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AmazonがQuantum Ledger Databaseの一般提供開始を発表

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原文(投稿日:2019/09/17)へのリンク

Amazonは9月10日、ブロックチェーンテクノロジをベースとした台帳データベースQuantum Ledger Database(QLDB)の一般提供を開始すると発表した。QLDBは、複数のテーブルを格納可能な、フルマネージドな台帳サービスである。不変(immutable)なトランザクションジャーナルを実装し、暗号的な検証が可能であり、信頼性の高い機関によって一元的に所有される。

Amazon Managed Blockchainとともに、AWS re:Invent 2018で初めて発表されたAmazon Quantum Ledger Databaseでは、insertとselectのみを受け入れて、更新と削除を許可しないデータベースの作成が可能である。また、SQLライクな問い合わせ言語のPartiQLを採用して、元帳データベースのメリットを享受しながら、慣れ親しんだ情報操作エクスペリエンスを提供する。このサービスでは、ネストしたデータを含む、構造化と非構造化の両方のドキュメントをサポートしている。さらにAmazonは、格納データが改ざんされていないことを保証する手段として、ドキュメントの詳細情報に加えて、エンティティのダイジェストを提供して検証するためのAPIを提供している。

出典:https://aws.amazon.com/blogs/aws/now-available-amazon-quantum-ledger-database-qldb/

BitcoinEthereum、あるいはAzure Blockchain Serviceといった多くの分散型ブロックチェーンソリューションとは、QLDBは、さまざまな面で異なっている。複数のパーティでデータを共有する手段の提供、契約の実行、ブロックチェーン上の広範なメンバ合意を求めることによる信頼の分散などがその例だ。これらに対してAmazon QLDBでは、不変レコードストアを提供し、すべてのデータ変更の追跡を重視するとともに、一元的な権限機関の使用、テーブルやインデックスやSQLライクな言語を採用した、使い慣れたデータ操作手段の提供などを特徴としている。ブロックチェーンテクノロジはジャーナル上のリビジョンをバックアップするが、暗号的にチェーンされているため、変更や削除されることはない。その結果、従来のようなリレーショナルデータベースに監査証跡を構築する必要がなくなると同時に、プリンシパルアナリストのDavid Teich氏が説明するように、単純な方法による信頼性の向上が可能になる。

ブロックチェーンを必要としない場合であっても、ブロックチェーンモデルの信頼は重要です。リレーショナルデータベースで同じような信頼性を実現しようとすると、ブロックチェーンに固有の監査証跡を提供するために、多くのテーブルやアプリケーションが必要になります。このような追加的な作業は、パフォーマンスにも、システムの更新性や変更性にも影響を与えます。

サーバレスモデルを採用した場合、Amazon Quantum Ledger Databaseの料金は使用するリソースに基づくものになり、読み込みと書き込み操作の数や使用するストレージ、データ転送量によって計算される。事前のコミットメントは一切必要ない。今後、Amazon Managed Blockchainとの相互運用性が提供されれば、そのブロックチェーンのトランザクションアクティビティをQLDBにコピーすることも可能になる。元のサービスからテーブルに移動すれば、オリジナルのネットワークに干渉を発生させることなく、データを分析する機会が得られるようになる。QLDBは現在、US East(オハイオ)、US EAST(北バージニア)、US West(オレゴン)、Asia Pacific(東京)、EU(アイルランド)の各リージョンで提供されており、その他のロケーションも近日中に提供される予定である。

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