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オープンソースビジネスモデルの議論~開発とサポート VS 純粋なサポート

Rod Johnson氏(Spring Frameworkを作った人物であり、Springのサポートサービスを行っているInterface21のCEOである)とOpenLogicStormy Peters氏が、オープンソースビジネスに関する2つの異なるアプローチと見解をめぐって、白熱した議論を繰り広げた。OpenLogicとInterface21は、非常に異なったビジネスモデルである。それは、JBossとその他の著名なオープンソースのサクセスストーリーに似ている。Interface21は、Springのコミッターを多く雇い、さらには、Spring周りのサポート、トレーニング、コンサルティングも行っている。一方、OpenLogicは、数多くある著名なオープンソース全てにおいて、保証や統合サービスを含んだサポートやコンサルティングを行っており、オープンソース専門会社の潮流を作ってきた会社の一つである。OpenLogicは、成果に応じて賃金を支払っている外部の開発者のネットワークに頼るだけでなく、テクニカルサポートにおける内部のリソースの両方に頼っている。

Stormy Peters氏は、「オープンソースソフトウェアで働く技術者は、一般的に、結構な額を貰っている本業をもっている。よって、彼らは、大金持ちになるまでの間、タダでオープンソースソフトウェアのコードを書いている。」という主張から話を始めた。Peter氏は、そこには問題解決の度に参加者に対し約100ドルを補償する、OpenLogicのエキスパートコミュニティのサポートの存在があると言っている。

Rod Johnson氏は、JBoss、Interface21、Hibernate、Linuxなどを例にあげ、オープンソースの開発者は、"数年前"からある考え方であるイブニングボランティア(仕事を終えてからボランティアで行う)であると言っている。

Linuxを例に挙げれば、そのコードの殆どは、企業に縛られている開発者たちによって作られたものです。約1,000人の開発者たちが、定期的にLinuxの変更に貢献していると、Morton氏は言っています。これら1,000人の開発者のうち約100人は、開発者の雇用主としてLinuxに係る作業にお金を支払っていました。
Rod氏は、ガートナーの統計を例にあげ、オープンソースソフトウェアの売上は、今後2011年までに、商用ライセンスの売上の5倍になるであろうと言っている。さらに、その長い期間の間、オープンソースを維持可能とするモデルが存在しなければ、粗悪なソフトウェアが非常に沢山作られるだろうと指摘している。Rod氏の言う「維持可能」というのは、ボランティアに頼らないということなのである。Rod氏は、OpenLogicのモデルに多くの批評を投げているが、それは、Interface21が開発とサポートを両方行っているのに対し、OpenLogicはサポートのみを行っているという両者のビジネスモデルの決定的な違いに起因するところがある。Rod氏に言うところは、次のとおりである。
我々は、ミッションクリティカルなソフトウェア産業の一部が、急激に成長しているということについて話しています。そして、OpenLogicsのモデルでは、全ての人が素晴らしいソフトウェアを開発することを生業にすることはできません。...(中略)...ソフトウェアの保守の工程とソフトウェア開発の工程を切り離すことはできないのです。...(中略)...それは、エンタープライズのオープンソースの将来ではありません。もっとも、オープンソースの将来が無い場合は別ですが。
ユーザが持つ多くの問題に対して、OpenLogicは、30分から1時間の範囲で1時間あたり100ドルから200ドルの利益を(トラブルシューティングを行うことに同意したり、ユーザーの問題を解決する)開発者に対する対価として要求している。OpenLogicのKim Weins氏は、次のようにコメントしている。
そのモデルは、既に実用的なものです。オープンソースの開発者たちは、OpenLogicのエキスパートコミュニティのメンバーになることを選択しています。彼らは、問題を解決することでお金を得ています。そして、その結果、ユーザーは幸せになっています。
Stormy Peters氏は、オープンソースがスポンサーを必要としていることに異議を唱えている。
オープンソースが(お金のかからない)フリーな環境にあるから成功していると思わない人もいるようです。しかし、私は、次のように言いたいのです。今まで成功してきた数多くのオープンソースソフトウェアプロジェクトは、企業のスポンサーがありませんでした。Apacheプロジェクトがその例に挙げられます。

Rod氏は、ブログのスレッドで以下の主張で結論づけている。「エンタープライズのオープンソースは、商用製品と同等の質のサポートを求めており、そうしなければ、ユーザーに本当の意味でのメリットを提供することはできないだろう。」

多くの企業が、この議論であった2つのオープンソース専門のモデルを行うことで成長している。「開発者」側は、Mulesource (Muleの会社)、LogicBlaze (ActiveMQ/ServiceMixの会社で、最近では、IONAに買収された)、Mergere (Mavenの会社)などがあげられ、そして当然のことながらJBossもそうである。純粋な保証とサポートの側は、サポートに対する企業の要求で、VCの投資が増加している先駆者SourceLabsや、SpikeSource、OpenLogicなどがあげられる。

本当に、一方がもう一方より良いのだろうか?あなたはどう思うだろうか?InfoQの過去の記事「Marc Fleury on what makes open source business models tick」も参照してみてほしい。

(原文は2007年6月20日にリリースされました)

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