BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース リモートワークで成功するには

リモートワークで成功するには

ブックマーク

原文(投稿日:2020/03/16)へのリンク

リモートワークを効果的に実施するには、社員と雇用主が共に計画し実行する必要がある。人々は、今まではオフィスにいれば仕事ができていたので、リモートワークは取り組みがいのあることだと気付くだろう。また、リモートで働く人たちは、休憩を取り、運動をして、社会的な生活を持つことにより、心の健康を優先する必要がある。この取り組みに対して、リモートワークがうまくいった時、社員と雇用主の得るものは、費やした時間に見合うに足りるものとなる。

以下に述べることは、QCon London 2020において、「リモートワークのアプローチでうまくいったこと(といかなかったこと)」というプレゼンテーションで、Charles Humble氏が述べた重要な点である。Humble氏の意見は、C4 Mediaで働いた経験に基づいている。C4 Mediaはリモートのみの会社で、InfoQとQConの親組織である。

ますます多くの人たちが、社会距離戦略のために在宅勤務をしているので、QConはプレゼンテーションを録画して、すぐにInfoQで視聴できるようにした。

リモートで働く社員たちの出発点は、家庭と仕事を明確に分けることだ。これは、家の中で仕事専用の場所を作ったり、RegusやWeWork等のコワーキングスペースで仕事したりすることで、物理的に分けられる。また、家庭から仕事への切り替えを線引きするように、通勤に変わる何かで移行するとよいだろう。犬を散歩に連れて行くとよい人もいれば、単に玄関から出て、家の裏口から入ってくるだけで、十分に意識を切り替えて、仕事に集中し始められる人もいる。

リモートワークの成功は、社員によるものだけではない。会社やマネージャが透明性を持ち、信頼を築くためにより一層努力しなければならない。同じ場所で働いているように、気軽な会話やボディランゲージの恩恵に授かることはできないのだから。精神的な安全がリモートワークには必要であり、マネージャは非難を受けやすいことに対して、準備しなければならない。マネージャが、何か難しいことを安心して共有できることを示せば、社員たちは、安心して同じことができるだろう。「人々がやっていることは見えないのだから、彼らを基本的に信じなければならない。彼らがあなたに言わなければならないのだ。」とHumble氏は言った。

リモートマネージャと社員の間で高い信頼を築くには、よいミーティングの習慣を持ち始めることだ。可能ならば、ミーティングはビデオで実施し、それぞれチームメンバがチェックインして始めるべきだ。チェックインの時に、人々はその日の気分と、自分たちの感情や生産性に影響するようなことが起きていないかを話す。マネージャは、例を示さなければならない。あなたが言うことよりもすることの方がずっと重要だ。ミーティングの習慣についてさらに提案するならば、Humble氏は「The Core Protocols」の著者であるRichard Kasperowski氏のハイパフォーマンスチームミニブックを勧める。

定期ミーティングの今までのカレンダも、分散チームの仕組み作りに役立つ。デイリーハドルが「スタンドアップミーティング」の代わりになる。リモートチームは、同じ場所にいるチームよりも、より高いレベルで独立しているので、みんなの意識合わせのために、デイリーハドルは週2回実施すれば十分だろう。

社員とマネージャの間の1対1のミーティングは、とても重要で、きわめて神聖なものとして扱われなければならない。これらのミーティングは、社員にとって、自分のキャリアとその他の個人的な関心事について話し合う場所だ。Humble氏には、2つの絶対的なルールがある。1対1は状況を確認するミーティングではなく、マネージャは、このミーティングをキャンセルすることを許してはいけない。

リモートで戦略的な議論をするのは、かなり挑戦的だ。そのため、普通は、関係者がみんな直接会えるときに実施する。C4では4ヶ月毎であり、QConのスケジュールと一致する。C4では、年に1回、全員参加するミーティングを4日間実施する。この会議には、全員が1つの場所に飛行機でやってくる。これは、明らかにかなり費用がかかり、移動が大変であるが、非常に貴重な機会だ。みんなが常に同じ場所にいる必要はないが、チームがみんな一緒にいる時に、その時だけは本当に効果的になる状況がある。これらには戦略的な議論を含み、チームメンバ同士のつながりを強化する役に立つ。

Humble氏は、彼自身とC4が使用したツールの一覧を共有した。IMのSlack、ビデオ会議のZoom、チャットのような井戸端会議のWorkplace、リモート共有のGoogle Docs、そしてプライベートなふりかえりの15Five。Humble氏のチームではこれらがうまくいっているが、たくさんの選択肢がある。重要なのは、あなたの状況で何が効果的かを試して、見つけることだ。ツールが悪ければ、リモートワークに重大な影響を与えるだろう。

リモートワークをとても魅力的に思う従業員もいるが、トレードオフもある。通勤にかかる時間と費用はなくなるが、プレミアムハイスピードインターネット、よいラップトップ、素敵な机、そして、特によいオフィスチェアに新しい費用がかかるだろう。リモートワークに関して、あまり話されず、話すのが簡単ではないテーマは、心の健康についてだ。燃え尽き症候群は、本当に重大な問題で、IT業界固有のものだ。信頼とオープンさは非常に重要であり、チームメンバが、誰かが苦しんでいることに気づいて、専門家の助けを求めることを含めて、対処する手助けとなる。孤独もまた問題になる。家族や社会的生活を本当に優先させるために、積極的に取り組む必要がある。ペット、エクササイズ、自然に触れることも、精神的な健康を改善するだろう。


 

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT