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Budgets Actionsを使ってAWSコストの管理を改善する

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原文(投稿日:2020/10/29)へのリンク

AWSは先頃、予算がしきい値(実績値または予測値)を越えた時に実行するアクションを定義可能にする、Budgets Actionsを発表した。Budgets Actionsを使うことでユーザは、AWS Budgetsをよりコントロールして、自身のAWSアカウントにおける予期しない過剰支出を抑制することが可能になる。

AWS Budgetsは、ユーザが独自の予算を設定して、コストやAWSリソースの使用量をトラッキングすることを可能にするサービスである。さらに、例えば実績あるいは予測費用と使用量が予算のしきい値を超過した時に、EメールやSNS通知を使って警告を受け取るように選択することができる。新たに追加されたBudget Actionを使えば、アカウントのコストや使用量に対応するアクションを設定することも可能になる — 対象とする予算を超過すると、このアクションが自動的に、あるいはワークフローの承認プロセスを経由して適用されるのだ。

AWS Budgetsを通じて、Dashboardのユーザは予算の作成、しきい値の設定、アクションの定義を行うことができる。各しきい値に対してユーザは、最大5つの予算しきい値と最大10件のアクションを設定することが可能である。予算アクションには、アクションタイプとして、IAM Policy、Service Control Policy、アカウント内の特定のEC2あるいはRDS実行リソースのいずれかを適用することができる。そして最後に、アクションを自動的に実行するか、あるいはワークフローの承認プロセスを経由するかを選択することが可能だ。 

AWS Budget Actionのブログ記事の筆者によると、

既定の推奨はワークフロー承認プロセスですが、人の介在を認めずに問答無用でアクションを実行したい場合には、自動実行のトグルで"Yes"を選択してください。

さらに、

ワークフロー承認の必要な予算アクションでは、予算に対するアクションが起動されると、予算ダッシュボードに"pending"として表示されます。さらに、AWS ChabotがAWS予算通知を受信するように設定されている場合には、Eメールによる予算アクション通知、Simple Notification Service Topic、Slack/Chimeによる通知が行われます。

アクションタイプに関して — IAMおよびSCPアクションタイプは予算期間(例えば月次)の開始時にリセットされるが、特定のEC2やRDSの実行インスタンスをターゲットとしたアクションはリセットされない。また、AWS Budgetsのすべての機能は、AWS Budgets APIを通じてプログラムからアクセスすることができる。


出典: https://aws.amazon.com/blogs/aws-cost-management/get-started-with-aws-budgets-actions/

AWS以外のパブリッククラウドベンダも、自らのプラットフォーム上において、予算機能を含むコスト管理サービスを提供している。Googleは自社のクラウドプラットフォーム上で、予算の設定やアラートの生成機能などを備えたGCP Budgetsを提供する。Azureも同様に、自社のコスト管理や課金サービスに関するアラート生成などを含む予算管理機能を提供しているが、AWSとは異なり、両社ともユーザに代わってサービスをオフにするアクションを実行する手段は用意していない。予算管理のためのAPIについては、いずれのクラウドプロバイダも用意している。

Constellation Research Inc.のVPでプリンシパルアナリストのHolger Mueller氏は、次のように述べている。

クラウド利用における最初の懸念のひとつは、その使用量と関連する予算支出を管理できないことです。企業がアーキテクチャ面だけでなく、営業的な面からもエラスティックになり得ることは、IaaS関連企業にとって重要なイノベーションであって、AWSがAWS Budget Actionsを進める理由もそこにあります。ただし、新たにリリースされたソフトウェアすべてに言えることですが、使用にはある程度の注意が必要で、次のリリース/ロードマップを待った方が無難ではあるかも知れません。いずれにしても、IT費用をビジネスパフォーマンスに結び付ける方法が企業には必要なのです — 成功していれば支出を増やせばよいのですが、業績が捗々しくなければ、リソースを削減して支出を減らす必要があるし、そうしたいはずです。クラウドは、これをプラットフォームレベルで実現するための鍵となります — ただしそれには、ビジネスとITのプロセスがより強固に連携する必要のあることも事実です。

最後になるが、AWSユーザであれば、ドキュメントWebサイトを通じてAWS Budgetsについて学ぶことや、AWS Cost Management紹介ページのガイダンスを読むことができる。

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