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F# 6が、再開可能なコード、パターンマッチング、ツールの改善などを導入

原文(投稿日:2021/10/27)へのリンク

F# 6は言語、ライブラリ、ツールに対して豊富な新機能を提供する。パフォーマンスを向上させ、プログラマーが簡単にF# 6に切り替えられることを目指している。

F# 6は、再開可能なコードをベースとして並行性に対する新しい基盤を採用している。これは、非同期コードを開発したり、ステートマシンを生成したりすることに対してパフォーマンスの高い方法である。再開可能なコードは、コンポジション可能で再入可能なコードの定義ができる言語の新しい低レベル機能である。この機能は、関連するResumableCode<'Data, 'T>デリゲート型を通して直接使うことを意図したものではない。むしろ、新しい計算式を実装するためのベースを提供するものである。

F# 6で再開可能なコードを導入した最初の成果は、新たなtask {}計算式だ。これは、非同期タスクを作成する際の、よりパフォーマンスの高い方法を提供することを目的としている。F# 5では、非同期タスクを開始するために実行が必要であった。

let readFilesTask (path1, path2) =
   async {
        let! bytes1 = File.ReadAllBytesAsync(path1) |> Async.AwaitTask
        let! bytes2 = File.ReadAllBytesAsync(path2) |> Async.AwaitTask
        return Array.append bytes1 bytes2
   } |> Async.StartAsTask

タスクを使うことで、明示的なAwaitTask呼び出しを省略できる。

let readFilesTask (path1, path2) =
   task {
        let! bytes1 = File.ReadAllBytesAsync(path1)
        let! bytes2 = File.ReadAllBytesAsync(path2)
        return Array.append bytes1 bytes2
   }

構文が単純化されたのに加えて、taskのパフォーマンスが大幅に向上している。その下にある完全に異なるメカニズムに依存しているためである。そして、.NETタスクとの相互運用性が改善している。ほとんどの場合、asyncの利用をtaskに安全に置き換えることができる。それでも、その2つの間の多くの違いに注意する必要がある。例えば、taskがキャンセルトークンを暗黙的に伝播しないことや、非同期テールコールをサポートしないことなどである。

F#の強力な機能は、入力データにマッチする名前付きパーティションを定義する機能である。その名前をマッチング式で使用できる。これはActiveパターンと呼ばれる。F# 6は構造体表現のサポートによりアクティブパターンをさらに強化している。これにより、基本的に(A|_)のようなアクティブパターンの定義で、F#の通常のオプション値の代わりにvalue optionを返すことができる。これらの機能を利用するには、Struct属性を使って、SomeNoneをそれぞれValueSomeValueNoneに置き換える必要がある。

[<return: Struct>]
let (|Int|_|) str =
   match System.Int32.TryParse(str) with
   | true, int -> ValueSome(int)
   | _ -> ValueNone

value optionは、常にではないが、多くのシナリオでコードを高速化するのに役立つ。

言語を高速化することを目的としたもう1つの新機能は、新たなInlineIfLambda属性だ。ラムダ引数とともに使用でき、呼び出し側でインライン化する必要があることを示すものである。インラインラムダは、たとえば多重のループで特に便利である。

言語構文の面では、F# 6はexpr.[idx]を使ってベクトルにインデックスを付けるというレガシーのOCamlを廃止し、より一般的なexpr[idx]を採用している。古い構文は引き続き有効だが、新しい構文がインデックス作成の推奨される方法である。警告(/warnon:3566)を有効にして、古い構文を取り除くことができる。

F# 6は、暗黙の整数変換とアップキャスト変換デバッグの改善コンパイラの高速化など、ここで説明できるよりもはるかに多くの新機能を提供する。詳細については、公式発表をお見逃しなく。

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