BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Kalix:データベースを使わないクラウドネイティブでビジネスクリティカルなアプリケーション構築

Kalix:データベースを使わないクラウドネイティブでビジネスクリティカルなアプリケーション構築

原文(投稿日:2022/05/23)へのリンク

Lightbend最近、Kalixをリリースした。LightbendはAkkaを提供する企業である。Kalixは、任意のプログラミング言語を使って、データベースを使わないクラウドネイティブでビジネスクリティカルなアプリケーションを構築するための新しいPlatform-as-a-Service製品である。Kalixは統合アプリケーションレイヤーであり、ソフトウェアを作成するために必要な部品を集め、それらの実装の細部を抽象化する。Lighbendは、開発者に革新的なNoOps開発者エクスペリエンスを提供しようとしている。

Lightbendの創設者兼CEOのJonas Bonér氏は、Kalix提供の動機について次のように説明している。

クラウドエコシステムの複雑さにより、エンジニアリングチームと開発チームの作業が遅くなってきています。Kubernetesは、コンテナの可用性とスケーラビリティを管理、オーケストレーション、保証する優れた役割を担っています。しかし、それは話の半分にすぎません。開発者が、完全なアプリケーションを簡単に構築できるようにするには、アプリケーション層に同等の投資を行う必要があります。その際、そのアプリケーションが、私たちが自由に使えるすばらしいクラウドインフラストラクチャをフルに活用できるようにする必要があります。Kalixはこの大きな問題に対する解決策です。

Kalixの目的は、ステートフルとステートレスのクラウドネイティブをモデリング・構築するためのシンプルな開発者エクスペリエンスを提供することである。それに加え、システムの設計、デプロイ、運用を行うための統一された方法などの、NoOpsエクスペリエンスを提供する。さらに、リアクティブランタイムを提供する。リアクティブランタイムでは、データアクセス、配置、ローカリティ、複製を継続的に最適化することにより、高い回復力を低遅延で提供する。

現在利用できるFunctions-as-a-Service(FaaS)製品を使う場合、アプリケーション開発者は、単一のアプリケーションを構築するためにさまざまなSDKとAPIを学習・管理する必要がある。各コンポーネントには、独自の機能セット、セマンティクス、保証、制限がある。対照的に、Kalixは、必要な部品を集めて統合するアプリケーション層を提供する。そこには、データベース、メッセージブローカー、キャッシュ、サービスメッシュ、APIゲートウェイ、BLOBストレージ、CDNネットワーク、CI/CD製品などが含まれる。Kalixは、それらを1つの統合プログラミングモデルとして表しており、実装の細部を抽象化してユーザに提供する。

これらすべてのコンポーネントを1つのパッケージにまとめることで、開発者はデータベースのセットアップと調整、サーバの保守とプロビジョニング、クラスタの構成を行う必要がなくなる。代わりにKalixプラットフォームがその処理をする。Kalixはまた、開発者にEvent SourcingCQRSCRDTなどの高度なデータアクセスパターンを提供する。開発者がそれらをどう実装するかを学ぶ必要はない。

Kalixは、Daprといくつかの類似点がある。Daprは、最近CNCFにインキュベーションプロジェクトとして参加している。どちらのプラットフォームもマイクロサービスを構築するための統合APIを提供している。一方で、両者の間には大きな違いがある。Daprは、サービスの移植性と選択の自由に焦点を当てたオープンソースプロジェクトである。開発者はどこでもDaprをホストでき、好きなテクノロジーをほぼすべて使用できる。一般的に、Daprはセルフマネージドである。しかし、今はそのマネージド製品がある。

一方、Lightbendは、シンプルな開発者エクスペリエンスに重点を置いてKalixを開発した。その結果、どのようにして開発者がサービスをモデル化、実装、ホストするかに対してより注力している。Kalixでは、プロセスにおける開発者の選択をシンプルにしながら、Daprで利用できる実装細部の多くを抽象化する。

作者について

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT