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ソフトウェア品質の評価方法

QPAM(Quality Practices Assessment Model)を用いて、チームの発揮する行動を「開始」「統合」「実践」「革新」といったを4つの次元に分類できる。QPAMはフィードバックループ、文化、コード品質と技術的負債、デプロイメントパイプラインといった社会的・技術的な品質側面を調査するのだ。

Janet Gregory氏は、Agile Testing Days 2022で、このモデルを使った品質の評価について講演した。

品質プラクティス評価モデルには10個の品質側面がある。これについてはHelping Team Deliver With a Quality Practices Assessment Modelで説明されている。

品質側面ごとにチームが示す行動は4つの次元のうちの1つに分類される。「開始」「統合」「実践」「革新」である。ただし、Gregory氏が述べたように、チームのすべての品質側面が同じ次元に分類されるわけではない。

「開始」の次元にあるチームは品質に関する実践が少なく組織化されていない。Gregory氏は続けて説明する。

低品質のコードが本番環境にデプロイされ、欠陥が記録され、欠陥のバックログが蓄積されます。すべてのチームがこのような状態ではありませんが、もっと混沌としたチームもあるかもしれません。しかしほとんどのチームはこのような状況を改善したいと思っているのです。

「統合」の次元では、組織は1つ以上のアジャイル手法を採用し、クロスファンクショナルなデリバリーチームを形成している。Gregory氏は説明する。

チームは毎日スタンドアップを行い、プロダクトバックログを作成して定期的に改良し、作業のタイムボックス化などのイベントに従います。彼らは、各イテレーションを終わらせる小さなタスクを取ろうとし、クロスファンクショナルチームとして協力することを学んでいます。

「実践」の次元では、チームメンバーは、学んだ点が自然に身に付き、常に顧客への価値提供に満足している。

チームは必要なときに素早くピボットできるよう迅速で効果的なフィードバックループを開発しました。コードの不具合を防ぐことに重点を置いているため、不具合はほとんど発見されません。早期に発見された不具合は直ちに修正されるか、次のイテレーションで最優先されます。またテスト活動をサイクルの早い段階で進め、顧客からのフィードバックを製品の改善に活用することで最初から製品に品質を作り込んでいます。

「革新」のチームは高いパフォーマンスを発揮する。サイクルタイムが短く、顧客価値とビジネス価値が頻繁に提供されるのだ。

チームは市場を熟知し、特定された側面において高い品質が定義されています。彼らは必要に応じて実験を行い自分たちのやり方を適用させています。自己学習と自己鍛錬が規範となりチームは常に学習と改善に努めており心理的安全性が高いため、失敗は学習の機会と見なされます。フィーチャー開発はフローを重視しながらも、顧客にとっての価値に基づいて熟考されます。チームは、生産現場からの継続的なフィードバックにより、変更の影響を理解し、監視してるのです。品質は最初から作り込まれている状態です。

難しいのは、さまざまな情報源から集めたすべての情報を統合し、矛盾点を洗い出すことだとGregory氏は説明する。

私は、さまざまな品質の側面とそれに関連するプラクティスをまとめたスプレッドシートを使用するのが好きです。そうすることで、調査結果を各次元との比較が容易になります。

モデルは使う人がいてこそのものであり、ファシリテーションはスキルである。チームが自己評価をしようとすると、他の人が見るよりも自分たちの高い評価がしばしば見受けられる。しかしそうなったとしても、チームにとって良くないプラクティスであるわけではない、とGregory氏は述べている

品質プラクティス評価モデルは、Gregory氏がSelena Delesie氏と共著した「Assessing Agile Quality Practices with QPAM」という本に記載されており、Gregory’s publicationsページに掲載されている。

InfoQは、品質を評価することについてJanet Gregoryにインタビューした。

InfoQ: アセスメントファシリテーター向けのヒントはありますか?

Gregory氏:情報を得るには多くの方法が存在しています。レトロスペクティブ、インタビュー、ミーティングやワークショップの観察、ユーザーストーリーやテストのような成果物の調査などを組み合わせて、できる限りのことをしているのです。

私たちの本では、ファシリテーターが使用するための自由形式の質問をリストアップしています。それに情報を引き出すために注意深く耳を傾け、観察する必要があるのです。多くの場合、語られていないことが、そうでないことと同じくらい重要です。私たちは、アセスメントを実施するすべての人に役立つファシリテーターのためのガイドとして、次の本を作成しています。(時期は未定ですが、2023年の前半を予定しています)。

InfoQ:評価結果をどのように提示すればよいでしょうか?

Gregory氏: ファシリテーターが何を共有するかは文脈によって異なりますが、情報が匿名であることが重要です。 もしあなたが社内の人物ならおそらく自分の観察結果をすべて集めて、発見したことを共有して、チームが何を改善すべきかを選択できるようにするでしょう。
あなたが外部者(私のように)である場合、おそらく観察したことを共有して、提案や提言をするでしょう。

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