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CloudflareがR2ストレージとレグレス無償でAWSに挑む

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原文(投稿日:2021/10/16)へのリンク

Cloudflareは先頃、エグレス(egress、下り通信)料金に関わりなく、大量のデータを格納可能なS3互換サービスのR2ストレージを発表した。既存のAWSデプロイメントの移行あるいは統合を促進するための手段として、Amazon S3からCloudflare R2へのオブジェクトの自動マイグレーションが提供される。

Cloudflareは、同社がレグレス料金を排除し、S3より少なくとも10パーセント安価なオブジェクトストレージを提供し、低頻度アクセスを無償にする、と断言している。発表の中で、Cloudflareの共同創設者でCEOのMattew Prince氏は、次のように説明する。

AWSがS3をローンチして以来、クラウドストレージは法外なエグレス料金で開発者を引き込み、そしてロックインしてきました。(...) 当社の目標はR2を、データストアのための最も廉価で、最も信頼性の高い、エグレス料金の不要な選択肢にすることです。

S3からR2への自動マイグレーション出典: https://blog.cloudflare.com/introducing-r2-object-storage/

Bandwidth Allianceを推進するクラウドおよびネットワーク企業のグループは、データ転送料金の低減を約束すると同時に、AWSの参加を求めてきた。Cloudflareは昨夏、Prince氏が"Hotel California料金"と呼ぶ、AWSの法外なエグレス料金について取り上げている。

過去10年間、業界全体のトランジット価格は年平均23パーセント下落しています。その間構成された帯域幅全体としては、10年前に比較して93パーセント安価になっています。然るに、AWSのエグレス料金は、同じ期間で25パーセントしか低下していません。

"Compelling Economics of Cloudflare R2"を分析したThe Duckbill GroupクラウドエコノミストのConey Quinn氏は、既存のAWSカスタマが新サービスをどのように使うべきかについて、次のように解説する。

Cloudflareが提供するのは一種の"S3プロキシ"です — S3の、あるいは、実際にはS3互換 — つまり、事実上すべて — のオブジェクトストアの前に置くことができます。そうすると突然、面白いことが起こるのです。

多くの投稿が集まったあるツイートスレッドに対して、Quinn氏は次のように付け加えている

Cloudflareの無償エグレスにAWSがどのような態度を取るか、とても興味があります — 1) 不可能だ、Cloudflareは倒産するだろう。2) やっと分かったね、我々はずっと暴利を貪っていたんだよ。では値下げしよう。3) 完全に沈黙。

今回の発表はHacker NewsReddit上で開発者たちによって議論され、好意的に受け入れられている。Temporal.ioで開発者エクスペリエンスを担当するShawn Wang氏は、Cloudflareは"クラウドの外から中へと進入している(Eating the Cloud from Outside In)"と評して、次のように書いている。

Cloudflareは、クラウドの誰も注目していなかった部分を選択し、そこにとてつもなくよい無償サービスを提供して、いつの間にか80パーセントの市場シェアを獲得しました。一方で、ユーザがTier 1 AWSサービスについて考える時、Cloudflareに相当するAmazon ClpudFrontが望まれることはほとんどありません。

"Rapid and Reliable"を意味するR2という名称について、Taloflowの提供している将来のオブジェクトストレージサービスの名称ジェネレータで作ったのではないか、と疑問を持っているユーザもいる。R2はまだ開発中で、アクセス用の順番待ちリストがある。料金はGB月当たり0.015USドル、データエグレスは無償で、秒当たり2桁になるまでのリクエストはゼロレートで提供されるものと予想されている。

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