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GoogleがEnterprise APIを発表、”プロダクト殺し”の悪評返上を目指す

原文(投稿日:2021/08/27)へのリンク

Googleは先月、APIの変更や廃止を従来よりも厳密なポリシによって管理するGoogle Entgerprise APIを発表した。Google Cloud、Google Workspace、Google Maps PlatformといったAPIの大部分に対して、今後、Enterprise APIのラベルが適用される予定である。

Google Cloudは、APIの多くが短命であることから、不安定だという定評がある。Enterprise APIで同社は、これを覆したいと考えている。"Killed by Google" Webサイトなどのさまざまなオンラインソースが、適切なコミュニケーションなく早々にリタイアしたサービスに対するフィードバックを同社に提出していた。 

信頼性と安定性は、APIが期待どおりに機能し続けることを利用者に保証する上で、同社が注目している部分である。Google Cloudのブログ記事では、Google Cloudの技術的インフラストラクチャを担当するバイスプレジデントのKripa Krishnan氏と、カスタマエクスペリエンスを担当するバイスプレジデントのJohn Jester氏が、次のように述べている。

  • 基本的な理念として、ユーザが積極的に使用している限り、機能の削除(あるいは互換性のない形での変更)は行いません。
  • 将来的な変更については、最低でも1年前にユーザに通知します。それまでの間、該当する機能は問題なく動作し続けます。
  • APIに適用する変更はすべて、プロダクトリーダとエンジニアリングリーダで構成される管理委員会によって査察された上で、厳格な製品ライフサイクル評価に従います。

Enterprise APIの発表は、Google Cloudが2023年に資金を失う可能性があるという、2019年に発したを再燃させている。しかも、先日のCanalysのレポートによれば、現在のクラウドインフラストラクチャ市場において、AWSとMicrosoftはGoogleよりもかなり大きなシェアを占めているのだ。Google Cloud Platformへの出資が2023年に停止される可能性があるという噂を取り上げたhacker newのスレッドには、次のような回答がある。

開発者コミュニティにおいてGoogleの抱えている問題には、Googleがこれまで私たちの足下をすくってきたという、長い歴史が関わっています。最近の数週間を見ただけでも、削除あるいは大幅な変更が原因で開発者が使用できなくなったGoogleプロダクトに関するHN(hucker news)記事が3つもあります。

Googleはコミュニティの信頼を失っているのです。Google経営陣がこのような反応を回避したいのならば、安定性に関する評判を構築する必要があります。ユーザが利用しているプロダクトを廃止し続けた年月の間に、Googleは、同社に対して人々が持っていた信用を損なってきました。

Amazonはプロダクトを廃止しませんし、Microsoftは長期的に信頼できるプロダクトロードマップという評価の確立に何十年も費やしています。

つい先日には、GartnerのアナリストであるFintan Ryan氏が、次のようにツイートしている。

Google Enterprise APIs @googlecloudについて。まだ内外を詳細に見たわけではありませんが、表面的には望ましい(そして遅すぎた)行動です。問題を認識したことが重要なのです。

最後に、AWSやMicrosoftといった他のパブリッククラウドプロバイダは、サービスあるいは機能の廃止をユーザに通知する際のポリシをすでに用意している。例えばAWSは、廃止予定のプロダクトバージョンをAWS Service Catalogサポートする他、ニュースブログでもdeprecation categoryを用意している。一方Microsoftは、AzureポータルでService Health機能を提供するとともに、Azure updateやドキュメントで廃止を事前に発表している。さらに、非公式なTwitterアカウントであるAzure Deprecation(@AzureEndofLife)でも、Azureサービス終了時の通知を行っている。

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