。作成したフォルダはElastic Licenseに基づいてライセンスされており、二次的著作物およびコントリビューションが許可されます。

しかしAWSは、これを、純粋なオープンソースモデルからの否定的な動きだと見ている。AWSによると、これらの変更は顧客やパートナからのフィードバックを受けているため、Elasticオープンソースプロジェクトの継続に不確実性をもたらすものなのだ。AWSのクラウドアーキテクチャ戦略担当副社長であるAdrian Cockcroft氏は、 次のように述べている

AWSと当社ユーザが依存する重要なオープンソースプロジェクトに対して、アクセス制限やライセンス条件の変更、あるいはオープンソースとプロプライエタリソフトウェアの混在の兆候が認められれば、当社は、オープンソースとコミュニティを維持するための活動に着手します。

さらにCockcroft氏は、OracleがJavaのサポート方法を大きく変更することを示唆した時にも、AWSは同じような対応をしたと説明している。その実例として、AWSは、OpenJDKのマルチプラットフォームディストリビューションを提供するCorrettoプロジェクトをリリースしている。 Cockcroft氏は自身の意見として、さらに次のような説明を加えている。

オープンソースプロジェクトのメンテナは、ソースディストリビューションを誰でも使用可能なように公開すると同時に、途中で規則を変更しないという責任があります。

Cockcroft氏によると、AWSはこれらの懸念についてElasticと話し合い、コミュニティ主導でシングルライセンス版のElasticsearchをサポートするために、リソースの提供も申し出ている。しかしながら、Cockcroft氏の言によれば、"[Elasticは、]彼らが現在の道を歩み続けるつもりであることを明言"した。ElasticのCEOであるShay Banon氏は、先日公開された記事の中で、これとは異なる見解を表明している。記事の中でBanon氏は、次のように述べている。"企業、特にAmazonは、当社とコラボレーションしていると、事実ではない主張をしています。"

今回の動きは、コミュニティの多くのメンバから支持を得られていない。AppsFlyerでDeveloper Relatoions(DevRel)の責任者を務めるSharone Zitzman氏は、AWSの判断に対して批判的だ。氏は先日の記事で、AWSに対する軽蔑を表明している。

OSSの価値に深く根ざし、活気に満ちたオープンソース企業に対してオープンソースを説くこと — これは、優れた製品の収益化とメンテナンスについて完全に明確です。その真正性を疑うような主張をすることは、不誠実な行為と言わざるを得ません。人の持つピカピカのおもちゃを見て、それを自分で独占したいと思っているAmazonは、まさにこれです。これはフォークと呼ばれるものです。

しかしながら、ChefのCTOであるAdam Jacob氏は、Zitzman氏とは反対の意見で、今回のAWSによる動きはオープンソースソフトウェア全般に対する前向きな行動であると考えている。真の勝者はフリーソフトウェアの価値である、と氏は説明する。

100パーセント明言しましょう。オープンソースの敗北ではありません。オープンソースとフリーソフトウェアが活動しているという、最も深く、根本的な事実なのです。ユーザであるあなたが、権利を持っているということ。その権利が、AWSを含むすべての人に及んでいること — あるいは、権利というものが、そもそも存在しないということ。

DigitalOceanの調査によると、AWSはオープンソースをサポートしていないという意見が強く、AWSが"オープンソースを最も受け入れている"とする肯定的な回答者は4%に過ぎなかった(Googleは53%、Microsoftは23%、Appleは1%だった)。Red Hatブログの編集責任者であるJoe Brockmeier氏は、AmazonはLinuxを使ってサーバとKindleデバイスを運用しているにも関わらず、カーネルコントリビュータのトップ20に現れていない点を指摘している

AWSのElasticSearch用Open Distroリリースに対する反応は非常に複雑だが、AWSがオープンソースプロダクトの独自バージョンを開発するというこのパターンは、今後も続くと思われる。

この問題に対して、あなたはどのような立場だろうか?AWSによるこのような動きは、オープンソースコミュニティの最大利益になると思うだろうか?下記のコメントで、意見を公開して頂きたい。

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