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.NETニュースのまとめ: Microsoft Build、.NET 6、MAUI、Visual Studio 2019、Project Reunion

原文(投稿日:2021/05/31)へのリンク

今年のMicrosoft Buildは、.NETコミュニティにとって多忙な1週間となった。イベント中にMicrosoftは、.NET 6と関連するフレームワークの新たなプレビュー版を始めに、Visual Studioの新バージョン、TypeScript 4.3など、多数のリリースを発表した。InfoQでは、2021年5月24日週の発表から、.NETエコシステムに関するこれらのストーリと、さらに小さなたくさんのストーリについて検証した。

今週のハイライトは、WIndowsとAzure開発者に向けてMicrosoftが毎年開催するBuildカンファレンスだった。仮想イベントは、Microsoft CEOのSatya Nadella氏による基調講演によって幕を開けた。講演の中でNadella氏は、"次世代Windows"に関するヒントを提供した。

本日取り上げるすべての話題には、Windowsが前提にあります。Windowsは、かつてないほど重要なものになっています。世界中で13億以上の人々が、仕事に、学習に、通信に、遊びに、Windows 10を使用しています。そのすべての出発点が、開発ボックスとしてのWindowsなのです。Windowsは、すべての開発ツールとコラボレーションツールをひとつの場所にまとめます。必要なハードウェアが自由に選択できて、一体となったLinuxとWindowsでの作業が可能で、最新のターミナルを備えています。そして間もなく、過去10年間で最も重要なWindowsアップデートを公開します。これにより、開発者とクリエータにもっと素晴らしい経済的機会を提供できるものと思っています。この数か月間、私自身も使用している次世代Windowsに、非常に大きな期待を持っています。

3日間のイベントでは、おもに既存アプリ(TeamsやOutlook)用のアプリ開発、ローコード、開発を支援するアウト・オブ・ボックスツールを取り上げたセッションが行われた。イベントの全セッションのカタログをこちらで確認することができる。

.NET 6と関連フレームワークの新たなプレビュー版もリリースされた。.NET 6 Preview 4には、多数のバグフィックスの他、新しいSystem.LING API、パフォーマンス向上(完全にリライトされたFileStreamを含む)、新しいDateOnlyおよびTimeOnly構造体による日付時刻サポートの強化などが含まれている。Microsoft.Extensions.Loggingに関する拡張(パフォーマンスの高いログAPIをソース生成するLoggerMessageAttributeタイプを新たに含む)、書き込み可能なJSON DOM機能、RyuJITコンパイラ単一ファイルアプリケーション公開モデルの強化なども提供されている。11月の.NET 6最終リリースのプラットフォームマトリクスも大きく拡張されて、Android、iOS、MacとMac Catalyst(x64およびApple Silicon用)、Windows Arm64(特にWindowsデスクトップ)が含まれるようになった。

ASP.NET Coreフレームワークも大幅に強化されている。新リリースにはWebアプリケーションのホストとルーティングを行う最小APIが含まれており、数行のコードで完全に機能するHTTP APIを作ることが可能になった。新しいASP.NET Coreプレビュー版では、コントローラアクションからの非同期ストリーミングや、新たな組み込みミドルウェアとしてHTTPロギングによるリクエストとレスポンスの完全なロギング(ヘッダとボディ全体を含む)もサポートされている。.NET 6 Preview 4で新規作成されるすべてのプロジェクトでは、デフォルトのローンチプロファイルがIIS ExpressからKestrelに変更された。また、AngularおよびReact用のプロジェクトテンプレートがアップデートされ、使用する単一ページアプリのパターンが改善されてた。もうひとつの大きなアップデートはBlazorに関するものだ — Blazor WebAssemblyでAOT(ahead-on-time)コンパイルがサポートされるようになった。

MAUIチームも、間もなく登場するUIフレームワークの新たなプレビュー版をリリースした。この.NET MAUI Preview 4には、新たにBlazorWevViewコンポーネントが含まれており、Blazor Webアプリケーションを自身の.NET MAUIアプリケーションでホストして、ネイティブなプラットフォーム機能やUIコントロールを使用できるようになる。その他では、スプラッシュスクリーンディスクリプタやネイティブ素材(row assets)の直接インポートなどが改善されている。

Entity Framework Core 6 Preview 4もBuild期間中にリリースされた。新たなプレビュー版 — "パフォーマンスエディション"と称されている — は、業界標準であるTechEmpower Fortunesベンチマークにおいて、5.0に比較して70パーセント高速化されている(Microsoftの発表)。その他、ヒープアロケーションが43パーセントまで削減され、ADO.NET用のMicrosoft.Data.Sqlite.Coreプロバイダが追加された。

Visual Studio開発チームは、Visual Studio 2019 for Windowsの安定版(v16.10)およびプレビュー版(v16.11 Preview 1)をリリースした。新しい安定版リリースには、C++20標準のフィーチャコンプリート(feature-complete)に対応したC++コンパイラとSTL、Git Productivityツールのアップデートが含まれる他、F#サポートに関連する改善、Performance Profilerページの変更、いくつかの生産性改善が行われている。Visual Studio 2019 v16.11 Preview 1には、新しいHot Reloadエクスペリエンス — 実行時にコード編集を可能にする — の最初のリリースが含まれている。.NET MAUIの機能も含まれており、単一プロジェクトが改良され、すべてのサポート対象プラットフォームがターゲット可能になった他、Blazorハイブリッドデスクトップがサポートされた。いずれのリリースも、最新の.NET 6 Preview 4をサポートしている。

その他、Buildイベント中にリリースされたおもなリリースとしては、Project Reunionの最新プレビュー(0.8 Preview)、Windows Package Manager(昨年発表された)初のメジャーバージョンWindows Terminal 1.9 PreviewTypeScript 4.3などがある。AzureチームはStorage、Event Hubs、Service Bus、Event Grid Functionsエクステンションのベータ版をリリースした。.NET Frameworkも、バージョン3.5および4.8の累積的アップデートにより、品質と安定性が向上した。

.NET Foundationは2つの新プロジェクト — Project Reaqtor(Microsoftとのコラボレーション)とPwned Passwords(インキュベート)を発表した。Project Reaqtorは、クラウドとデバイスにまたがる分散型イベント処理システムを開発するためのフレームワークコンポーネントを提供する。Pwned PasswordsはHave I Been Pwned(HIBP)用のパスワード検索機能で、データ漏洩情報を集約して、自分がWeb上の悪意ある行為によって影響を受けているかどうかを分かるようにするフリーサービスである。

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