AWSは先頃、同社のフルマネージド・マシンラーニング(ML)サービスであるAmazon SageMakerの料金即時引き下げと節約プランを発表した。このSavings Plans for Amazon SageMakerには、オンデマンド料金と比較して最大64パーセントのコスト削減というメリットがある。Amazon SageMakerのいくつかのインスタンスファミリについても、最大で14.2パーセントの料金引き下げが行われる。
昨年の秋に同社は、Amazon SageMakerのml.p3およびml.p2インスタンスの料金を、最大18パーセント引き下げた。そして今回、インスタンスファミリml.t2、ml.t3、ml.m4、ml.m5、ml.m5d、ml.c4、ml.c5、ml.c5d、ml.c5n、ml.r5、ml.r5d、ml.inf1の料金も引き下げられることになった。さらに、AWS Newsブログによると、今回の料金引き下げはNotebookインスタンス、Amazon SageMaker Studioインスタンス、Trainingインスタンス、Batch Transformインスタンス、Real-time Endpointインスタンス、Amazon SageMaker Data Warnglerインスタンス、Amazon SageMaker Processingインスタンスなど、すべてのインスタンスベースのワークロードにも適用されるという。
料金の即時引き下げに続いて、AWSは、AWS SageMakerに新たなSaving Plansを導入した。同社はこの新しいフレキシブルなディスカウントモデルを、2019年11月にCompute Services Amazon EC2とAWS Fargateに導入しており、ユーザのコンピュータコスト最適化を支援している。このモデルは、何年も前から存在するディスカウントモデルであるReserved Instances(RI)と同じディスカウントを提供する。
CloudHealth by VMwareでシニアプロダクトマーケティングマネージャを務めるAmber Gregorio氏はブログ記事に、Saving PlansとRIの比較について記している。
管理もまた、Compute Savings Plansの方が簡単です。Convertible Reserved Instanceはさまざまなタイプのインスタンスに交換できますが、その操作は手作業である上に、相当な管理作業と使用量の監視が必要になります。Compute Savings Plansであれば、対象となるすべてのコンポーネントに対してディスカウントが自動的に適用されるので、管理作業のオーバーヘッドを大幅にに削減することができるのです。
Savings PlansにはAWS Management Console内のAWS Cost Explorerから、あるいはAWS CLIないしAPI経由でアクセスすることができる。Cost Explorerは、指定された期間(7日、30日、60日のいずれか)内の使用履歴に基いて、最適なコスト節約を実現するためのレコメンデーションをユーザに提供する。Amazon SageMaker Saving Plansを契約することで、所定の使用量に達するまでは、対象となるすべての使用に対してSaving Plansのレートが自動的に適用される。
AWSの人工知能とマシンラーニングのエバンジェリストであるJulien Simon氏はNews Blog記事に、次のように記している。
Savings Plansはインスタンスのファミリ、インスタンスのタイプ、AWSリージョンを問いません。これによって、ユースケースや使用量が時間の経過とともにどのように変化しようとも、最大限の料金節約が簡単にできるだけでなく、オンデマンド料金に比較して最大64パーセントの節約が可能になるのです。
最後に、Saving Plansと料金即時引き下げは現在、アメリカ各地、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋のAWSリージョンで適用されている。Amazon SageMakerの料金とSaving Plansの詳細については、料金のページで確認することができる。