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Microsoft、”Azure API for Fast Healthcare Interoperability Resource (FHIR)”を一般向けにリリース

原文(投稿日:2019/11/01)へのリンク

先日のブログ記事で、Microsoftは、Azure API for Fast Healthcare Interoperability Resource(FHIR)の一般供与を開始すると発表した。これにより同社は、マネージドクラウドサービスでこのフォーマットのネイティブサポートを提供する、最初のクラウドベンダになる。APIを使用することで、クラウド内の医療データを簡単に取り込み、保持し、管理することが可能になる。

FHIRは近年、電子形式で医療情報を交換、管理する上で、世界的な業界標準となっている。MicrosoftやAmazon、Googleといったクラウドベンダは、クラウド内の保護医療情報(Protected Health Information/PHI)の管理を可能にする、HFIR独自の価値を理解している。そこでMicrosoftは、今年始めに、クラウド内の保護医療情報のマシンラーニングを支援するAPI提供の一環として、Azure API for FHIRをローンチした。さらにこのローンチは、2018年11月にAzure上でFIHRサーバをオープンソースとしてリリースした、パブリッククラウドベンダのフォローアップという意味も持つ。 

同社Healthcare EngineeringのプリンシパルプログラムマネージャであるMichael Hansen氏は7月、Azure Fridayのエピソードのひとつで、Azure API for FHIRについて次のように述べている。

Azureに今回、このようなマネージドサービスが用意されたことで、FHIR APIを短期間で立ち上げて、運用できるようになりました。

Azure API for FHIRによって、FHIR API経由のデータ交換が可能になり、ネイティブFHIR形式のPHIデータの管理と永続化のために設計されたAzureのマネージドプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)を使用することができる。このサービスを提供することで、Microsoftは、運用、維持、更新、コンプライアンスの要件に対応しようとしている。それはすなわち、開発者が医療情報を使ったソリューション構築に集中することができると同時に、その分析のためにData FactoryやStorage、Data Bricksといった、Azure Platformで提供されている他のPaaSサービスを活用することが可能になる、ということだ。

 
出典: https://github.com/microsoft/fhir-server-samples#fhir-server-samples

さらに、発表のブログ記事によれば、今回のAzure API for FHIRのGAリリースには、主要な機能として次のようなものが含まれている。

  • 数分間の準備作業で、エンタープライズレベルのマネージドFHIRサービスの運用開始が可能
  • FHIR標準のR3およびR4をサポート
  • ロールベースのアクセス管理(RBAC)により、大規模データのアクセス管理が可能
  • データストア毎のアクセス、生成、変更、参照に関する監査証跡の取得
  • クラウド用のセキュリティコンプライアンス ISO 27001:2013に準拠、HIPAAおよびGDPRのサポート、HITRUST認定を持つAzureプラットフォームを基盤として使用
  • マルチリージョンフェールオーバによるグローバルなデータ可用性と保護
  • SMART on FHIR機能

 

ロンドンのAridhiaとGreat Ormand Street Hospital(GOSH)の2社は現在、AzureクラウドのFHIRを活用して自社のDRE(Digital Research Environment)を強化し、患者の過去と現在の記録データを提供している。チーフリサーチインフォメーションオフィサのNeil Sebire氏は、同じ記事中で次のように述べている。

当社は現在、若年患者を対象に、病院内で次世代のマシンラーニングとデジタルサービスを設計、テスト、展開するための基盤として、統一化されたAPIを使用しています。

Microsoftに続いて、GoogleやAmazonといった他のクラウドプロバイダも、HFIRのネイティブサポートを提供するためのクラウドサービスに投資している。Googleが現在ベータ提供しているCloud Health Care APIでは、医療情報を先進的なGoogle Cloud機能にプッシュすることができる。またAmazonは、AWSでのFHIR APIのサーバレス実装のリファレンスを提供している。

Azure API for FHIRは現在、米国、欧州、オーストラリア、パシフィックの一部リージョンで提供されれいる。APIの価格に関する詳細は、価格ページを参照して頂きたい。

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