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AWS、クラウドに最適化したLinuxディストリビューション「Amazon Linux2023」をリリース

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AWSは、高いセキュリティ基準、予測可能なライフサイクル、および確定的なアップデートを備えた第3世代のLinuxディストリビューションであるAmazon Linux2023(AL2023)の一般提供を発表した。

同社は、2010年に最初のクラウドに最適化したLinuxディストリビューションをリリースし、2番目のAmazon Linux2を提供している。そして今回AL2023では、2年ごとの予定されたメジャーリリースサイクルと長期サポート、頻繁で柔軟なアップデート、SELinux、カーネルライブパッチ(x86-64およびARM)、OpenSSL 3.0や改訂された暗号ポリシーによる改良されたセキュリティ機能、バージョン管理されたリポジトリによる確定的アップグレード、カーネルの強化などを期待できるのである。

Amazon Linux2とAL2023にはいくつかの違いがある。もっとも重要な違いは、Amazon Linux2が2023年6月30日までの長期サポートであるのに対して、AL2023は予測可能な2年ごとのメジャーリリースサイクルと長期サポートを提供することである。

またAL2023は、ユーザーにバージョン管理されたリポジトリを通じて確定的なアップデートと、柔軟かつ一貫したアップデートメカニズムを提供する。AWSの主任デベロッパーアドボケートであるSébastien Stormacq氏は、Linux2との比較でこの機能を説明している

このディストリビューションは、Amazon Linuxパッケージリポジトリの特定のバージョンにロックされ、アップデートをどのように、いつ反映するかを制御できるようになる。Amazon Linux2とは異なり、デフォルトではdnf updateコマンドによるインストール済みパッケージの更新をしない。これにより、フリート全体で同一のバージョンを使用するように制御できるようになる。

AL2023を活用したいユーザーは、EC2 run-instances API、AWS Command Line Interface (AWS CLI)、またはAWS Management Consoleを使用し、AWSが提供する4つのAmazon Linux2023 AMIのいずれかを使用できる。これらは2つのマシンアーキテクチャ(x86_64およびArm)および2つのサイズ(standardとminimal)をサポートしている

  • arm64アーキテクチャ(standard AMI):al2023-ami-kernel-default-arm64
  • arm64アーキテクチャ(minimal AMI):al2023-ami-minimal-kernel-default-arm64
  • x86_64アーキテクチャ(standard AMI):al2023-ami-kernel-default-x86_64
  • x86_64アーキテクチャ(minimal AMI):al2023-ami-minimal-kernel-default-x86_64

また、AWSはAmazon Linux2023を、Amazon Elastic Container Registry (Amazon ECR)およびDocker HubからDockerイメージとしても配布している。これらのイメージは、Amazon Linux2023 AMIに含まれるソフトウェアコンポーネントと同じものから構築されている。

DevOpsエンジニアであるRo'i Bandel氏は、ブログで以下のように述べている。

Amazon Linux2023は非常に興味深い。新しいFedoraベース、更新されたパッケージ、改善されたパフォーマンス、およびセキュリティの向上など、多くの魅力的な点がある。しかし多くの破壊的な変更があるため容易にアップグレードをすすめられない。また、利用可能なパッケージが限られているため、他の一般的なAMI(Ubuntuなど)が適するケースもあるだろう。

Amazon Linux2023は、AWS GovCloud (US)や中国リージョンを含むすべてのAWSリージョンで利用可能である。詳細については、ドキュメントページおよびFAQを参照してほしい。

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