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Microsoft、ExFATのLinuxカーネルでの実装方法を明確に

原文(投稿日:2019/09/08)へのリンク

Microsoftは、exFAT公式仕様を自由に利用できるようにする。これにより、exFATドライバをLinuxカーネルに直接含めることが可能になる。さらに、exFAT対応のLinuxカーネルの公開に合わせて、Open Invention NetworkのLinux System Definitionへの登録をサポートする予定である。

私たちにとって重要なのは、Linuxカーネルに含まれるexFATを、Linuxコミュニティが確信を持って利用できることです。この目的において、適合性のある、相互運用可能な実装の開発を促進するために、MicrosoftのexFAT技術仕様を公開します。

Microsoftのこの決定により、Ballmer時代にはMicrosoftのLinuxに対する積極的な対抗姿勢のために、それ以後はMicrosoftがOpen Invention Network(OIN)に参加する際に署名した特許不可侵協定にexFAT関連特許が含まれていなかったために不可能だった、exFATドライバをLinuxカーネルの一部にすることが可能になる。

これまでのexFATドライバは、FUSEモジュールとしてLinuxで利用可能であった。つまり、ユーザ空間で実行されるか、カーネル内部ではLinuxメインラインの外部に実装されていた。Androidカーネルなどはこのケースだが、OEMがMicrosoftからexFATのライセンスを取得し、対応するロイヤリティを支払う義務があった。

exFATをLinuxカーネルドライバとして利用できることのメリットには、すぐに利用可能であることに加えて、パフォーマンスの向上がある。LinuxカーネルにexFATサポートを追加するパッチを提出したGreg Kroah-Hartman氏によると、カーネルのexFATドライバは、FUSEの同等モジュールよりもはるかに高速だ。具体的には、FUSEモジュールはレイテンシが高く、IOPが劣る。一般的に、十分な計算能力とエネルギを備えたデスクトップシステムでは大きな問題ではないが、組み込みシステムやIoTシステムでは問題となる。

OINは、特許を取得して無料でメンバーにライセンスを付与する、相互防衛組織である。代償としてOINのメンバは、Linux関連システムにおけるOIN特許の使用について、他のメンバを訴えないことに同意する。現在のOINには、RedHat、Ubuntu、SUSEなどの主要なLinuxディストリビューションを含む、3,000を超えるメンバが参加している。 DebianArchLinuxがOINメンバにリストされていない点は注目に値する。さらにOINは、Linuxのみを対象としているため、OIN Linux System DefinitionにexFATが加わることは、FreeBSDや他の* BSD OSにとってはほとんどメリットがない。

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