Agile Allianceは4月7-9日で、技術に特化したカンファレンスを初めて開催する。このイベントが開催される背景の少なくとも一部には、毎年のAgile 20XXカンファレンスがソフトウェア開発における技術的な側面にあまり重点を置いていないという認識がある。
カンファレンスのオーガナイザーの1人であるNancy Van Schooenderwoert氏は、このカンファレンスが重要である理由と、このイベントをカバーする領域を示した図解をブログに投稿した。
InfoQはAgile Alliance Technical Conferenceでプレゼンテーションを行う何人もの講演者と話し、参加の理由と何が重要かを聞いた。結果はこのようになっている。
Alex Schladebeck氏はドイツBREDEX社のテストコンサルティングのヘッドを務めており、オープンソーステストツールJubulaのプロダクトオーナーでもある。
InfoQ: なぜAATCへの参加を決めたのですか。
わたしはIT業界で働いてきたほとんどをアジャイルプロジェクトに費やしてきました。他の人がどんな実践を積んでいるのか、何がうまくいって、何がうまくいっていないのかを聴くことは非常に有益なのです - 自分たちや顧客のプロジェクトにおける問題や機会に新しい視点をもたらしてくれますので。
また、自らが講演して経験を共有できることも非常に楽しみにしています!
何についてプレゼンテーションなさるのですか?
みんなをバンパイア・キラーに、少なくともバグ・キラーにすることについてです!真面目にいうと、もっとアクティブになって、"全チームクオリティ"の考えに取り組むために、各チームメンバーのポテンシャルを伸ばす観点や事例を紹介します。タイトルは私が好きなTV番組の、Buffy the Vampire slayerからきています。7シーズンに渡って全世界を背負っているのは、ただ1人の選ばれし者です。敵は卑劣さとタフさを増していき、ラストの悪者は到底倒せそうもありません。最終的に、世界の運命を負って1人で"殺す"力を持つより、もっと多くの人と分かちあうことで勝負はつきます。
アジャイルチームにも似た部分があります。プロジェクトで全テストの責任を誰か1人、または複数人に負わせようとする危険な傾向が起こりえるのです。そこには品質支援のために開発者とテスターの両方の役割で取れるステップがあります。フォーカスを当てたまま、ギャップを減らしてポテンシャルを実現するものです。講演では私たちがどんなステップを踏んできて、それがどんな風な具合かをお話します。
Justin Searls氏に、Test Double社の共同創立者であるのだが、参加理由とカンファレンスの重要性を聞いた。
私はAgile Allinaceの友人に何年も苦情を言ってきました。技術的プラクティスよりも管理的プラクティスが圧倒的に強調されていると。だから私が初開催のこのカンファレンスで講演するチャンスをもらえたとき、つべこべ言わずに自分がやらなければいけないんだと気付きました。Agile Allianceが組織が技術や開発者のプラクティスを改善できるようフォーカスを広げてくれて本当に嬉しく思っています!
私のオープンソースコミュニティの視点からすると、アジャイルは取り残されています。"Agile"がウォーターフォールの拒絶を表している限り、ソフトウェア開発の新たなイデオロギーの祖となるのです。そして"agile"プロセスを推している人々は、たとえそれがなんであっても、プロセスを追加して開発者の生産性を制限する方法を探しているように見えるのです。結果として、私のチームの開発者数名はアジャイルについて話し合うのに膨大な時間を費やしています。
これは驚くべきことですし、かなり急な方向転換です。アジャイルコミュニティの非技術的プラクティスへのフォーカスが大きな要因でもありますが、開発者が"agile”に反発する主な理由は、XPの出現から労働市場が劇的に変わったことにあると思います。スタートアップとオープンソースコミュニティにいる多くの開発者がこのような影響と自律のレベルに到達し、自分たちの軽量なプロセスで進むために、もはや誰かに許可を求めたりせずに済むようになったのです。
彼らは自由を勝ち取ったかもしれませんが - ほかのイデオロギーと同様 - その周辺のコンセプト、ツール、プラクティスを理解するのによく苦戦しています。ユニットテストとそのツールのように、プラクティスを結びつけることには大きな価値があるのです。ツールとプラクティスの歴史を理解している開発者は、どうやったら一番うまく適用できるかを考え、広い視野を持って運用します。その一方で、アジャイルコミュニティは有力な開発者へそれを暴露することで大きな利益を得ています。そのような理由から、アジャイルコミュニティの外から開発者をはっきりと求める技術的カンファレンスを開催することは大きな一歩ではないかと思います。
プレゼンテーションでは何を話すのですか?
わたしの講演のタイトルは”How to Stop Hating Your Tests”です。なぜそんなに多くのチームが必ずというほど自分たちのテストを嫌うようになるのか、それを回避したり軽減したりするには何をするべきかを話します。講演では、結局はわかりにくくて、遅くて、不安定な結果となるテストへの直感的で素直なアプローチ15個を紹介します。同時に、この結果を避けるためにわたしが何年もかけて貯めた、直感に反した内省を散りばめます。
Snowflake ComputingのシニアテクニカルエヴァンジェリストであるKent Graziano氏は、なぜこのイベントが求められているのかを語る。
これはアジャイル開発を行うなかで、より技術的な側面にフォーカスした初のアジャイルイベントです。現実世界の問題を解こうと頑張っている他のアジャイリストと繋がるチャンスを持つために参加しかったのです。
アジャイルのメソッド、プロセス、プロシージャ、組織的な変化について話すのは素晴らしいことですが、実行するのは難しいです。技術の世界の変化は速度を増しているのです。トレンチにいる人々(開発者、アーキテクト、テスターなど)は、アジャイルチームを成功させるために、他の人がどうやって新しい技術とプラクティスを適用させているのか知るチャンスを欲しがっているのです。
彼は、データウェアハウスデザインのためのアジャイルデータエンジニアリングについて話している。
データウェアハウスデザインのためのアジャイルデータエンジニアリングについて。近年、アジャイルはついにデータウェアハウスとビジネスインテリジェンスの世界に入り込んできました。しかし古いデザイン方法とデータウェアハウスの開発はアジャイルアプローチに適してはいません。それでは最新のIT情勢において、アジャイルになれるような方法を以て、わたしたちはどうやってそれをやってのけたのでしょうか。
第一に、悪い方法を変える必要があります - もはやビジネスにデータを届けるのに何年も掛けてはいられません。ユースケースと詳細な仕様書を作るために、細かな分析に何ヶ月も費やせません。代わりにエンタープライズ規模のデータモデルをデプロイするのに何ヶ月も費やし、システムが変わったソースを探し出すのです。するとモデルにはもうビジネスの成功に重大な、現在関連のあるデータを保つ余地がなくなります。
それよりもっとアジャイルにならなければなりません。
アジャイルデータウェアハウスのゴールに到達したいと望むなら、アジャイルデータエンジニアリングをする方法が必要なのです。
わたしの講演では参加者に、データボルトとして知られている方法なんかをご紹介します。わたしが10年以上使っている方法で、イテレーティブにデータウェアハウスデータモデルを組み立てるものです。これはイテレーティブなデザインだけでなく、再現性と最終的な自動化に適する、まっすぐでテンプレートベースなアプローチです。
Laurie Williams氏はコンピュータサイエンスの准学部長であり、ノースカロライナ州大学(NCSU)のエンジニアリングカレッジコンピュータサイエンス部における教授である。彼女は言う。
ソフトウェア開発における優秀さの根幹は開発チームの技術的プラクティスに作用します。
アジャイルソフトウェア開発は、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、ビジネスから技術的トピックに至るまで、すべて網羅的に広がっています。1つのカンファレンスでは、これらの領域すべてを完璧に扱えません。技術的カンファレンスは技術的コミュニティに影響するトピックに深く入り込むものです。
講演の内容はこうだ。
ペアプログラミングについてお話しします。1990年代後半より、すべてのアジャイルチームにとって鍵となっているプラクティスです。ペアプログラミンのプラクティスを使っているソフトウェアエンジニアは、知識マネジメント、プロダクトリスクの削減、そしてチームワークの向上といった利点に加え、より良い品質のソフトウェアやより良いデザインなど多くの利点を見つけています。長年を掛け、プラクティスを拒否し続けるチームがある一方、いくつかのチームは大きなレベル(エクストリームペアリング)に、いくつかは時々(オンデマンドペアリング)、プラクティスを適応させています。このプレゼンテーションではペアプログラミングを適用する実用性についてお話しします。
LeanDogの共同創立者であるJeff (Cheezy) Morgan氏、EPAMカナダのArdita Karaj氏は一緒にライブコーディング/TDDのセッションを提供する。インタビューではこの報道と共に、自身の参加モチベーションを語ってくれた。
Cheezy氏はAgile AllianceによるOnAgileヴァーチャルイベントに去年参加し、技術的プラクティスを中心に据えるイベントに参加したがっている。
Ardita氏は、多くの組織におけるアジャイル適用のこの局面がひどく低い取り込みレベルにあるとし、力強い技術的プラクティスの促進がどれほど重要かを話した。彼らはライブコーディングのアクティビティを選び、現実的に開発者やテスターがどうペアを組むのか、ATDDとTDDのフレームワークがどう機能するのかを見せる。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action