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Micorsoft Edge 79が Chromiumブラウザエンジンを採用

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原文(投稿日:2019/11/20)へのリンク

Edge 79のリリースでMicrosoftは、同社独自のEdgeHTMLエンジンから、Chromeで使用されているオープンソースエンジンのChromiumに移行した。

この移行は、市場で主流となっているChromiumベースのブラウザに対する、Microsoft Edgeの互換性の向上を目的とするものだ。これによって開発者は、Edgeを完全にサポートするための特殊なコード記述や追加的なテストを実施する必要がなくなるため、結果としてブラウザの採用率が向上するものと期待される。

Microsoft Edge browser comparison

上のスクリーンショットは、microsoft.comのwebサイトを対象に、現行バージョンのEdgeバージョン(左)とChromiumエンジンを採用した次期リリース版であるEdge 79(ベータリリースブランチを使用)でレンダリングされたものを並べて比較した結果だ。

UIの差異は比較的小さいが、タブ関連に集中している。現行よりも少しスリムになり、タブを管理するためのボタンがいくつか追加されているが、コンテント自体は同一のように見える。一方で、これまでMicrosoft Edgeをサポート対象とせず、ユーザの完全な使用を阻むようなさまざまな表示上の問題が報告されていたwebassign.netのようなWebサイトは、意図どおりの動作をするようになるはずだ。

オープンソースのChromiumエンジンを採用するという判断は、これまでEdgeHTMLエンジンのようなプロプライエタリなソリューションを中心に使用してきたMicrosoft内において、大きな変革になるかも知れない。これに関して、移行が最初に発表された2018年12月には、Microsoftがこの移行を決定したおもな理由のひとつとして、オープンソース思想へのシフトが取り沙汰されていた。

オープンソースであるChromiumエンジンの採用がMicorosoftにとって正しい方向への一歩であると見る向きが多い一方で、ブラウザ市場の多様性が低下することによる隠れたコストの存在にも注意する必要がある。

MozillaのCEOであるChris Beard氏は公開書簡で、"Chromiumのようなひとつのプロダクトがある程度の市場シェアを獲得すると、Chrome以外のものでサービスやサイトが動作するかどうかを心配する必要はないと、Web開発者やビジネスが安易に判断してしまうのではないか"、という自身の懸念を表明している。

同じことは2002年、Firefoxが最初にリリースした時にもあった。当時の市場を独占していたMicrosoftのInternet Explorerが非標準の機能を数多く備えたものであったため、Firefoxへのスイッチを試みたユーザは、お気に入りのWebサイトが動作しなくなる状況を何度も経験することになったのだ。一方で、開発者の側も、開発コストを大幅に増加させる要件となる新ブラウザへの対応には消極的だった。

Microsoft Edge 79のリリース候補(RC)は11月のMicrosoft Ignite 2019開催期間中に発表され、Microsoft Edge Insider Cannels経由でダウンロードが可能になっている。Edge 79を使いたいユーザには、Beta、Develop、Canaryという3つの選択肢がある。これらはリリース周期が異なっていて(6週間、毎週、毎日)、Betaリリースが最も安定しており、Canaryリリースが最新の修正が反映されている。

Edgeの公式リリースは1月15日の予定である。

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