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ハイブリッドおよびマルチクラウドプラットフォームの管理を可能にするMicrosoft Azure Arc

原文(投稿日:2019/11/08)へのリンク

ITプロフェッショナルと意思決定者を対象としてMicrosoftが開催する、第1回のIgniteカンファレンスにおいて、いくつかのハイブリッドハイブリッドクラウド関連のプロダクトとサービスが新たに発表された。最も重要な発表のひとつは、AWSやGoogle Cloudなど任意のインフラストラクチャ上でAzureのサービスを実現する、Azure Arcプレビュー版のリリースだ。

Azure Hybridのポートフォリオは現在、Azure StackAzure Update ManagementAzure File Syncといったサービスで構成されている。そして今回、Azure Arcによって、このポートフォリオが拡張されることになった。同社クラウドアドボケートのThomas Maurer氏は先日のブログ記事で、次のように要約している。

サーバ、コンテナ、アプリケーションを、マルチクラウド環境、オンプレミスロケーション、エッジ上で運用するという新たな世界では、これらハイブリッドリソースの管理が新たな課題となります。Azure Arcは、任意のインフラストラクチャに対するクラウドネイティブなAzureマネジメントを可能にすると同時に、Azureデータサービスを任意の場所へデプロイすることも可能にするもので、ハイブリッドサーバ管理、Kubernetes、Azureデータサービスを含んでいます。

Microsoftの著名なエンジニアであるBrendan Burns氏は、次のようにツィートしている。

ワークロードがどこにあっても、Kubernetes、仮想マシン、データサービスに対して、一貫した管理とポリシの提供を可能にします!

次図のダイアグラムはAzure Arcの発表資料から引用したもので、このサービスがマルチクラウド運用モデルにフィットする様子を示している。


出典:https://azure.microsoft.com/en-us/blog/azure-services-now-run-anywhere-with-new-hybrid-capabilities-announcing-azure-arc/

Azure ArcのローンチによってMicrosoftは、Azure Resource Manager(ARM)の境界をAzureサービスの範囲外へと拡張した。ARMはAzureリソースとクラウドプラットフォームのコントロールペインの間に位置する、いわゆる"ファブリックコントローラ(Fabric Controller)"である。リソースの状態を含む、すべてのリソースプロビジョニング操作がこのコントローラを通じて行われる。それが今回、VMware vSphere、Amazon EC2、Google Compute Engineなどの上で動作する仮想マシン(VM)にも適用されるようになったのだ。さらに、ファイアウォールやプロキシ内にあるものを含む任意のVMを登録して、Azure VM内で動作するものと同じようなエージェントを実行して通信することが可能になった。


出典: https://www.thomasmaurer.ch/tag/azure-arc/ 

その他にも、次のようなことが可能である。

  • Amazon EKSやGoogle GKEといったKubernetesクラスタの登録と管理
  • Azure SQLデータベースやPostgreSQL Hyperscaleなどのマネージドデータベースサービスの、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境での運用 
  • Azure Arcに含まれるVMあるいはKubernetesクラスタへの、"クラウドネイティブ"アプリケーションのデプロイ

Azure Arcのリリースは、ハイブリッドなマルチクラウド空間での開発に対するMicrosoftの回答だ。例えば、Googleは今年始め、Google Kubernetes Engine(GKE)上で動作するハイブリッドクラウドとワークロードを管理するサービスとして、Authorの一般提供を開始している。 

AuthorとAzure Arcは基本的には同じものだ — どちらのサービスも、マネージドデータサービスを運用する基盤としてKubernetesを活用する。さらに、外部クラスタの登録が可能で、同じコントロールプレーンを通じて管理機能を提供していること、マルチクラスタに対するユーザアプリケーションのデプロイが可能であることも共通している。しかしながらAzure Arcには、物理サーバ、VM、Kubernetesクラスタを、ハイブリッド環境内で組み合わせて運用する(mix and match)ことが可能であるという、大きな違いがある。 

最後に、もうひとつの大手クラウドベンダであるAmazonは、現時点ではAuthorやAzure Arcのようなサービスを提供していない。Constellation Research Inc.のプリンシパルアナリストで副社長のHolger Mueller氏が、InfoQに次のように語ってくれた。

ロックオンを回避したいCxOsにとって、これは重要な一歩です。ハーバードのケーススタディに倣って言えば、1. Googleがまず口火を切り、2.Azureがそれに続き、そして次は、皆がAWSに注目しているのです。

Mueller氏はさらに、

ワークロードを自由に移動できるのは、企業にとって望ましいことです。

Azure Arcは現在プレビュー公開されており、基盤となる計算サービスの費用を除けば、サービスの使用は無償となっている。

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