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アジャイルリーダの特徴

原文(投稿日:2021/02/18)へのリンク

アジャイルリーダはアジャイルプラクティスに対して情熱を持っている。メンバに信頼を教授し、透明性を創出し、建設的な批判をオープンに受け入れることで、大きな成果を上げることを目指すのがアジャイルリーダだ。彼らが重視するのはビジョンと顧客である。アジャイルの意味するところを理解し、メンバに自律性を与えて自身はサポートに回り、学びと実験を通じて彼らの発展と成長を促すのだ。

アジャイルコンサルタントのSheetal Thaker氏はAgile Tour London 2020で、アジリティを採用する組織において価値を持つリーダの特徴について講演した。

アジャイルにおける現在のリーダはスクラムマスタ、アジャイルコーチ、プロダクトマネージャ/オーナであり、アジャイルのアジェンダを採用して実現させようとしている人たちだ、とThaker氏は言う。しかし、真のリーダはアジャイル活動に参加し、アジャイルを推進している人たちなのだ。

アジャイルの世界では、リーダはアジャイルな方法で仕事をすることの意味を理解している、だからこそ、組織が求める正しい方向の変革を実現するために、継続的なサポートを行うことができるのだ、と氏は言う。リーダは、学習と実験を通じた成長を促すことによって、メンバ間の信頼を育む。組織は個々のパフォーマンスによってではなく成果を通じて進歩する、ということを理解するように、メンバを方向付けるのだ。

講演で氏は、アジャイルリーダの特徴について説明した。

優れたアジャイルリーダは変化に対してオープンで、人々を信頼し、アジャイルのもたらす価値を理解しています。ビジョンを重視し、そのビジョンを実現する上でチームが進むロードマップをサポートすることで、アジャイルのアジェンダを正しい方向に進めていきます。建設的な批判であればオープンに受け入れ、障害となる非難の文化を取り除くために尽力し、優れたプロダクトやサービスを提供する上で必要な基盤を提供するのです。

アジャイルリーダは、真の顧客に手を差し伸べ、彼らがビジョンに近づくための機会を提供する、とThaker氏は言う。同時に、人が叱責を恐れずに、自分の心の内を不安なく話せるようにする。

アジャイルのイニシアティブをリードする立場にあって、素晴らしい成果を上げたいという情熱があるのならば、素晴らしいことをする、ということに人々の気持ちを集中させて、そのための自律性を彼らに与えよう、そうすれば、その素晴らしいことはきっと実現する、とThaker氏は言う。

アジャイルリーダシップについて、Sheetal Thaker氏にインタビューした。

InfoQ: アジャイルリーダとして、スクラムマスタ、アジャイルコーチ、プロダクトマネージャ/オーナを挙げていますが、彼ら自身は、自分たちをリーダだと考えているのでしょうか?

Sheetal Thaker: よい質問ですね。彼らは自分自身をアジャイルリーダとは認識していないでしょう。ですが、そうするべきです。これらの役割は、アジャイル環境で働く上で、透明性、コラボレーション、信頼といったものに肯定的影響を積極的に示すものなのです。彼らはチームを、高い生産性、安心して意見の言える空間、個々のスキルセットの信頼を備えた場へと導きます。こういった行動は、優れたリーダシップを示すもの以外の何物でもありません。

InfoQ: アジャイルの世界でリーダシップを取ることについて、どのように思いますか?

Thaker: アジャイルの世界でリーダとなるというのは、信頼と透明性、コラボレーションを生み出す文化を作る、ということです。アジャイルリーダはサイロを取り除き、すべての人たちが発言し、耳を傾け、尊重し合得るような働き場所を作り上げるために努力します。指揮や統制を否定し、ワークライフバランスを理解し、イノベーションを促進する作業環境を創造するのです。

InfoQ: 現在のリーダがアジリティをリードする上で必要な特徴を取り入れ、さらに伸ばそうとする上で、私たちにはどのような支援ができるのでしょうか?

Thaker: 現在のリーダの多くは、ステークホルダの期待に応えることを目標にしています。その重点をビジョンと、ステークホルダではない真の顧客にとって価値のある、期待に応えられるプロダクトの構築に移すことができれば、ステークホルダの期待は自ずと越えることができるでしょう。

これを実行する最善の方法は、アジャイルな方法で作業をすることが、明確な目標を持ったデリバリを推進し、顧客の期待に応え、ステークホルダにはROIの向上をもたらすものであることを、模範を示して証明することです。すべての勝利を、それを実現させた変化の説明とともに報告してください。そして透明性を、失敗した場合においても確保してください。失敗は重要な成長要因であり、次への判断基準でもあるからです。

私はこれまで、アジャイル的な作業手法のテストと学習のプラクティスを通じて実現できる成長と成功について、積極的に示すようにしてきました。最初これには、一部のリーダから反発がありましたが、それぞれのチームと時間を掛けて話し合い、絶え間なく協力することで、革新的なプロダクトを構築するという、ポジティブな影響を真に示すことができました。これは顧客の期待を越えるだけでなく、2019年の市場におけるベストプロダクトという業界表彰も勝ち取ったのです。

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