BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース GoogleのExrtension Manifest V3ドラフトに対して、Mozillaが既存の広告ブロッカのサポート継続を表明

GoogleのExrtension Manifest V3ドラフトに対して、Mozillaが既存の広告ブロッカのサポート継続を表明

ブックマーク

原文(投稿日:2019/09/05)へのリンク

Mozillaは、広告表示を阻止する既存のエクステンションのサポートを継続する。この決定は、Extensions Manifest v3のドラフトで、広告ブロッカを動作不能にするブラウザ拡張メカニズムを提案中のGoogleとは対照的だ。

Googleは2019年初頭、Chromeブラウザのエクステンションに関わるセキュリティとプライバシの問題の軽減を目的とした、Extensions Manifest v2のアップデートを提案した。このマニフェストは、Chromeエクステンションの機能範囲を定義するものだ。

Googleは、Extensions Manifest V2Web Request APIを使用する任意のエクステンションが、ユーザのすべてのChromeトラフィックデータに対して秘密裏にアクセスできることを指摘した上で、悪意のあるエクステンションの42パーセントが、意図とは違う目的でこのAPIを悪用していると報告している。

そのため、Extensions Manifest v3ドラフトによる注目すべき変更として、エクステンションはWeb Request APIのブロッキング機能を利用できなくなる代わりに、それよりも制限の多いDeclarative Net Request APIを使用することになる。新しいマニフェストでは、エクステンションはブラウザ接続を監視することのみが可能で、表示される前にデータの内容を変更することはできない。

uBlock OriginGhosteryといった人気のエクステンションは、Web Request APIを広範に使用して、ホストコンピュータにダウンロードされる前に広告やトラッカーをインターセプトしている。その他、Tampermonkeyなどのエクステンションも、APIの変更の影響を受ける可能性がある。

エクステンション開発者からの最初のコメントと独自のテストの結果、Googleは、V3 APIのパラメータの一部を調整したが、全体的な変更提案はほとんど変わっていない。Googleによれば、

[新しいマニフェスト]は、Web Request APIが広告ブロッカなど多くの人気のあるエクステンションで使用されているため、物議を醸す変更となっています。当社が広告ブロッカの開発を妨げたり、ユーザによる広告のブロックを阻止したりすることはありません。そうではなく、コンテンツブロッカを含む開発者が、ユーザのプライバシを保護する方法でエクステンションを開発することを支援したいと考えているのです。

Mozilla Add-on(エクステンション)のコミュニティマネージャである、MozillaのCaitlin Neiman氏は、Firefoxは引き続きwebRequest APIのブロックをサポートする、と発表した

blocking webRequestを削除する当面の計画はありません。アドオン開発者と協力して、問題のAPIをどのように使用するかをもっと理解した上で、それらを最適にサポートする方法を決定します。
[…] Googleがv3の変更を確定し、Firefoxが開発者とユーザにとって納得のできる部分を実装したならば、エクステンション開発者がそれに対応するための十分な時間とドキュメントを提供する予定です。

Neiman氏は、Chromeとの互換性を維持することはエクステンション開発者とFirefoxユーザにとって重要であるが、Googleの提案によってもたらされる変更をすべて実装する義務はMozillaにはない、ということを強調している。事実として、Mozillaの相当機能であるWebExtensions APIは、Extensions Manifest v2とはすでにいくつかの領域で離れているのだ。

一方でMozillaは、エクステンションのセキュリティ強化の必要性は認めている。実際に、1週間前にMozillaは、Ad-Blockerを削除している。このエクステンションが、リモートコードを実行することでセキュリティルールに違反しているためだ。

このニュースを肯定的に受け止めているユーザもいれば、ブロッキングAPIを廃止しないというMozillaの決定が一時的なものと表現されている点に関心を示すユーザもいる。

Chromiumベースのブラウザメーカには選択の余地がないように思われるが、一部のメーカは、広告ブロック機能を引き続き強化する意向を表明している。

ChromiumベースのブラウザであるBraveとOperaの2つには、デフォルトで広告ブロック機能が含まれているので、エクステンションの新しいマニフェストファイルに関係なく、これまで通り機能することになる。

もうひとつのChromiumベースのブラウザであるVivaldiは、回避策を模索すると説明している

当面の間、Googleの[Extension Manifest V3の]実装は最終ではなく、変更される可能性があります。代替APIが最終的に、webRequest APIのユースケースをカバーすることも考えられます。
幸いなのは、Googleがどのような制限を追加したとしても、最終的には私たちが削除できることです。私たちの使命は、常にユーザが選択できるようにすることなのです。

Extension Manifest V3は、2020年初頭にChromeの安定バージョンとして出荷される可能性がある。Chromeチームは現在、Manifest v3のデベロッパプレビューの完成に尽力している。

Mozillaは、重大な変更の発生に関して、今後も最新情報をadd-onsブログで提供する予定である。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT