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KubernetesとvSphereを統合したVMWareのProject Pacific

原文(投稿日:2019/09/14)へのリンク

先日閉幕したVMWorldカンファレンスで、VMWareは、Kubernetesコントロールプレーンを内蔵したvSphereの再設計バージョンであるProject Pacificを発表した。vSphereのインストレーション内で、コンテナと仮想マシンの統合管理を可能にすることがその目標だ。開発者は、Kubernetesの宣言的構文を使用して、VM、ディスク、ネットワークの管理が可能になる。コンテナとVMの混在する異種スタックを所持するチームには有用だが、既存アプリがvSphere管理VM上にある場合にのみ使用することができる。

Project Pacificは、Kubernetes Namespaceモデルを採用したことにより、VMの操作とポリシをKubernetesオブジェクトに適用することが可能になっている。適用可能なのは、リソースの割り当て、暗号化、HA、スナップショットなどだ。Project Pacificは、"コントロールプレーンとしてKubernetesを使用するという、vSphereのアーキテクチャ変更"であると、vSphereでワークロード管理用のプロダクトをマネジメントする、シニアディレクタのJared Rosoff氏は言う

統合の2大要素であるKubernetesエージェントとコンテナーランタイムは、カスタムvSphereコンポーネントとして提供される。Pacificインストール上では、スーパーバイザと呼ばれる特別な種類のKubernetesクラスタが動作する。Linuxノードの代わりに、ESXi(vSphere展開で使用されるハイパーバイザ)が使用されている。ESXiノード上の対応するKubernetesエージェントは"Spherelet"と呼ばれる。Sphereletは、Virtual Kubeletプロジェクトをベースとして、主にポッドの実行が可能なホストプラットフォームを提供する他のサービスと、Kubernetesをリンクする目的で使用される。Virtual KubeletはMicrosoftがオープンソースとして公開しているため、他のプラットフォームでも使用されている。

コンテナをスピンアップするために、ESXiには、CRXと呼ばれるコンテナランタイムがある。Rosoff氏の説明によると、"CRXは、ゲスト内にLinuxカーネルと最小限のコンテナランタイムを格納した仮想マシンのようなものです。しかし、このLinuxカーネルはハイパーバイザと結合しているため、コンテナを効果的に準仮想化するためのさまざまな最適化を行うことができるのです。" CRXはDirect Bootと呼ばれるテクニックを使用して、通常のカーネルinitや電源管理ステップなしで初期化を開始する。

これによってPacificインストールでは、ESXi管理対象ホストでのESXiネイティブと、スーパーバイザクラスタ内のVM上でのポッドという、2種類のポッドを実行できる。"ゲストクラスタ"と呼ばれる後者は、バニラKubernetesラスタである。KubernetesからVMを管理するために、スーパーバイザクラスタにはオペレータがあり、同じYAMLファイル内にコンテナとVMのデプロイメントを混在させることができる。このオペレータは、vSphereの既存のライフサイクル管理サービスと統合されている。

VMWareでは、HarborコンテナレジストリもvSphereに統合している。HarborはVMWareの社内プロジェクトであったが、後にオープンソース化された。Pacificは現在、テクニカルプレビューモードにある。

 

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