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Swift 5.3が公式サポートプラットフォームを拡張、Windowsと新たなLinuxディストリビューションを対象に

原文(投稿日:2020/05/14)へのリンク

Swift 5.3は、先日のrelease/5.3ブランチ作成により、開発の最終ステージに入った。間もなくリリースされるSwiftの大きな目標のひとつは、新たなLinuxディストリビューションとWindowsを含む、公式プラットフォームサポートの拡張だ。

いつものようにSwiftチームは、Swift 5.3のリリースに至ったプロセスを詳細に説明して、そのモチベーションと目標を明確にしている。"品質とパフォーマンスの大幅な向上"に加えて、Swift 5.3の重要な機能のひとつとなったのが、WindowsとLinuxの公式サポートだ。実際に、Swiftのリリースプロセスが3人のプラットフォームリリースマネージャ — DarwinプラットフォームのNicole Jacque氏、LinuxのTom Doron氏、WindowsのSaleem Abdulrasool氏 — に委ねられたのは、今回が初めてである。これまでは、Chris Lattner氏がAppleを離れた以降、Ted Kremenek氏が全体のリリースマネージャを務めていた。

SwiftをLinuxに移植するというコミットメントの最初の成果として、Swiftチームは、Ubuntu 20.04、CentOS 8、Amazon Linux 2を含む新たなSwift Linuxディストリビューションの提供を発表していた。CentOSとAmazon LinuxへのSwiftの移植には、FoundationNetworkingの異なるlibcurlバージョンへのスイッチ、FedoraパッケージングシステムへのSwiftパッケージの対応、libatomicへの依存性の排除など、いくつかの小規模な変更が必要だった。それぞれのサポート対象プラットフォーム用に、Swiftチームは、ダウンロード可能なツールチェーンとDockerイメージを用意している。

AppleがSwift UIをWindowsあるいはLinuxに移植して、これらのプラットフォームのクライアント側開発にSwiftの採用をプッシュする計画を持っているのかどうかは、現時点では分かっていない。Redditでのコメントの多くが指摘しているように、Windowsユーザが.NET言語よりもSwiftを選択するというのは考え難いが、Swift UIの移植がゲームチェンジャになる可能性はある。

SwiftがWindowsやLinuxで利用可能になれば、サーバ側開発でのSwift採用を阻害していた大きなハードルのひとつが克服されるとともに、Swift用クロスプラットフォームパッケージのエコシステムを成長させる起爆剤となることも期待できる。

Swift 5.3での導入が検討されているプロポーザルの全リストが、それらのモチベーションやソリューションに関するすべての議論と合わせて、Swift Evolutionリポジトリから取得可能である。

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